見出し画像

【 音訳 】①音声表現技術とは?

この記事では“音訳について”マガジンより、音声表現技術( 朗読 )について紹介します。音訳については、私が音訳奉仕員養成講座で勉強した範囲で、私の感想と考えで書いています。私は音訳活動を始めて、まだ1年未満の新米です。

音訳に必要な技術
①音声表現技術( 朗読 ) ←今ここ!
②調査技術
③処理技術
④校正技術
⑤録音技術

以上、音訳に必要な技術を5回に分けて紹介します。

今回は①音訳表現技術( 朗読 )についてお話しします。


音訳と朗読

ありとあらゆるものを声に出して読む音訳、同じ作品でも読む人によっていろいろな表現方法がある朗読音訳朗読と、ふと考えてみると、同じようで違うような……?辞典で調べてみました。

音訳( おんやく )
目の不自由な人のために、文字情報を音声に変換すること。音声訳。

朗読( ろうどく )
〈 鑑賞・紹介などのため 〉文学作品や手紙などを、皆に分かるように音読すること。

新明解国語辞典第八版 デジタル

「 情報を目で見ている時と同じように声で伝える音訳 」と「 声を芸術として表現する朗読 」という違いはありますが、似ているところもあります。

聞きやすい発声、発音の訓練や、墨字資料の内容を十分理解して読むという部分においては、音訳と朗読には共通するところが多くあります。

音訳ボランティア養成講習会テキスト 基礎課程編

音声表現技術( 朗読 )としては、目的が異なっていても、音訳朗読に参考になるポイントが多くありました。聞き取りにくいと何度も聞き返すことになってしまいますね。また、朗読会だと聞き返すわけにもいかず。

動画のアーカイブや、収録されたものなら好きな声優、アナウンサー、俳優、芸人、その声を聞きたくてあえて何度も聞き返すこともありますが……。へへへ。

目指すぞ!誤読ゼロ!

声の正体

肺から空気が押し出され、それによって声帯が震え、そこで生じた音が口の操作で声となって表れる。それが正体だそうです。

肺から出てきた空気は、気管を通り、声帯の間を通り抜けます( 図引用省略 )
声帯は、分かりやすく言うと、閉じたり開いたりする門のようなものです。筋肉と表面は粘膜でできています。普段は、門( 声帯 )は開いていて、ここを空気は、なんの抵抗もなく通ります。
そして、声を出そうとする時、この門( 声帯 )は閉じたり開いたりして空気を通過させ、激しく震え始めます。この振動が、音になるのです。

発声と身体のレッスン 魅力的な「 こえ 」と「 からだ 」を作るために 鴻上尚史

日本語

日本語の特徴
・どの音も母音で終わっている。
・1つ1つの音がほぼ同じ長さ( はくという )

私は専門家ではないので、日本語の発音の仕組みは「 母音 」があって「 子音 」があって、舌の動きと唇の形で発音が変わる……という曖昧な言葉しか出てきませんが、音訳奉仕員養成講座の最初の勉強では、一音一音意識して「発音」練習をしました。

五十音 」( 北原白秋 )や「 あ、え、い、う、え、お、あ、お 」の順番で皆で一緒に口の動きを意識して読みました。
これが最初、初めてやると結構疲れました。コロナ禍で人と接触するのを避けていたからだったのか、運動不足ならぬ、発音不足?発声不足?と言う名の、やはり運動不足なのかもしれません。

大切なのは、顔をできるだけ前に向けて( そのために資料を顔が前に向けるように持って )音読することだそうです。

「 さあ、読むぞ! 」と気合を入れて発声するのではなく、家で本を黙読するように、リラックスして読むことが大切なんだそうです。録音する時も、このリラックスがとても大切なんだそうです。
しかし私は、結局講座が終わる最後まで、都度、身体に力が入って緊張してばかりでした。

鼻濁音びだくおん

鼻にかかった音で、響きが柔らかく聞こえるのが特徴のガ行音です。「 ガギグゲゴ 」に対して鼻濁音は「 カ゜キ゜ク゜ケ゜コ゜」で表記されます。

以下の鼻濁音の説明は、過去の私のメモより

・語頭は濁音
例)学校ガッコー豪華ゴウカ銀行ギンコー

・語中、語尾は原則として鼻濁音
例)音楽オンカ゜ク道具 ドウク゜カキ゜すごい スコ゜イ

・助詞、接続詞は常に鼻濁音
例)棚があった。が、空っぽ。 タナカ゜アッタ。カ゜、カラッポ

・組み合わさってできた語で切り離せない語は鼻濁音
例)小学校 ショウカ゜ッコー中学校 チュウカ゜ッコー管楽器カンカ゜ッキ

・組み合わさってできた語で切り離せる語は濁音( もともと語頭が「ガ行の濁音」だった言葉は後ろに行っても濁音 )
例)朝ごはん アサ ゴハン( 朝+ごはん )、音楽学校 オンカ゜ク ガッコー( 音楽+学校 )、空元気 カラ ゲンキ( 空+元気 )、科学技術 カカ゜ク ギジュツ( 科学+技術 )

・もともと「 カ行 」だった言葉が濁ると鼻濁音
例)株式会社 カブシキ カ゜イシャ( 株式+会社 )、飛行機雲 ヒコウキク゜モ( 飛行機+雲 )、口車 クチク゜ルマ

・数字の「 5 」「 五 」は原則として濁音
例)15 ジューゴ五十五 ゴジューゴ富士五湖 フジゴコ

・「 5 」「 五 」でも数としての役割、意識が薄れると鼻濁音
例)十五夜 ジューコ゜ヤ七五三 シチコ゜サン明智小五郎 アケチココ゜ロウ

・外来語は濁音
例)ハンバーガー、プログラム、フィンガー、アンガー、イギリス、ペンギン
例外)ing ( ジョギンク゜、ショッピンク゜、クッキンク゜、サイクリンク゜)

・接頭辞の「 お 」「 ご 」の次に来る語は濁音
例)お元気 オゲンキお月謝 オゲッシャご学友 ゴガクユー

・「 非 」「 不 」が付くと両方とも可
例)非合法 ヒゴーホー/ヒコ゜ーホー不義理 フギリ/フキ゜リ

・擬音語、擬態語( オノマトペ )や繰り返しは濁音
例)ガラガラ、ギリギリ、グルグル、ゲラゲラ、ゴロゴロ

アクセント

アクセントは、単語や文節の切れ目をはっきりさせ、同音異義語をある程度区別する働きがあります。

音訳ボランティア養成講習会テキスト 基礎課程編

アクセントには型があります。大きく分けて、平板式の平板型、起伏式の、頭高型、中高型、尾高型の4つがあります。

平板型へいばんがた
最後の拍のあとの助詞が同じ高さになります。
例)「 葉( が ) 」「 柿( が ) 」「 視線( が ) 」
頭高型あたまだかがた
一拍目が高く、二拍目以降が低くなります。
例)「 木( が ) 」「 雨( が ) 」「 緑( が ) 」「 メロン 」
中高型なかだかがた
一拍目が低く、二拍目が高く、また低くなります。
例)「 花( が ) 」「 お菓子( が ) 」「 玉ねぎ( が ) 」「 湯豆腐( が ) 」
尾高型おだかがた
最後の拍のあとの助詞が低くなります。
例)「 町( が ) 」「 話( が ) 」「 山( が ) 」「 休み( が ) 」「 仲間( が ) 」

講座中は「 アクセント辞典 」が配布されて、調べ物をしていました。講座が終わってからは「 アクセント辞典 」を手に入れました。分からないことがあれば、その都度、調べるようにしています。辞典にも載っていない時は、ネットで調べたり、YouTubeで調べたりしています。

『 雨の中で、飴を買う。葉が落ちて、歯が痛い。陽が落ちて、火を燃やす。 』

読み方の大切なポイント


音訳において、1番大切なポイントです。の長さは、読む人によって異なります。読点にとらわれずに、文章の意味の理解を助ける。正しく伝えるためには、の挿入場所と長さは適切でなければなりませんが、私は、を長くしがちです。

・フレーズ
音のひとかたまり。普段、人は無意識にフレーズを作って会話しています。フレーズの作り方で文章の意味が大きく変わっていき「 フレーズを作って読む 」ことは「 意味のまとまりで読む 」ことに繋がります。
フレーズは、出だしの音が高く始まり、文末は低い音で終わります。

・音の高低
単語の中の音の高低「 アクセント
文章の中の高低「 イントネーション
文章の中の必要な部分を際立てる「 プロミネンス 」

『 フレーズと音の高低 』

例)ご飯を食べる猫と私は妹と会話した

<フレーズ>
「 ご飯を食べる猫と私は 」「 妹と会話した 」
ご飯を食べているのは猫と私
「 ご飯を食べる猫と 」「 私は妹と会話した 」
ご飯を食べているのは猫だけ

<アクセント>
「 ご\はん( 頭高 )を 」「 たべ\る( 中高 ) 」「 ね\こと( 頭高 ) 」「わたしは ‾( 平板 ) 」「 いもうと\と( 尾高 ) 」「 かいわした ‾( 平板 ) 」

<イントネーション>
・ご飯を                            
              食べる                
                         猫と         妹と
                                私は         会話した

・ご飯を                       私は
               食べる                  妹と
                           猫と                 会話した

・ご飯を食べる猫と私は妹と会話した!
・ご飯を食べる猫と私は妹と会話した?

・スピード
読むスピードは、と同じように、読む人によって異なります。
滑舌よく、息切れせずに読めるスピードであれば、スピードそのものを気にする必要はないそうです。大切なのは、一語一語がしっかり聞き取れるか、読みのスピードに合ったが取れているか、日によってスピードにバラつきが出ていないかなどを、調整することだそうです。

以上

あれもこれもとノートを見返したら長くなってしまいました。今回は①音声表現技術(朗読)について、書きました。次回は②調査技術について書きます。

最後までご覧いただきありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!