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【 音訳 】③処理技術とは?

この記事では“音訳について”マガジンより、処理技術について紹介します。音訳については、私が音訳奉仕員養成講座で勉強した範囲で、私の感想と考えでこの記事を書いています。私は音訳活動を始めて、まだ1年未満の新米です。

音訳に必要な技術
①音声表現技術(朗読)
②調査技術
③処理技術 ←今ここ!
④校正技術
⑤録音技術

以上、音訳に必要な技術を5回に分けて紹介しています。今回は③処理技術についてお話しします。


目で見た情報と同じ情報を声で伝えるためには

墨字の資料は、視覚を通して読者に伝達することを前提に作られています。目で読むために作られた資料を、耳で読む資料にするには、適切な変換技術が求められます。

音訳ボランティア養成講習会テキストー基礎課程編ー

私を悩ませる処理の種類


・活字符号
くぎり符号
かっこ類
リーダー
ダッシュ
つなぎ符号
強調符号

・引用文
・注
・ルビ
・同音異義語
・外国語
・略語、略記
・伏字、欠字
・誤植
・音訳者注
・写真
・図
・挿絵、イラスト
・表、グラフ
・活字符号
……etc

さて、言葉にしてみると、上記のような種類がありました。それでは今度は、詳しく書いてみようと思います。引用機能を使って、引用部分に種類について詳しく。そして本来、出典を書くところに処理方法を書いていきます。

くぎり符号

、( てん )
。( まる )
;( コロン )
:( セミコロン )
!( 感嘆符 )
?( 疑問符/はてな )
など

音訳表現技術を使う
符号の「名前」を読む、読みかえる。

かっこ類

( )( かっこ/まるかっこ )
「 」( かぎ/かぎかっこ )
『 』( にじゅうかぎ/にじゅうかぎかっこ )
[ ]( かくかっこ )
〈 〉( やまかっこ/やまがたかっこ )
《 》( にじゅうやまかっこ/にじゅうやまがたかっこ )
〔 〕( きっこう/きっこうかっこ )
【 】( すみつきかっこ )
など

符号の中の言葉を音声表現技術を使って読む
符号の名前を読む「 ( 符号の名前 ) 」「 ( 符号の名前 )とじ 」または「 とじ 」
符号の中の言葉を読んだ後に、符号前の言葉をもう一度読む
符号の中の言葉が符号の外の言葉にかかるときはひとまとめにして読む
符号の中の言葉を省略する

リーダー

‥ ( にてんりーだー )
…  ( さんてんりーだー )
‥‥‥ ( ろくてんりーだー )
など

音声表現技術を使う
符号の名前を読む、読みかえる

ダッシュ

ー ( 本来はもっと長い )だっしゅ/ぼうせん
= ( 本来はもっと長い )にじゅうだっしゅ/にじゅうぼうせん

音声表現技術を使う
符号の名前を読む、読みかえる
省略記号としての符号だった場合は、省略された元の言葉を読む

つなぎ符号

ー ( はいふん )
= ( いこーる )
〜 ( はせん )
など

音声表現技術を使う
符号の名前を読む、読みかえる

強調符号

、、、、( てんてんてんてん )
_ ( 横書きは「 あんだーらいん 」縦書きは「 さいどらいん 」 )
「 」( かぎ/かぎかっこ )
太字

音訳表現技術を使う
符号の対象となる文章の前で「 以下( 符号の名前 ) 」と読んで、文章終わりに「 ( 符号の名前 )終わり 」と言う

引用文

例 )宮沢賢治の銀河鉄道の夜には、名前の付いた登場人物が2人冒頭で登場します。

 カムパネルラが手をあげました。それから四五人手をあげました。ジョバンニも手をあげようとして、急いでそのままやめました。

引用文に音訳表現技術を使う
引用文の前で「 以下引用 」と言って、引用文の終わりで「 引用終わり 」と言う
引用文を表す「 ( 符号の名前 ) 」を言って、引用文終わりで「 ( 符号の名前 )とじ 」と言う

ちゅう

注は様々な形でつけられます。よく見かけるのは※のマーク。または( 注 )という記号が付けられる場合も。

音訳表現技術を使う
「 注 」「 注終わり 」を使って、文章の終わりか文章の切れがいいところ、また注のところで読む

ルビ

例 )私の宇宙うちゅう
例 )私の宇宙スペース

原則ルビを読んでからルビがついた言葉を読む
ルビだけ読む
言葉を読んで、ルビを読む
ルビがついた言葉が2回目も登場したときは著者の意図か分かりやすさを選択しルビか言葉どちらかを読む。

同音異義語

例 )洗濯をするという選択が必要だ。

1.その漢字を含む熟語で説明する
2.漢字の音訓の読みで説明する
3.言葉の意味を中心に説明する
4.漢字の「へん」や「つくり」で説明する

外国語

例 )その手紙には赤い文字で「 LOVE 」と書いてあった。

カタカナ語読みでOK
発音耳
発音してスペルを読む( 逆でもOK )
発音できないと断りスペル読む
( 国によって人名・地名など固有名詞を現地読みするか日本読みするかはとてもデリケートな部分なので必ず相談してください! )

略語、略記

今年の流行語大賞は「 ふてほど 」だった。

略語をそのまま読む
略語の元のフルネームで読む
略語を読んだあと、フルネームを補って読む

伏字、欠字

例 )それを手に取ると「 ○□△!! 」と早口で言われた。

伏字、欠字として使われた符号の読みを言う
文章の意味に影響がなければ、テキトーな符号の読みでOK
引用文などの欠字は何文字欠字しているか説明する

誤植

例 )日本には「 春・春・秋・冬 」の四季があります。

明らかに誤植だと分かれば説明せずに正しい言葉を読む
誤植かどうか判別できない場合はそのまま読む
調査の結果誤植と判明すれば「 音訳者注/製作者注 」で説明する

音訳者注/製作者注

墨字資料には載っていないが音訳者が説明が必要だなと思った時に使用可能

乱用しない
親切を押し売りにならないようにまずは相談しましょう

写真

写真が掲載されていた場合

説明を省略する
写真にタイトルと説明文があればそこだけ読む
写真のタイトルと説明文を読んで写真の説明をする
テンプレート『 写真があります 』「 ( タイトル/説明文 ) 」『 説明 』『 写真終わり 』

図が掲載されていた場合

説明を省略する
図にタイトルと説明文があればそこだけ読む
図のタイトルと説明文を読んで図の説明をする
テンプレート『 図があります 』「 ( タイトル/説明文 ) 」『 説明 』『 図終わり 』

イラスト・マーク

イラスト・マークが掲載されていた場合

説明を省略する
イラスト、マークにタイトルと説明文があればそこだけ読む
イラスト、マークのタイトルと説明文を読んでイラスト、マークの説明をする
テンプレート『 イラスト( マーク )があります 』「 ( タイトル/説明文 ) 」『 説明 』『 イラスト( マーク )終わり 』

表、グラフ

表、グラフが掲載されていた場合
折れ線グラフ、帯グラフ、棒グラフ、円グラフ…etc

説明を省略する
表、グラフにタイトルと説明文があればそこだけ読む
表、グラフのタイトルと説明文を読んで表、グラフの説明をする
テンプレート『 表( グラフ )があります 』「 ( タイトル/説明文 ) 」『 説明 』『 表( グラフ )終わり 』

その他の処理について

・数字とアルファベットは粒読みする時もある
例 )電話番号、住所、URLなど

・数字の読みに注意
基本は「 0( れい ) 」「 1( いち ) 」「 8( はち ) 」「 7( なな/しち ) 」など

所属先によって処理方法が異なるので、必ず確認、そして相談!処理方法が分かってくれば、私ならどう処理するかを考える。これからも音読テキストは手放せない。いつかは、何も見ないで処理できるようになるいいな〜。

以上

今回は③処理技術について書きました。次回は④校正技術について書きます。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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