ハートボイルドウォーズのイベントコミュ書き起こし
自分用のメモ代わりに
画像認識で文字起こしの後、手直しをしているので、あり得ない誤字があったりします。
例:でしょう→てしよう
:トモエ→トモ工
オープニング
タイトル 「スリーガンズ・ロワイヤル」
「ドオーーーーーン!!!!」
トモエ 「こんのちょこまかと……!!
待て、サナエ!今日こそはムショにぶち込んでやる!!」
サナエ 「もー、しつこいわね!こっちは急いでんの!
ほらほら、どかないとドタマぶち抜くわよ!!」
警官 「榊原組のサナエ!?
まずい、逃げ……ウワーーッ!!!!」
トモエ 「ばっかも~~~ん!!
そんなボカンに巻き込まれるやつがあるかーっ!!」
リサ 「ウソ、あばれ弾!?
もーついてないわね……予報ハズレだなんて。」
ミサキ 「あ、もしもしぃ?
うん、いまこっち大雨になっちゃってぇ~……
待ちあわせ場所変えよっかぁ♪」
ミズ・シュガー 「おらおらどけどけーっ☆
邪魔するやつは伐採☆ 伐採☆ 伐採だぞーっ♪」
ホナミ 「現れたわね、ミズ・シュガー……!
私の歌と、そのチェーンソーで……さあ、ニ重奏よ!」
リサ 「あっ、パパのヘリだわ!さすがパパ!
ついでにあいつらに弾丸お見舞いしてやって!」
「ドォーン!
ボカーン!!」
アキ 「んく、んく……ぷはぁ~!
今日も変わらずプロテインがうまいっ!
ふむ、街の様子も相変わらずのようですな。」
コウメ 「でも、予報は外れてたみたい……。
ほら……見て。」
お天気キャスターの声 「「本日は快晴……をお知らせしてありましたがあ!!ところにより銃撃戦!!鉛の雨にお気をつけくださーい!!」」
コウメ 「最近、特にひどい……ね。
こんな天気ばっかじゃ……お客さんも減っちゃう……よ。」
アキ 「フンッ……フンッ……フンッ……フンッ……!」
コウメ 「あ、スクワット……また考えこと……?」
アキ 「頭は……常にっ、やわらかくっ!してあかなければ!
コウメ、覚えて、おきなさいっ!」
アキ 「こんな、天気っ、だからこそっ!訪ねてくれる方も、いる!」
アキ 「おっと、噂をすれば。
……ふぅ。はい、いま開けますよー!」
??? 「あの……ここが噂の、なんでも解決してくれるっていう……?」
アキ 「ええ――ようこそ、『弾丸解決屋』へ。」
場面 「数カ月前・現実」
巴 「プロデューサー、次の仕事の話ってなんじゃ……。
っと、まだ誰も来とらんのか?」
巴 「ははっ、一番乗りじゃな!
このへんで待っとれば……ん?」
巴 「なんじゃ、この紙袋は。
今日の話に関係あるもんか?
……ん?妙に重たいのう。中のこの黒いのはいったい……。」
巴 「チャ……チャカじゃあ……!!!!」
巴 「なんじゃ、映画の小道具か。
怪しい商売でも始めたんかと思うたわ。」
早苗 「さすがにそれはあたしが見過こせないでしよ~。
で、映画ってどんな内容?配役は?」
○○P 「まず、メインキャストは3人。ぜひ君たちにとオファーがあった。
3人には、映画の主題歌も担当してもらうよ。
こちらが資料だ。」
亜季 「ふむふむ、「愛と硝煙の絆」……。
主題歌は『ハートボイルドウォーズ』……!」
早苗 「三つ巴の勢力が、それぞれの目的のために信念を貫く、
シティアドベンチャー……へぇ、おもしろそうじゃない!
うちからもたくさんアイドルが出るのね。賑やかになりそうっ♪」
巴 「ガンアクション映画か、ええのぉ!
任侠映画ならうちもよう観とる。任せとけ!」
○○P 「ただし、内容自体は重たいものじゃないんだ。
頭をからっぽにして楽しめるようなエンターテインメントで……
それと、3人にはいつもと違った役どころを演じてもらうよ。」
○○P 「役柄やコメディで不慣れな点もあるかもしれないけれど、
3人の持つまっすぐさを、存分に見せてほしい。」
亜季 「我々の、まっすぐさ……!
ええ、ええ!必ずやこの映画、大ヒットさせましょう!」
早苗 「いい経験にもなりそうね。
いっぱい暴れてよさそうだし……お姉さん好み♪」
○○P 「せっかくだから、この映画をきっかけに
君たち3人でユニットを組みたいと思っているんだ。」
巴 「おお、ユニットか!まずは景気づけに円陣でも組んでおくか?それとも、盃でも交わすか?」
早苗 「乾杯はクランクアップまでとっておきましょ♪
気合入れて、ぶちかましてやるわよーっ!」
亜季・早苗・巴 「おーっ!!」
第1話
タイトル 「インビジブル・アフェア」
場面 「弾丸解決屋」
アキ 「では、ユキ殿。話を整理しましょう。
探し物の依頼というわけですな?
そのアタッシュケースによく似たものを、捜索してほしいと。」
ユキ 「はい……いつの間にすり替わっちゃったんでしょう……。
大事なものが入ってるから、ホントに困ってるんですよね。」
コウメ 「こっちのアタッシュケースは、中身、パン……だね。
わぁ……ぎちぎちに詰まってる……。」
アキ 「パン……重要な手がかりでありますよ、これは。
まずはパンに聞き覚えかないかどうか、情報収集に行きましょう。」
ユキ 「ってことは、依頼を受けてくれるんですか!?
ありがとうごさいます!」
コウメ 「アキさんは、本当になんでも解決してくれる……。
あなたも安心して、いいよ……。」
ユキ 「さっすがなんでも屋!
助手ちゃんのことも頼りにしてますからねっ!」
場面 「街中」
ミヤコ 「カニ泥棒、出てこーい!!
あなたはもう完全に包囲されているっ!!」
キヨミ 「こら、あまり大声を出さない!
包囲網って言ったって、私とミヤコさんだけなんです!
ここは静かに状況を見て……。」
アキ 「ミヤコ殿、キヨミ殿!!
こちらにいらしたのですか!探しましたぞ~!!!!」
キヨミ 「くつ、隠れ蓑にしていた鳩がすべて飛び去った……!!」
ミヤコ 「おっと、そのロぶりは……このミヤコ探偵に何かご依頼ですね?
ですが……いまは緋色のカニ泥棒を追わねばならず……っ!」
コウメ 「カニ泥棒?」
ミヤコ 「ヴァイキングのカニ泥棒がこの近辺に現れたらしいんです。
泥棒は日常茶飯事ですが、食品の盗みはいただけません……!」
ユキ 「パン泥棒は知らない?」
ミヤコ 「パ、パン泥棒ですって!?
なるほど……やはり裏で何かが動いている、
この名探偵の勘は正しかったようですね……!」
キヨミ 「ふむ、仕事が増えましたね。
ですが、こちらはカニで手一杯ですので、
例の情報屋を頼ってみてはいかがでしようか?」
アキ 「そうしましょう。
カニの捕獲、健闘を祈りますぞ!」
場面 「榊原組」
サナエ 「姐さん、止めないでください……!
責任を取るには、もうあたしが鉄砲玉になるしか……っ!」
サトミ 「だまらっしゃ~い!!!!」
サナエ 「ひえっ……!?
姐さん、甘味ならこちらに!!
はい、あーん!!」
サトミ 「むぐ……ふぅ、とろあま~♪
こほん……。
なんでもひとりで突っ走ってちゃ、大きくなれませんよぉ~?」
サトミ 「まずはぁ、ケジメをつけなさいねぇ。
あなたにはあなたの仁義と正義があるでしよ~?」
サナエ 「……はい、その通りです!
行くわよ、あんたたち!」
黒服たち 「はっ!!」
サトミ 「ふふっ……なんだかあの子を見てるみたいですねえ。
大きくなりなさい、自分の心を信じて~。」
場面 「路地裏」
ユキ 「情報屋って、やっぱりこういうアングラなところにいるんですか?」
コウメ 「うん……いつもこのあたりで、ビートを刻んでるはず……。」
ユキ 「なんて?」
MCキャシー 「YOYO!しょげたツラ下げてどうしたんだいべらんめぇ!
ここに来たってことは用があるってことだねぇ!?」
MCミウ 「ヘイヨー、と併用するYEAH♪」
アキ 「ああ、いたいた!
情報屋のおふたりに聞きたいことかありまして……。」
MCキャシー 「オーキードーキー!
情報の対価は……お約束ぅ!」
ラッパー情報屋 「胸焦がす熱いフロウとライムでぇ!!
胸焦がす熱いフロウとライムでっ!!」
コウメ 「気をつけて、アキさん……!
ふたりは特徴的なフロウが強力、だよ……!
前は負けちゃったから……今度は、勝って……ね!」
ユキ 「ハッ……そうか、銃弾飛び交うこの街で……
この人たちの武器は……!」
アキ 「そう。このふたりは、情報……言葉を武器にしている。
支払いも当然、紙幣ではなく、言葉の価値で。
高い情報には、相応のリリックが必要……!」
MCミウ 「韻と韻がぶつかるとき、新たなギャグが生まれる……
わたしにとっては、それが最上級のご馳走なんですっ!
ではっ……ミュージック、スタートっ☆」
MCキャシー 「YoやってきたぜレベセンASAKUSA!
ワンバースで終わらせるぜ足掻くな!
欲しい情報?それか朗報?聞きたきや聴かせなソウルの暴走!」
アキ 「ふむ……などと言いながらもこちらのバース!
ふふ、根は優しいですねさながらナース!
求めるものは目撃情報!揃えるまさに砲兵エ廠!」
コウメ 「拮抗してる……!アキさん、負けないで……!」
MCキャシー 「へえ、いいライム持ってんねえ!YEAH!いい波乗ってんねえ!
なら教えてみなよ尋ね人の特徴、
ああ夜逃げ人でも知ってるよ上等!」
アキ 「ありがたい、手がかりはアタッシュケースのパン。
度し難い、このままではlike a 誤算……。
Give me answer、喰らうでありますとどめのワンバース!BANG!」
MCキャシー 「ぐうっ…!!熱いフロウとライム、刺さったぜ……!
駄賃は一度しか言わないよ、しっかり聞いときな!
MCミウ、カモン!」
MCミウ 「Yo中華料理店に現れた、パンを求める奇妙な女性!
ちゅーかまさにパンの妖精
食傷知らすのパンの神~?特徴はコロネパンの髪っ。Yeah!」
ユキ 「コロネかぁ……。
たしかに、すれ違った人にそんな特徴の子がいたような……?」
アキ 「であれは、さっそくその中華料理店を訪ねてみま――」
アユナ 「おっと、そこまでよ。
観念なさい、可愛いポニーちゃんたち……♪」
シノブ 「この先には行かせないよ。
私の弾丸に懸けて……!」
コウメ 「あ、あなたたちは……?」
サナエ 「榊原組よ!
さあ、大人しくその女をこっちに渡しなさい!」
アキ 「ユキ殿、私の後ろへ。
名乗りもしない輩に、私の依頼人は絶対に傷つけさせません。」
サナエ 「名乗ってるじゃない!!
とにかく腕ずくでも渡してもらうんだから!
いきなさい、あんたたちっ!!」
騎馬隊 「ウオオオーーー!!!!」
アキ 「くっ、騎馬隊か……さすがに分が悪い。
私がしんがりを務めます!
ふたりとも、走って!!」
コウメ・ユキ 「うん……!」
MCミウ 「耳にひっさげたこのmic!MCミウ、ただいま参上♪
お馬さんたち待ちな、追うまでもない……彼女たちは
ミウが言うが勝ち馬、差し馬でも間に合いませんっ!」
馬 「ヒヒーーーン!?!?
ヒィ~~~ッ!!」
サナエ 「馬が逃げ出した……!?
な、なによこのラッパーたち……!できる……っ!」
コウメ 「はあ、はあ……あの人たち、どうしてユキさんを狙って……?」
ユキ 「はあ、はあ……
わかりません……いったい、何か目的なのか……。
怖いよ、アキさん……っ!」
アキ 「なにかよからぬ事件に巻き込まれたのかもしれませんな。
このままむやみに歩いても危ない。
今日のところは……いったん引き上げましょう。」
第2話
タイトル 「影に抱かれて踊れ」
場面 「翌日」
マイ 「トモエ先輩、これ、昨日の請求書です。
まったく……湯水のように使ってくれていますけど、
弾薬だってタダじゃないんですからね?」
トモエ 「ぐ……わ、わかってる。
それはそれとして、今回の事件は榊原組か関係しているはずだ。
何かわかったことはあるか?」
チナツ 「榊原組の最近のシノギは、甘い匂いを放つ特製の花火、
って対策課からは情報か上がっているけれど、その実態は依然として不明……。」
チナツ 「そもそもあの組のことなら、アナタのほうが詳しいんじゃない?
トモエ刑事。」
トモエ 「……昔の因縁だ。
今後の方針だが……いったん、街の警備はお前たちに任せる。
うち……自分は、その件の捜査にあたろうと思っている。」
トモエ 「……どうも動きが妙だ。嫌な予感がする。
我々も、あいつらも、踊らされている気がする……。」
マイ 「トモエ先輩、やたらとあの女性のことを気にしてますよね。
組員の、サナエ……でしたっけ。
彼女と何かあったんですか?」
トモエ 「別になにもない。
外回りに行ってくる。後のことは頼んだそ。」
豚たち 「ブヒィイーーーー!!!!」
トキコ 「ふぅ……躾のなっていない豚どもが、身の程をわきまえなさい。
私の通学路を塞ぐなんて……チッ、2分のロスだわ。」
ミサキ 「さっすがトキコ様……!
助かりましたぁ、これでバスに乗れ……大破してる!!」
トキコ 「ぼけっとしていないで、走りなさいな。
何のために足がついているの。」
トモエ 「……今日も忙しくなりそうじゃな。」
場面 「公園」
ユキ 「オーライオーライ!よっと!
コウメちゃん、投げるのうまいですねー!」
コウメ 「えへへ……ユキさんか教えてくれたから……♪
キャッチボール、楽しい……ね。」
アキ 「ところで……ユキ殿、昨日の組員たちと何か関係が?
貴殿の身を狙っているようでしたが……。」
ユキ 「うーん……会ったこともないと思うんですけどねぇ。
心当たりがあるとすれば、すり替わった荷物……かな。
友だちに託された、大切なものですから。」
ユキ 「アキさん、危ない目にあわせてしまってすみません……。
まさか、こんなことになるなんて……。」
アキ 「なぁに、あのくらい日常茶飯事ですよ。
それに、うちのポリシーは、第一に依頼人を守ること。
どんなに難しい依頼であろうと、心と命を守るのが使命です!」
コウメ 「人助けがしたいって、なんでも屋になったんだって。
私のことも……昔、助けてくれた。」
ユキ 「そういえば、ふたりはどういう関係なんですか?」
コウメ 「えっと……私ね、友だちを探して、この街に来たんだ……。
力を求めるのなら、必ずここに集まるって、聞いて……。」
コウメ 「それで、この街で右も左もわからない私を
助けてくれたのが……アキさん。
だから、あなたも大丈夫……アキさんが助けてくれるから……。」
ユキ 「そうだったんだ……。
じゃあ、やっぱりふたりは凄腕のなんでも屋さんってことですね!」
アキ 「その通りでありますよ!
さて!そろそろ例の飲食店がオープンする時間です。
怖いものなどありません、行きましょう!」
場面 「中華料理店」
ノア 「貴女……泣いているの?」
アキ 「はあっ、はあっ……こ、こんなに刺激的なものは、初めてで……!
それで、こ主人!何か思い出したことはゲホッ!ガホッ!!」
ノア 「ああ、一文無しで空腹の……哀れな彗星のことね。
何かご馳走してあげようと思ったのだけれど……
私には救えなかった……。」
ノア 「彼女を救う手立てが、
この店にはなかったから……。」
コウメ 「もしかして、パン以外は食べられないってこと……?
このアタッシュケースのパンは、そのため?」
コウメ 「だったら……今頃はもう、空腹に耐えられないんじゃ…
パン屋さんで揉め事を起こしてても、おかしくないかも……。
この街では、それが普通だから……。」
アキ 「そうですな……弱肉強食を体現した街ですから。
持たざる者は、力づくで持つ者となるのが常識……。」
ユキ 「そんなの……おかしいよ……。」
アキ 「とにかく、何か情報が入っているかもしれません!
警察をあたってみるであります!では!」
ノア 「……変わっているわね、あの子。
この街で、本能を隠しているだなんて。」
場面 「警察署」
トモエ 「ほら、もう吐いちまえ……楽になるぞ。」
ミチル 「うぅ、うぅっ……フゴフゴフゴ……。」
トモエ 「ま、まさか、『無』を食ってる……!?」
マイ 「先輩、来客ですよ~。
常連の弾丸解決屋さんですっ。」
トモエ 「あぁ!?
いま取り調べ中だぞ、なんで勝手に通して――」
コウメ 「あ、あの、すみません……。
パンで揉め事を起こした人がいるって聞いて……。」
コウメ 「もしかしたらそのパンの人が、うちの依頼人さんと
荷物を取り違えてしまったかもしれなくて……あの。」
アキ 「そちらのクースを拝見しても?」
トモエ 「……チッ、今回だけだぞ。
ほら、中身を確認しろ。」
ユキ 「ありがとうございますっ!!」
「ドオオーーーン!!
ダダダダダダ!!!!」
トモエ 「この音は……警察署の近くで乱闘……?
まったく、ワッパが欲しいのはどこの馬鹿だ?」
チナツ 「トモエ、あの女が現れたわ!」
トモエ 「なんだと!?」
サナエ 「ダメよ、その女にそれを渡したら――くそ、遅かったか……!
こうなったら手段なんて問わない!
いくわよ、野郎ども!」
アキ 「昨日の……!?
フリーズ!!止まるであります!!」
アキ 「この人は私の依頼人です。
これ以上関わらないでいただきたい!」
トモエ 「また懲りずに厄介ごとを起こしやがって……!
おい、いい加減観念して、さっさとブツを出せ、サナエ!!」
アキ 「ブツ……?
……それに、ここに来た途端に追っ手に補足されて……。」
アキ 「はっ……まさか、トモエ殿もグル!?
なんでも屋の勘がそう囁いているであります!」
トモエ 「はぁ!?なんでそうなるんじゃ!!
銃はあっち向けぇ、あっち!!」
サナエ 「あんたたち、びっくりするくらいなにもわかってないのね!?
その女は……!」
ユキ 「フフ……アーッハッハッハッハ!!!!」
アキ・トモエ 「!?」
ユキ 「アキさん、依頼を完遂してくれてどうもありがとう!
このケースの中身は……爆弾だよ!
街中のみんなの野球脳を刺激する力を秘めてるんだ!」
ユキ 「こんな街、おかしいんたよ!
毎日毎日闘争闘争で、大雨が降った日は試合中止になるし!
バットを武器にしてる輩もいるし、もう耐えらんない!!」
ユキ 「武力で争うんしゃなくて、野球で白黒つければいい!
そして、この街のエースに……あたしがなるんだっ!!
あはははははっ!!」
トモエ 「イカれてやかる……!」
サナエ 「くっ、このままあの爆弾を使われたら……!
あんたたち、あの女を止めなさい!」
サナエ 「あいつが、うちのシノギを盗んでいった首謀者よ!
あの女の好きにさせたら、榊原組の名が泣くわ!」
アユナ 「……それはできないわね。
駿馬の如き脚を持つワタシに、ショートの座は約束されているの。」
シノブ 「私も……この任務を果たせば、ようやくキャッチャーになれる。
彼女の球を受けるのは、私の役目……アナタは、邪魔。」
サナエ 「は……!?
まさか、あの女の手引きをしたのって……!?」
不死鳥スズホ 「ユキしゃーん!!
ウチにつかまるたーいっ!!」
ユキ 「あんたたちみんな、球児として生まれ変わるの!
アーッハッハッハッハ!!」
アキ 「くっ、上空へ……!?
これでは銃弾が届かない……!」
サナエ 「お、お前ら――」
サナエ 「仁義はどうしたァーーーーッ!!!!」
第3話
タイトル 「裏切りのエース」
コウメ 「ユキさんが悪い人だったなんて……。
私たち……悪事を手伝っちゃったの……?」
サナエ 「あの荷物は、もともとうちの組から盗み出されたモノよ。
本当はただの花火、だったはずなんだけど……
洗脳爆弾に変えられちゃうなんて。」
トモエ 「そこまでは警察でもつかめない情報だった……クソッ!
もしも爆弾が爆発して……
人類が野球マシンにされてしまったら……っ。」
サナエ 「あの子がエースになる前に……
エースや上位打線を狙った争いが勃発してしまうでしょうね。」
コウメ 「えっと、つまりどういうこと……?」
トモエ 「つまり、前よりもっと物騒になるってことだ。
いままでと比にならないくらいにな。」
コウメ 「そん、な……。」
トモエ 「……そう気を落とすな。お前のせいしゃない。
ところで、そっちのスクワット馬鹿は何か情報を持ってないのか?」
アキ 「フンッ……フンッ……フンッ……フンッ……。
ムンッ!ふぅ……。」
アキ 「情報ではなく、提案なのですが――
ここはひとつ……共同戦線を張りませんか?」
場面 「撮影休憩中」
スタッフ 「はーい!
いったん撮影休憩でーす!」
巴 「ふう……
ようやく、話も山場じゃな。」
亜季 「よっと……そうでありますな!
なんでも屋のアキ、刑事のトモエ、榊原組のサナエ。
ふむ……それぞれに背負うもののある3人が、ー堂に会しました。」
巴 「その銃が向かう先が、どうなるのか……。
なぁ、もしかしてさっきからいじっとるそれは、小道具の……?」
亜季 「ふふふ♪
新しい相棒の手入れは、やはり楽しいものですな……♪」
巴 「なんじゃ、どれがどの部品なのかわからんか……。
これを元に戻せるゆうんか……さすがじゃのぉ。」
亜季 「ええ、もちろんであります!
巴殿も、銃がお好きなのですか?」
巴 「まあ、映画でよう見とったけえな。
アクションシーンは特に夢中になってのぉ……
親父やうちのもんと、よくこっこ遊びをしとったもんじゃ。」
巴 「ただかっこいいだけじゃのぉて、
一本通った芯のあるもんたちの動きや瞳は、
見とるだけで心が熱くなった……。」
亜季 「わかります!わかりますよ!
スコープから真っ直ぐに相手を見据える眼差し……!
あれは、震えるものがあります……!!」
亜季 「おっと、そろそろ次の撮影の段どり確認ですな!
行きましよう!」
早苗 「あ、いたいた。
ふたりともおっかれ~♪」
小梅 「スタッフさんから差し入れ、もらってきたよ……。
また少し時間あるから、みんなでどうそって……♪」
亜季 「ああ、ありかとうございます!
なんと、レーションまで……!」
早苗 「やっぱそういうの好きな人が集まってるみたいよ♪
みんなも楽しんでる?」
亜季 「それはもちろん!
これまでさまざまな役を演じさせていただきましたが、
ガンアクションはやはり、心が躍るというもの……!」
小梅 「あの子も、役をもらえて喜んでる……。
アドリブ……採用されてよかった、ね……。」
友紀 「それ、ガチ目に心霊フィルムにならない?」
小梅 「えへへ……みんなとの掛け合いも楽しいし、
いっぱいお話かできて、うれしい……な。
友紀さんは、どう……?」
友紀 「もちろん楽しいよ~!
正直、全人類野球好きになってほしいって気持ちはわかるしね~。」
巴 「ははっ、こりゃあ要注意人物じゃな。」
友紀 「えへへっ♪こういうノリわりと好きだしさ、
後半はいっぱいバット振れるって聞いてめっちゃテンション上かってるよ!目指せコールド勝ち!」
亜季 「おや、その心意気に負けるわけにはいきませんな!
このあとのアクションシーンも、気合を入れていくであります!」
早苗 「はっ、ほっ、よっと!
ここでぐるっと回って……BANG☆」
早苗 「タイホされる側なのはおもしろいけど、やることは変わらないわ。
悪いやつをとっちめて、お仕置きね!
ふふっ、クールにキメちゃおうかしら♪」
巴 「うぅ……まだ姉御たちのようにはうまくいかんのう…目がまわ……るぅ~……。」
亜季 「メディーック!大丈夫ですか、巴殿ーっ!
いま下ろしますぞ!」
早苗 「……クールな連携は、あたしたちには合わないか。
あたしたちはやっぱり……タフで熱く、かしらね♪」
第4話
タイトル 「ショート・グッドバイ」
トモエ 「ふぅ……。」
サナエ 「あら、奇遇ね。
隣いいかしら?」
トモエ 「……調子に乗るなよ、共同戦線は今回限りじゃ。
警察が組のモンと手ぇ組むなんざ、本来はありえん。」
サナエ 「パンの子を確保したときにちゃーんと荷物見とけば、
こんなことにはならなかったのよ?」
トモエ 「むぐ……。
お前はちくちくちくちくと……相変わらずじゃな。」
サナエ 「あんたも相変わらずじゃない。
その喋り方も久しぶりに聞いたし……。
果汁100%のオレンジジュースを飲むとこも、変わらない。」
アキ 「これはこれは、みなさんお揃いで。
私もご一緒してよろしいですかな?」
トモエ 「お前さんひとりか……助手はどうした?」
アキ 「留守番をお願いしているであります。
あの子も立派な、『弾丸解決屋』の一員ですから。」
トモエ 「そうか……ふたりで事務所を経営しとるんじゃったか。」
アキ 「ところで、トモエ殿……その喋り方は?」
トモエ 「……昔の名残じゃ。
いまよりもっと貪欲で、無鉄砲なバカたった……
親友も家族も捨ててこんな場所にきた頃の、な。」
トモエ 「……腹割って話すんなら、素がええじゃろ。」
サナエ 「聞いたことない?
うちの組から抜けて、カタギに……
よりによって、警察になったやつがいるって。」
アキ 「ほう……昔、噂で聞いたことかあります。
何故、警察に?」
トモエ 「……守りたいもんができた。守りたい街ができた。
胸を張って会うための顔が、欲しくなった。
それだけじゃ。」
トモエ 「ところで、うちも風の噂で聞いたぞ。警察から組に入ったっちゅうやつがおるってなあ。」
サナエ 「居心地の良いところが一番でしょ。
特にこの街で生きていくならね。」
サナエ 「表には、輝かしい正義を掲げる子たちがたくさんいる。
なら、裏は?裏の正義は誰が執行するの?
そう思っただけよ。」
アキ 「ふたりとも、因縁があるのですね。
それにしても……ユキ殿には驚かされましたな。
彼女はおそらく、この街を壊すつもりなのでしょう。」
アキ 「たしかに、彼女の言うことももっともなのかもしれません。
ですか、この街でしか得られないことがある。
鍛えられる肉体が、心が……生きるすべが。」
アキ 「無理矢理に人の力を奪い、
そのうえで頂点に君臨するなど……それは卑怯者の選択だ……っ!」
サナエ 「……好きなのね、この街が。」
トモエ 「ともに切磋琢磨し、上を目指す……。
コウメのことも、そうやって鍛えたんじゃな。」
アキ 「この街で生きるには、あの子はか弱すぎた。
だから教えました。生き方や、彼女なりの戦い方を。
そして、私もまた教わったのです。」
アキ 「守りたいものがあるとき、本当に必要なのは……
信じられる、己自身の力なのだと。」
サナエ 「ま、嫌いじゃないわ。その考え。
野球はいいけど、強要されるのは違うしね。」
アキ 「ええ、ですからともに戦いましよう。
この街を守るのは、私たちの使命です!」
トモエ 「……なあ。
こうしとる間に爆弾を起動されたら、「終わり」じゃないのか?」
サナエ 「それなら心配ないわ。
あの子の爆弾には、起動しようとすると
睡眠ガスが噴出する仕掛けを施してあるの。朝までぐっすりよ♪」
ユキ 「すぅ……んにゃ~……ゲッツー!!……むにゃ。」
アキ 「それは……解除の仕掛けを施したほうがよかったのでは?
あるいは探知機など……。」
トモエ 「はあ……やっぱり、相変わらずじゃな。」
サナエ 「ちょうど持ってたのが睡眠ガスだったのよ、しょうがないでしょ!
とにかく、乾杯でもしましょ!そういう流れだったわよね?」
ノア 「……乾杯用の一杯、店からのサービスよ。」
アキ 「はっ……貴殿は中華料理店の店主!?」
ノア 「それは1号ね。
私たちは、どこにでもいる。」
サナエ 「よくわかんないけど、お言葉に甘えちゃいましょ♪
さ、グラス持った持った!」
トモエ 「……仁義に。」
サナエ 「正義に♪」
アキ 「勇気に!」
アキ・サナエ・トモエ 「――乾杯!」
第5話
タイトル 「さらば愛しき絆よ」
場面 「翌日」
トモカ 「さあっ、朝がやってきましたよ!
現場のお天気はこのトモ力がお届けしまーすっ!
Gun Fight Win!!」
法螺貝の君 「ぶおお~。
ぶおお~~。」
トモカ 「いま、新しい街の始まりを告げる法螺貝が嗚り響きました!
ユキさんの記念すべき第ー投、世界に送る始球式です!」
ユキ 「街中を霧で覆うには……!
あの屋上がいいか……!」
アキハ博士 「いけ、ユキ!
君の想いはすべて、その球に乗っている……!」
アキハ博士 「夢を叶えるための腕は与えた。
ゆえに私は、それの成就を祈ろう……。
いくぞ、メカサメくん2号!!人波を泳げっ!」
メカサメくん2号 「シャアーーーーク!!」
トモエ 「そうはさせるかぁーーーっ!!」
「ギャギャギャギャギャ!!!!」
サナエ 「武器を捨てて大人しくこっちにきなさーい!
しよっぴく……じゃない、沈めるわよ!!」
アキ 「ようやく現れましたな、朝5時から待っていた甲斐がありました!
ユキ殿、いますぐバットを下ろして投降するであります!」
ユキ 「早すぎて怖いよ!てかそんな申告敬遠みたいなことしないし!
あたしは「撃つ」んじゃなくて一ー「打つ」!!」
アキ 「くっ、弾が打ち返された……!?」
サナエ 「あんたがバット使ってどうすんのよ!!
武器にされるのが許せないって言ってたくせに一!!」
ユキ 「何言ってんの。弾か来たら打つのがバットでしよ?
こんなの――普通だよっ!!」
トモエ 「くっ、敵の数が多い!」
コウメ 「押し負けちゃう……そんなの、ダメ……!
誰か……たすけて……っ!」
アユナ 「ほらほら、よそ見してたら……ってなに!?
この音圧……馬が散らされていく!?」
キヨミ 「喝ーーーーーーーツ!」
ミヤコ 「見つけたぞ、カニ泥棒ーーっ!!」
ユキノ 「ケンカのお時間ですわ~っ!!」
ミズ・シュガー 「こんなお祭り騒ぎ、呼んでくれなきゃプンプンだぞ☆
さーて、どいつをチェーンソーの錆にしてやろうか!」
ツバキ 「街の平和を乱すのは、彼女たちですね。微力ながらお力添えします!
鮮やかな表情を、もう一度カメラに収めるためにも……!」
ラッパー軍団 「不逞の輩に撃ち込む言葉の弾丸!
無敵の矢弾に屈しなGUN!BANG!」
黒服たち 「おはぁーーーッ!!!!」
アキ 「火柱!?これは……!
街の皆さんが、戦ってくれているのですか……!」
MCミウ 「ダチの危機には助太刀でーすっ!
言葉の音波で全員ノッカーーァウ!!」
イズミ 「メカサメくん2号は、私に任せて。
博士の弟子である私が……ケリをつける!」
サトミ 「雑魚は私たちに任せて~。
あなたたちの義を、貫きなさい~。」
サナエ 「姐さん……!!
わかりました……サナエ、鉄砲玉になりますっ!!」
トモエ 「ちょっ、ひとりで突っ走んな!!
アキもなに乱射しとるんじゃ!的を絞らんかい!!」
アキ 「秘技・数撃ちゃ当たる戦法ですとも!!
ほらほら、バットなんか捨ててかかってくるであります!!」
サナエ 「横取りしないで!あたしの獲物よーーっ!!」
トモエ 「ええい、お前ら~~~~っ!!!!」
ユキ 「は……ははっ、なにさあいつら!
足の引っ張り合いしかできてないじゃん!
これなら……あ、あんたは……!」
コウメ 「ユキさん……
キャッチホールは、心と心の会話……
そう教えてくれたのは、ユキさん、だよ……!」
ユキ 「そんなのひと言も言ってない!
勝手に捏造しないで!!」
コウメ 「ううん、言ってたよ……!
ユキさんが投げるボールの声……聞こえた、もん……!」
ユキ 「ええい、うるさいっ!
あんたも球児にしてやる!!
30分後にリミットを設定――」
コウメ 「……っ、わからず屋……!!」
ユキ 「ひえぇえっ!?
な、なにこれ……ポルターガイスト!?」
ユキ 「あっ。」
ミチル 「ううっ……イースト菌……。」
チナツ 「いいじゃない、カップラーメンだって同じ小麦粉なんだから……。
パンはまた不審な点がないか調べているの。タイマーをセットしておくから、できあがったら食べなさい。」
チナツ 「待てるでしょ。
たったの――。」
爆破タイマーくん 「ノコリ サンフン ノコリ サンフン。」
ユキ 「こ、このままじゃあたしまで洗脳されちゃう……!?
博士、あたしは無事……だよね!? ね!?」
アキハ博士 「うむ、どうなるかは未知数だな!
実におもしろい化学反応が起こるかもしれないぞ!はっはっは!」
ユキ 「だ、誰かーーーー!!!!
アレを止めて~~~~っ!!!!」
サナエ 「どうなってるのよもう……!
ええと、爆弾は……処理班を呼んでる時間もないし……!」
アキ 「ここはっ、しっかりと、考えるのがっ、大事っ!
フンッ、フンッ、フンッ……!」
サナエ 「スクワットしてる場合じゃないわよ!
もう……こんなの撃っちゃえばいいか!」
アキ 「はっ、そうです……その通りです!
我々はいつだって――この弾丸で解決する!!」
トモエ 「ほ、本気か!?
下手したら全員この場でオタブツじゃぞ!?」
アキ 「理屈など、脆い防弾ベストと同じです。
私を、私の弾丸を、自分自身の弾丸を!
信じてください!!」
サナエ・トモエ 「――ええ!
――ああ!」
「BANG!BANG!BANG!」
「ピピピピピ……」
ユキ 「うっ、ううっ、グス……。
あたしに、街を作り変えることなんてできなかったんだ……。
ぐすっ、最初っから……間違ってたのかな……。」
トモエ 「誰にだって間違いはある。
なにを間違えたのか、それをよく考えるじゃな。」
サナエ 「あなたの正義は、もっと別のかたちで貫けばいいのよ。
仁義と誇りを失ったら、いけないわ。」
アキ 「そう、志を貫くという想いは、大変立派でした。
しかしそれは、己の銃によってなされるべきこと。
洗脳などという手に頼ってはいけません。」
アキ 「ですが、貴殿のバット捌きには……目を見張るものがあった。
歪であっても、最後まで戦う姿には……勇気も感じました。」
アキ 「いつか、ともに街を守ってくれませんか。
数多の信念がぶつかり合う、この雑多で馬鹿げた街を。
我々もこの先、闘争が球場にまで及ばぬよう、善処しましよう。」
コウメ 「それから、野球……今度は、キャッチボール以外も。
しよう……ね♪約束、だよ……。」
ユキ 「コウメちゃん……みんな……。
うん……!
きっと、約束……!」
お天気キャスターの声 「「みなさん、今日は久しぶりの快晴です!
外へ出てもよし、新しい装備を買いに出かけるもよし!
明け方からは再び鉛の雨に備え、よい一日を――」」
エンディング
タイトル「女たちの凱歌」
サナエ「これにて一件落着ね。
なかなか良いコンビネーションだったんじゃない?」
トモエ「どこが……まあ、最後の最後はな。
じゃが、共同戦線はこの一度きりじゃ。二度目はない。」
アキ「明日からはまた敵同士。
それぞれの場所で、街を守っていきましょう。」
サナエ「ま、そんな固くならすにっ♪
なんかあったらアキちゃんのところに依頼しにいこうかしら?」
アキ「依頼であれば、いつでも大歓迎ですぞ!
弾丸速度で解決する、この『弾丸解決屋』にお任せください!」
ユキ「とか言って、3日もかかったくせに~。
いたた、押さないでよも~!」
トモエ「ほら、パトカーまで歩け!
話は署でみっちり聞かせてもらうからな!」
コウメ「あ、あの……一トモエさ……
ううん、トモエちゃんっ!」
トモエ「……!」
コウメ「……やっぱり、トモエちゃん……だよね?
あの、私……私、ずっと……!」
トモエ「……次会うときは、敵同士じゃ。
そんときは容赦せん。
じゃけぇ……。」
トモエ「じゃけぇ、また……元気な顔を見せてくれ、コウメ。
達者での。」
コウメ「……!
うん……っ!」
サナエ「……さて!あたしも帰るわ。
いろいろ後片づけしたり、やることは山盛りだもの!」
アキ「さあ、我々も帰りましょう。
また明日から忙しくなりますよ。」
「こうして街には、一時の平和か訪れた。
一度交わった3人の道は、再び分かれていく。」
「けれど、その道の先は――」
亜季・早苗・巴「お疲れさまでしたーっ!!!!」
早苗「いや~、無事クランクアップできたわね!
ワイヤーアクションとか、一時はどうなるかと思ったけど!」
巴「結果よければすべてよし。
親父も納得の出来になったじゃろ。」
小梅「みんな、本当にお疲れさま……
試写会のチケット、涼さんに渡せたし……
あの子の見せ場をスクリーンで見るの……楽しみ♪」
友紀「ホラー界にも激震走るかもしれないね……
やー、おしとやかなお姉さんゆっき一もキマってたでしょ♪」
巴「ああ、淑やかな感じはちっと違和感はあったけどな。
もしかしたら、ー瞬で黒幕じゃと見抜かれるかもしれん。」
友紀「えー!まあそれはそれでいいかも?
みんなの感想、楽しみだなぁ♪」
亜季「コメディ映画ということでしたが、
各々、役とはしっかり向き合うことができたかと!
そうでありましょう、プロデューサー殿!」
○○P「ああ、『ガンズパーティー』のみんな。」
亜季・早苗・巴「『ガンズパーティー』?」
○○P「それが君たちのユニット名だ。
銃弾のようにまっすぐで、でもお堅くなく賑やかで親しみやすい。
そんな君たちの感想を、聞かせてくれるかな?」
○○P「普段とは少し違う役柄を演じて、
思うところもあったと思う。」
早苗「ふふっ、そうねえ……本来取り締まるべき相手の役だったけど、
彼らなりの正義があるのかもね。
しっかりケジメつけたり、仲間のために命張ったり。」
早苗「お郷にならって義理人情とか仁義って言うべきなんだろうけど。
あたしらしく、「正義」って言わせてもらうわ。」
巴「うちも、少し価値観が広がったわ。
堅っ苦しいと思っとったやつらにも、信じるものがある。
大勢が生きる街を守るっちゅう義務が信念になっとる。」
巴「正義であり、仁義じゃな。
うちが大事にしたいもん、そのものじゃ!」
亜季「私も、なんでも屋という職業に興味を持ちました。
さまざまな人の悩みに寄り添い、弱き者を守る……
素晴らしい力を秘めています!」
亜季「得たカに慢心せず、力を己のために振りかざさず……
誰かのために引き金を引く。
それが、己の信念を貫くという証……。」
亜季「私たちもそんなふうに、
どんなときだって強く生き抜いてやりましょう!」
早苗「ええ、アイドル界でだって、あの世紀未みたいな世界でだってね♪」
巴「まっすぐに、弾丸のように……ときには火花を散らして、な。
それが、うちらの生き方じゃ!」
亜季・早苗・巴「『ガンズパーティー』に、乾杯!」
「その道の先は――目指すものは、ひとつ!」
サナエ「ちょっと、またあんたたちと一緒なわけ~!?
せっかく姐さんにいいとこ見せられると思ったのに!」
トモエ「つべこべ言っとらんで、さっさと暴徒どもを包囲せぇ!
サナエは3時の方向、アキは……ああもう、勝手に突っ走るな!」
アキ「さて、今日も街の平和を守りましょう!
この『弾丸解決屋』……いえ、私たちが!
ハートボイルドに、決めるでありますっ!」
「BANG!」
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