冷める力

半年以上前、私は韓国人の元彼と別れた。別れた直後、私は精神的に大きなダメージを受け、まともに食事も取れず、彼のことばかり考える日々が続いた。3年間の遠距離恋愛の末に迎えた別れだったが、それでも私は彼を心の底から愛していた。

彼は韓国人らしい韓国人だった。家族第一主義で、特に母親の言うことには絶対服従。32歳にもかかわらず門限があり、母親から頻繁に連絡が入る。彼の家庭は家族経営の会社を営んでおり、家族同士の絆が非常に強かった。その文化は素晴らしい部分もあるが、日本人である私には受け入れがたい価値観でもあった。

それでも私は彼を愛していた。韓国語を学び、彼のために何ができるかを真剣に考えた。結婚しなくてもいいから、彼の子どもを産み、一人で育ててもいいと思ったほどだ。しかし、彼は責任を取る覚悟もなく、曖昧な関係を続けることを選んだ。その瞬間、私は大きく失望し、関係を終わらせる決断をした。

別れた後の数か月間、私は彼への未練に苦しんだが、時間が経つにつれて彼の本質が見えてきた。彼は外見や肩書きで自分を飾り立てる一方、自分本位で異常なプライドを持つ男だった。彼との思い出を振り返るたびに、自分がなぜ彼をあそこまで好きだったのか疑問に思うようになった。そして、友人たちに彼のエピソードを話し、「クズ男だね」と共感してもらうことで、次第に冷静さを取り戻していった。

恋愛において、女性にとって「冷める力」は非常に重要であると感じた。すぐに冷められる人は新しい恋愛にも早く進めるし、メンタルの安定も取り戻しやすい。私の場合、冷めるまでに時間がかかったが、友人たちの助けもあって少しずつ立ち直ることができた。

よく「別れた相手の幸せを願える女性がいい女だ」と言われるが、それは男性にとって都合の良い考えだと感じる。自分自身を最優先に考え、恨む気持ちを抱いても構わないのではないかと思う。私は今、彼に対して怒りと恨みを感じている。彼が私の3年間を無駄にした代償を払ってほしいとすら思う。そして、そんなクズ男を選んでしまった自分にも責任があると理解しながらも、簡単に許すことはできない。

彼は韓国に戻り、兵役を経験している。韓国の社会情勢を考えると、彼がどうなるか分からないが、正直なところ、私は彼に何か不幸が降りかかってほしいとすら思っている。それほどまでに私は彼を恨んでいるのだ。許せるようになるまでにはまだまだ時間がかかるだろう。だが今は、彼のことを完全に断ち切り、自分自身の人生を取り戻すことに専念したいと思っている。

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