忘れられたもの
娘が某元トップスターのディナーショーに行くことになった。
娘は「◯◯さんにもうすぐ会える」だの「楽しみだね」だのと、幸せそうに話していた。
ホテルのバスに乗り込んでもそのまま娘の話は続いた。
キャッキャとしていた娘…
しかし、ホテルが見えてくると( ゚д゚)…
人間ってびっくりした時は声も出ず→( ゚д゚)のような顔になるのだと心から思った。
娘はそんなにすごいホテルだとは思っていなかったのだろう。
不安気に◯◯の間とやらに向う娘を笑顔でお見送りをした後、私はホテルのロビーで読書をすると決めていた。
さあ、本を読むぞ♡
ジャーン!
旅の指さし会話帳のタイ語!
……………????
え?他の本は?
中身を探るが旅の指さし会話帳・タイ語しかない。
何度見てもない。
どうやら鞄を間違えたのか、目当ての本が鞄に入っていなかった。
仕方なく、私は旅の指さし会話帳を読む…読むっていうか見る事にした。
旅の指さし会話帳は、その国の文化も知る事が出来て面白い。
タイに文通友達(今はLINEでやり取りしている)がいるので、友人の文化を知るのも良いだろう…
しかし、ディナーショーの時間は3時間!
旅の指さしはすぐに読み終えてしまった。
なのでもう一度読み返す。
フムフム…
…あきた…😇
よくよく考えたら手紙とかLINEで使わん言葉ばかりが並んでいる。
今、私が読みたいのは小説だった。
なぜ間違えたのか!?なぜ確認しなかったのか!?
私はアホなのか!?
アホだろ!?
このアホな行いは、実はブルガリア、ルーマニア、ハンガリー旅行の時にもやらかした。
10日間の旅行で「ブルガリア・ルーマニア 地球の歩き方」「ハンガリー地球の歩き方」のみを持っていってしまったのだ。
積みまくってた本を飛行機で、ホテルで、読もうと思って用意していたのに入れ忘れてしまった…。
アホな私は地球の歩き方のおかげで、ブルガリア、ルーマニア、ハンガリーにとても詳しくなってしまった。というか、ならざるを得なかった。
日本語が恋しくなると地球の歩き方を読んでいた。
ノートとペンは持っていたので、観光地に行く前に地球の歩き方を見ながらメモをし予習などをしていた。
そんな時、私と娘はブルガリアのとある観光地で日本語に出会った。
観光地に社会見学に来ていたブルガリアンボーイ&ガールな子どもたちが「こんにちはー✋」と笑顔で挨拶してくれたのだ。
それはそれは美しい日本語だった。
私は嬉しくなり、
「こんにちはぁ〜」と挨拶をした。
美しい日本語の少年は少し「あれ?」っという顔をした。
後ろの子どもたちも同じように「?」というような顔した気がしたが、私達に挨拶をしてくれた。
「こんにちはぁ〜」
聞き間違いだろうか?
突然、関西弁が聞こえてきた。
その後ろも、そのまた後ろも金髪ボーイと金髪ガールも関西弁で挨拶をしてくる。
オーマイガッ
私は未来あるブルガリアの子ども達に関西弁で挨拶を教えてしまったのである。
ヤラカシタ…!
その後はずっと、ブルガリアンボーイとブルガリアンガールは教師から叱られてはいないだろうか?と気にしている。
とても気になっているが、それを知る術はもうない。