クラウドファンディングの5要素
プロデュースしているアイドルグループ、PUPUPU81(ぷぷぷエイトワン)のクラウドファンディングで目標金額(50万円)の500%超を達成した経験から感じた、クラファン企画をする上での5要素についてです。主にプロジェクトページの構成、運用に関して重要だと思う5つの要素です。
あくまで僕が感じた重要な5つの要素なので、これが正解というわけではないです。また、HowTo記事ではないので、ここでは概要をつづります。5つあるので4,000字弱とちょっと長丁場です。
クラウドファンディングの5要素
A.タイトルB.ストーリーC.リターンD.デザインE.ホスピタリティ
A.タイトル
プロジェクトのテーマを一言で表す部分。かなり大事です。
「どこで」「誰に」「何を」「どうしたいのか」を簡潔にまとめる。
気にするべきは文字数。
CAMPFIRE、Makuakeは40文字以内です。短いです。この中で「何がしたいのか」がファン(特にガチファン)へ魅力的に伝わる言葉選びをする必要があります。
また、検索やリンクのサムネイル表示を意識するのであれば、より端的な方がいいです。表示文字数が限られているので。
【PUPUPU81のリベンジ大作戦!】リベンジライブ大開催!&初のMVを作ろう!
「どこで」は重要ではなかったので入れず、「誰に」は当然ファンのためで、わざわざ「ファンのため」とは入れずとも伝わりますので、「何を」「どうしたいのか」を詰め込みました。
ポイントとしては、一大テーマとして「大作戦!」とし、【】でくくることでファンに捧げるイベントであることを強調しました。
その他にもいろんなことを考慮してこのタイトルに仕上げてます。
B.ストーリー
支援してもらいたいプロジェクトについて詳細に説明する部分。
ここでの説得力、納得感が成功角度に大きく影響を与えると言ってもいいです。
主に以下の内容で構成します。
- はじめに(自己紹介&やりたいことの発表)- なんでこのプロジェクトをやるのか- プロジェクトを通じてどうなりたいのか- プロジェクトのまとめ- 資金の使い道- リターン- さいごに(魂の訴え)※"資金の使い道"の手前までに「なぜ資金が必要か」を織りまぜる
とにかく、
説得量=強く共感してもらえる(お金を出してもいいと思えるレベル)
納得感=誰にどんなメリットがあるのかが明確に伝わる
内容を心がけます。
そのためには、本人がストーリーを考え、書いた方がいいです。ただ、文章や構成が苦手な方もいると思うので、ある程度得意な人にお願いしてもいいですが、最終的な仕上げは本人が納得できるまですべきでしょう。
あともちろん、嘘や論理矛盾は絶対にダメです(盛りは限度内に)。
C.リターン
”支援”となるところで、成功角度に直接的に大きく影響を与える部分。
それだけに押さえるべきポイントは数多く、工夫のしどころです。
リターン設計の代表的なポイントいくつかと、コツを1つご紹介します。
代表的なポイント
-ファンが欲しくなるもの-ファンの「参加してる感(余白)」-選べる楽しさ-限定感-わかりやすさ
-ファンが欲しくなるもの
最低限のポイントです。HowTo記事によく「代表的なリターン」が解説されていますが、鵜呑みにしないことです。
「何をあげるか」ではなく、「何が欲しいか」を重視します。常にリターンを受け取る側の視点でリターン設計を考えましょう。そうすると、単にステッカーをあげることが、サンクスカードをあげることが支援者にとって真の喜びなのか、お互いにWinWinなのかということに気づいてきます。
ファンは「お金を出す理由(言い訳)」を探してくれています。
「購入=リターン」というだけの設計ではなく、「応援している自分(自分がいないとダメ)」「自分のためになる」「継続的にお付き合いしていきたい(ファンになりたいかも)」といった気持ちを刺激する設計にしましょう。
「ファンが欲しいもの」は直接ファンに聞いてみるのもアリです。身近な支援者候補や、明確にファンがいれば対話形式でSNS等でヒアリングするのもいいでしょう。
-ファンの「参加してる感(余白)」
プロジェクトに余白をたくさん用意して、自分の購入によって「プロジェクトが完成していく=プロジェクトに貢献している」と感じてもらえると強いです。
そのために、クラウドファンディング=イベント、に参加していると感じられるリターンを入れましょう。
イベント参加権などの体験型はわかりやすいですし、イベントで使えるもの、制作物に携われる物なども「参加してる感」が出やすいです。
-選べる楽しさ
バリエーションを豊富にし、注目リターン、一般リターンなど緩急を持たせて、選べる楽しさをファンに味わってもらいましょう。
-限定感
選べる楽しさにも通じますが、「限定」という価値は強いです。
クラファンだからこそのうま味(ここしかない、一般販売よりお得など)があると参加してる感、選べる楽しさがより出ます。
<CAMPFIRE限定>などわかりやすく明記するとレア感が出しやすいです
-わかりやすさ
プロジェクトページ本文中のリターンの掲載はとにかく「わかりやすさ」を心がけます。
例えば、設定したリターンにもいくつかジャンルがあると思うので、そのジャンル毎に掲載するなどリターンをカテゴライズして表示することで、見る側が理解しやすくなります。
リターンのコツ
クラウドファンディングは盛り上がり(熱量)が成功角度を変えてきますが、盛り上がる要素として「支援金額」「達成率」「支援者数」があります。これらの調子が良ければクラファンサイト内で取り上げてもらえる確率も上がってきます。
この内、工夫次第で調子良く見せられるのが「支援者数」です。
ここではその工夫の仕方についてご説明します。これは僕が考え出したわけではなく、クラファンのプラットフォーム(SILKHAT)の立ち上げプロデュースをし、ご自身の企画でも毎度サクセスクローズを達成させているキングコング西野亮廣さんがブログや本で言いまくってきたことです。
その工夫とは以下の設定方法です。リターンの設定の仕方次第で、支援金額は同じでも見た目の支援者数を変えることができます。
他にも押さえるべきポイントはたくさんあるので、お知りになりたい方は個別にご相談ください。
D.デザイン
人もクラファンも見た目は大事です。
ここも言い出したらここではキリがないので代表的ポイントを。
-画像:テキスト=7:3-画像はオリジナル-本人が出ている画像や動画-リターン画像もあった方がベター
長くなってきたので端的にいきます。
-画像:テキスト=70%:30%
ページの構成バランスです。CAMPFIREは50%ずつがいいと書いていますが、ものによると思います。エンタメだとやっぱり画像でリッチに見せた方がテンション上がる気がします。
-画像はオリジナル
基本的にファンに向けたプロジェクトなので、ここで初めて見る画像、ここでしか見れない画像の方がファンはテンションが上がると思います。
フリー素材は本気度が低いように見えるので避けた方がいいですね。
-本人が出ている画像や動画
オリジナルかつ本人が出ている画像、動画はファンが喜んでくれます。当然ですよね。
ジャンルがエンタメでなくても、企画者本人が訴える素材は本気度が見えて支援したいと思ってもらえる気はします。
-リターン画像もあった方がベター
リターンにも画像をつけた方が絶対に良いです。理由は上記と同じです。時々リターン画像がテキストのみのプロジェクトが見られますが、ワクワク感や選ぶ楽しさは絵がある場合と比べて間違いなく下がります。熱量を下げる要素はできるだけ排除したいものです。
E.ホスピタリティ
支援してくれるファンをもてなし続けることが大切です。
クラウドファンディングは1ヶ月、2ヶ月に渡るイベントのようなもの。イベント期間中にいかに楽しんでもらい続けるかを考え、確実に実行していく必要があります。
特に、期間中の情報発信は重要です。毎日してもいいです。PUPUPU81は毎日やりました。支援金額や達成率、支援者数など目標を突破したらそのことを発信、温かいメッセージをもらったら共有する、リターン等の準備具合を伝える、など同じイベント参加者としてファンと一緒に喜びを分かち合いたいものです。
情報発信以外にも、クラファン運営の様々なところにホスピタリティはかけられます。そして、それを支援者は感じてくれます。そうして熱量が積み重なっていくのがクラウドファンディングなのだと僕は思います。
以上がクラウドファンディングの5要素です。
本当に書ききれないポイントがたくさんあるので、詳しくお知りになりたい方は個別にご相談ください。
次回からは、他のアイドル・アーティスト系のプロジェクト事例について、これら5要素の観点からその良し悪しを見て、勉強をしていきたいと思います。
ありがとうございました。
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