進路とコース選択#0
今回からは,私が大学初年次の後期にホームルーム的な講義の中で実施していた,進路について考え,2年次以降のコース選択を進めていく時間の内容を紹介していきたいと思います。
私が勤務していた大学はいわゆる私立文系で,卒業生の進路はほとんど就職まれに留学でした。なので,入学してやっと大学にも慣れたころ,1年生の後期にはもう将来を見据えて卒業後どうするかという話をし始めるのです。こんなふうに高校を大学入試への踏み台,大学を就職への踏み台にしてその時そのときの貴重な学生生活をしっかり味わえて楽しめているのかなと,心配になる気持ちと,そうは言っても就職活動でコケるとあとが大変だしな,という老婆心と,大体,自分は学部卒業後に大学院へ進学し,その後はポスドク生活とろくにバイトもせずに暮らしてきたのに,今更就職について何を偉そうに語れるのだという気持ちがないまぜになって,毎年複雑な気持ちでこの講義の時間を過ごしていました。
私が大事にしていたのは,今この大学で過ごす4年間を充実させるために何を考えるかということです。大学側が学生の卒業後の心配をするのは半分は学生のためで残りの半分は大学自身のためだから,不安を煽って学生生活を「就活のためのもの」に矮小化するようなことはしたくなかった。もちろん,夢とエネルギーに溢れていて先々のライフプラン着実に実行していく大谷翔平選手のような生き方は素晴らしいと思います。でも,確かな夢を持たない人が無理やり想像のライフプランを捻り出してその準備のために今の時間を使うことが意味あることとは思えない。そこで,
自分の現状の傾向や過去にやってきたことを振り返り,今の自分の興味の方向を明確にする
社会のことを知って興味を高める
夢の種類と描き方
のようなテーマをたてて活動をしていきました。次回から順次紹介していこうと思います。
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