【千葉県教員採用試験・特別選考】小論文試験・課題文&解答例(2年分)

【2024年・課題文】
日本の子供たちの自己肯定感は、諸外国と比べて低いということが、過去の様々な調査結果から明らかになっており、新学習指導要領の前文においては、子供たちが自らのよさや可能性を認識することの重要性が示されています。本県では、第3期千葉県教育振興基本計画において、新学習指導要領に基づきこれからの時代に求められる資質・能力を育成していくためには、子供たちの自己肯定感、自尊感情の向上を図っていくことが重要な課題であるとしています。あなたは、学級担任や授業担当者として、子供たちの自己肯定感を高めるために、どのように取り組みますか。児童生徒の育成すべき資質・能力について触れながら、具体的に800字以内で述べなさい。

【解答例】
 日本の子どもたちは自己肯定感が低いという課題に対して、学級担任や授業担当者が果たす役割は、非常に大きいです。この点、第3期千葉県教育振興基本計画でも、自己肯定感の向上が重要課題として掲げられており、私は以下の方法でその向上に取り組んでいきたいと考えています。
 まず、生徒が自分の強みや成果を認識できるようにすることが重要です。そのために、学校生活の中で、子供たちが達成したことを、きちんとフィードバックして、個々の成功体験を積み重ねる機会を増やします。たとえば、学習の中で小さな進歩を褒める場面を設けることで、生徒は自己の成長を実感しやすくなります。フィードバックでは、なるべく肯定的な言葉を使うことで、自己評価を高める一助となります。
 次に、生徒が、他者との協力やコミュニケーションを通じて自己の存在価値を感じられる環境を整えます。例えば、グループ活動を通じて、他者と協力しながら、自分の役割を果たす経験を積むことで、自分の価値を認識し、自己肯定感を高めることができます。
 また、自己肯定感を高めるためには、失敗を乗り越える力も重要です。授業や行事の中で失敗があったとき、それを学びの機会と捉え、次にどう活かせるかを考えるプロセスとします。失敗をネガティブなものではなく、成長の一環とすることで、生徒は自分を肯定し、チャレンジする意欲を高めていきます。
 さらに、教育者自身がポジティブなモデルとなり、温かく励ましの言葉をかけ続けることも不可欠と考えます。教育者が生徒一人ひとりを尊重し、その個性や努力を認めることで、子どもたちは安心感を持ち、自らの可能性を信じることができるようになるのです。
 以上の取り組みを通じて、子どもたちが自らのよさを認識し、自己肯定感を高めることを目指します。これからの時代に求められる資質・能力を育成する環境を整えていきたいと考えています。

【2023年・課題文】
児童生徒が学校生活を送る上で、安全は最優先ですが、登下校、授業、行事、清掃活動、部活動などで事故が少なからず起きています。学校は、事故の発生を未然に防ぐとともに、学校の管理下で発生した事故に対し、適切に対応しなければなりません。学校の管理下において、あなたの勤務する学校の児童生徒が、けがをする事故が発生したとき、あなたは学級担任・授業担当者及び養護教諭として、事故発生直後にどのように対応し、被害児童生徒の保護者にどのように対応しますか。また、事故発生の未然防止及び事故発生に備え、事前にどう取組みますか。具体的に800字以内で述べなさい。

【解答例】
 学校生活における安全確保は、全ての教育活動の基盤です。例えば、登下校や授業、部活動など、学校生活を送る中で、事故が発生する可能性もゼロではありません。万一、事故が起きてしまった場合、迅速かつ適切な対応が求められます。以下では、教員として事故発生直後の対応や保護者との連携、予防のための取り組みについて述べます。
 まず、事故発生直後の対応としては、迅速かつ冷静に対応することが求められます。学級担任や授業担当者は、負傷した生徒の安全を確保します。そして、応急処置が必要な場合、速やかに養護教諭と連携します。養護教諭が到着するまでの間、止血の実施や安静を保ちながら、負傷の程度を把握します。
 また、負傷した児童生徒が安心できるよう、冷静かつ優しく声をかけ、他の児童生徒も適切に指導します。この初期対応は、状況に応じて迅速に行う必要がありますが、まずは負傷者の状態確認と安全確保が最優先です。
 次に、保護者との連携については、事故発生後、速やかに保護者へ連絡し、状況を正確に報告します。電話連絡では、事故の発生場所、発生時刻、状況、現在の状態、応急処置の内容、そして今後の対応を冷静に伝えます。
 事故発生の予防については、日常の教育活動の中で安全意識を高める指導が不可欠です。まず、安全指導の強化を行います。登下校時の交通ルールの遵守、教室内外での安全な行動、部活動や行事での危険回避の方法などを指導します。
 さらに、事故発生時に備えて、教職員全員が応急処置や事故対応の訓練を受けておくことも重要です。具体的には、定期的にAEDの使用方法や止血法などの講習を実施します。
 以上のように、事故が発生した際には、迅速かつ適切に対応し、保護者に正確な連絡を行います。また、日常的な安全指導と事故対応の訓練を通じて、事故の未然防止に努め、学校全体で生徒の安全を守る体制を構築することが重要です。


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