有名なるひと
文フリに行ってきた。
着いてすぐに長蛇の列に並んだ。
文フリってこんなにすごいんや…(感動✨)
と思う程だった。
列は少しずつ進んだ。
だいぶ進んだ所でスタッフさんに「文フリの入場証もらってください!」と言われた。
私と夫ともう一人の知らない人は入場証がいるのを知らなかったのだ。
やべ、このままでは文フリに入れない!
慌てて夫と知らない人と3人で「入場証いるんですねー」とか言いながら、入場証を貰いに行った。
そこで気づく!
文フリ普通に入れる!!!さっきの行列は何!?
夫と私はもう一人の人と入口で別れ、普通に文フリに入った。
突如、私についてきただけの夫がヒャッハーしだして行方不明になり探し大変だったり、イーヒヒこれで文フリで買う本は家の金から出るなウキャウキャヒャッハー🎶と心で舞い踊っていたりした。
文フリには有名作家氏がいらっしゃる事がある。
その日もやはり来ていた。
名前は伏せる…。
どうやら先程並んでいた長い行列はその有名作家氏だったようだ。
そうと知った私は、文フリを存分楽しんだ後にそちら方面から帰りたいと夫に申し出た。
だって…
有名作家なんて珍しくない!?
すごくね!?
見ときたくね!?
人間とはミーハーな生き物なのである…。
それは生物学上、仕方がない事なのだ…。
しかもここは都ではないので、なお有名人には心が踊るのだ!
誰か知らんけど有名らしいから握手しとこーとか普通にありなのだ!
ウッキウキと有名作家氏の並ぶ席へと向う。もう有名作家氏の本は売り切れてるだろうし、お顔だけみとこう!
有名作家氏をジッと見つめ…
『あぁ…有名作家って感じするぅ!名前知らんし、ぜんっぜん知らん人やけども…あの人が有名作家氏なんやわ…すごい…貫禄あるわ!!』
と密かに感動と共に尊敬の眼差しを送っていた。
有名作家氏…頑張ってください…!名前も知らないし、あなたのことは知らないけど…きっと名前を知ったらびっくりするような有名作家氏なんだろうな…。尊敬してます☆
そしてその横に並ぶ人々をチラリと見…お隣の人はこの有名作家氏のアシスタントさんかな?
あなた達も有名作家氏と並んでるんだ!きっと有名になれるさ!
あぁ…それにしても有名作家を見てるんやなあ、私…!
そして心の浄化がすみ、家に帰る事にした。
その帰りに夫から衝撃的な事を言われた。
「あそこにいたん◯◯◯◯氏やったんやなー」
「そうやったんや!!真ん中やろ?作家さんって感じやったもんなー!」
「いや…一番こっち側やろ」
「ん?こっち側は普通の人やん?」
「いや、あれが◯◯◯◯氏やで?」
「?」
?????
何言ってんの、この人?
大丈夫か?
あの貫禄ある人が◯◯◯◯氏やろ。
はあーだからドシロウトはっ!
ググレカスである。
そして…しばらくして自分の間違いに気づく…。
夫の言った人が◯◯◯◯氏だった…。
ググレカスは私の方だった…。
では…私が尊敬の眼差しで見ていたあの人は何者?だれ?
どっちにしても私が尊敬の眼差しをおくっていた人は、私の視線がとても恐ろしく感じていたであろう…。