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現在地

最初からいきなり始めるのは余りに長く途方もないので、まずは現状から。

こまぶしの今(2023年5月現在)

右進行乳がん+多発転移
・皮膚浸潤(腫瘍が皮膚を突き破っている状態)
・胸骨、右腋窩リンパ節(脇の下)、前縦隔(左右の肺の間に胸膜で囲まれた隙間の一部)の結節、転移
・多発骨転移(硬化性)
・多発骨折を繰り返している
・多発肝転移
・肺転移の多発結節に著変なし
・子宮左側に恐らく筋腫だろうが変化なし
・脂肪肝軽減
・胸水、腹水は現状なし

以上が4/11に受けたCT検査より。ちなみに左乳房にもがん細胞はあり、ステージは暫定の診断で恐らくは0〜1との事だったが、2018年4月の宣告時点で既に右乳房が進行性で既にステージIVだったので実質、左側の治療はしない事に。去年の7月に余命宣告済みで、年単位は難しいとの事。ホルモン療法中の肝転移から進行が早くて抗がん剤ルートへ踏み切り、TS-1から始めるも劇的な好転は見られず、いつ標準治療を終える時が来てもおかしくないのが私の現状です。いかがでしょう。この僅かな文章からも怖いと思いました?嫌だ、辛い、悲しいと感じてくれましたか?

そうです。それが、乳がんの世界を綱渡りする我々患者の厳しい現実なのです。特にステージIVは次がもうありませんからね。いわば、深層部のようなものですが、誤解して欲しくないのは【ステージIVだからといって、必ずしもすぐに余命宣告を受けたり死に至るとは限らない】点です。正直、一昔前と今ではステージIVのがんに対する考え方や治療、患者のライフスタイルも大きく変わっています。仕事をしながら治療を続けたり、旅行や趣味を楽しんだり等々、QOL(クオリティ・オブ・ライフ「生活の質」「生命の質」)を可能な限りで大切にしながら病気に向き合っていく事で心身の苦痛の緩和にも繋げている感じでしょうか。私も近場での買い物やお出掛けは時々していますけど、両親にしてみれば最初はそんな私が信じられなかったようです。まぁ、無理もありません。二人の若い頃はそれこそ、ステージIVのがんなんて死も同然という価値観が大きく混乱し、理解が追いつくまでに時間を要したみたいなので。

そうは言ってもステージIVである以上、体の負担が大きく無理も禁物な事は忘れてはいけません。私は骨転移を抱えているので衝突や転倒などは厳禁。骨折防止には細心の注意を払いながら過ごしています。あとは両脚ふくらはぎ辺りに浮腫が出るので利尿剤を服用中です。浮腫は心不全のリスク増に繋がるので経過観察中。

問題点

現在はベージニオ+ゾラデックスにアナストロゾールで維持緩和治療中ですが、このベージニオがまぁお高い薬なのです。ベージニオ(アベマシクリブ)はサイクリン依存性キナーゼ阻害薬(CDK4/6阻害薬)で、簡単に言えばCDK4とCDK6という細胞周期をコントロールする物質の異常を阻害し、乳がん細胞の増殖を抑制します。細胞は通常、細胞周期が1回転で分裂増殖するのですが、乳がん細胞はCDK4と6が異常中なので勝手放題な増殖をします。これを防ぐ為の薬ですが、薬価が150mgで一錠約8600円超。これを一日、朝夕で二錠×28日分だからもし、服用が決まりそうな場合は限度額適用認定証の申請取得をどうかお忘れなく!

しかし本当に高いお薬です。これを長く継続するには費用面から、生活に影響が出る可能性も否定は出来ません。私も葛藤は尽きず悩ましい限りで、命を繋ぐ対価の重さを痛感しています。ある意味、がん治療に於ける大きな問題の一つかと。高額な治療費は生活の質を大きく下げてしまい、だけど止めたら命に関わるので板挟み状態。中には諦めも肝心等と思う方もいらっしゃるかもしれませんがせめて、少しでも改善に向けた議論や提案くらいはさせて欲しいです。だって生きたいから。私は生きたい、生きたいよ 

こまぶし🎀

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