【 音訳 】⑤録音技術とは?
この記事では“音訳について”マガジンより、⑤録音技術について紹介します。音訳については、私が音訳奉仕員養成講座で勉強した範囲で、私の感想と考えでこの記事を書いています。私は音訳活動を始めて、まだ1年未満の新米です。
音訳に必要な技術
①音声表現技術(朗読)
②調査技術
③処理技術
④校正技術
⑤録音技術 ←今ここ!
以上、音訳に必要な技術を5回に分けて紹介しています。今回は音訳に必要な技術の⑤録音技術についてお話しします。音訳に必要な技術、最後の記事です。
録音図書を製作する
これまでの記事①から④を使って、録音図書を製作します。
製作された録音図書は「 プレクストーク 」と呼ばれる専用の機器や、アプリケーションなどを使って再生します。専用の機器などを使えば( 例えば、音楽を再生して次の曲、次の曲と聴きたい曲を選ぶように )再生したいページを自由に選ぶことができますし、どんなに厚い本でも、録音図書になれば、いつでもどこでも自由に再生することができます。再生速度も選べ、目で本を読むように、耳で読書をすることができます。
製作された録音図書の規格を「 デイジー ( DAISY ) 」といいます。デイジーは「 Digital Accessible Informetion System 」の略で、デジタル録音図書の国際標準規格です。スウェーデンで作られました。デイジーの歴史は約40年ぐらいだそうです。
デイジーの種類
<音声デイジー>
音声による情報を編集したデジタル録音図書。
音声デイジーには、情景や登場人物の動きなどを音声で解説している「 シネマ・デイジー 」( 例えば、金曜ロードショーで利用できます。 )また「 テレビ・デイジー 」( 例えば、NHKの朝ドラで利用できます。 )というデイジーもあります。テレビのリモコン「 音声 」ボタンを押すと切り替えることができます。
<テキストデイジー>
文字による情報を編集した電子書籍。音声情報は無し。文字を装飾できたり、合成音声で読み上げができる。画像も含む。
<マルチメディアデイジー>
文字による情報や画像に、音声による情報も加えて編集した電子書籍。
過去、オープンリールテープや、カセットテープなどを使っていた録音図書が、デイジーができたことによって、CDやインターネット配信で利用できるようになりました。
それでは次に、デイジー規格の録音図書( 以下、デイジー図書 )を製作するために必要なものを紹介します。
デイジー図書製作に必要なもの
<録音機材>
ここが、いま1番、勉強したいところ!
<記録メディア>
録音環境
防音対策
<遮音>
外からの音を室内に入れない
[ 対策 ]
・窓、雨戸、ドアを閉める。
・音の発生源に向かって録音する
マイクの指向性を利用する。発生源にマイクの背を向ける。
<吸音>
壁や床は反射する。音をうまく吸収して反響音を減らす
[ 対策 ]
・カーテンを閉める
・壁から離れる
・録音スペースに物を増やす
特に布製品がオススメ。例えば絨毯や布団を敷いたり、ハンガーラックに布をかけて録音スペースに置く。そして布は厚ければ厚いほど良い。
<防振>
振動を抑える
[ 対策 ]
・パソコンのファン音
・車の走行音
・生活音
音がしない時間帯が分かれば、そこに合わせて録音する。
防音に関するその他
おまけ
私の作業環境
この記事の最後に、私の作業環境を紹介します。パソコン本体と記録メディアに関しては省略します。
①マイク
オーディオテクニカ「AT2035」コンデンサーマイク、単一指向性
②オーディオインターフェイス
ヤマハ「AG06」
③タブレット端末
・後悔している
私が、上記の①マイクと②オーディオインターフェイスを揃えたきっかけは、音訳と出会う数年前、テレビやパソコンゲームを遊ぶのも観るのも両方好きなので、プレイ動画を作ってみたいなと思ったことがきっかけでした。
検討した結果、結局何が私にいいのか分からず、もういいや!と、上記の①マイクと②オーディオインターフェースを揃えました。しかし、プレイ動画の製作は未完で終わりました。当時の私は、録音した自分の声を受け入れることができなかったのです。あはは。
それ以降、すっかり埃をかぶっていたところに、音訳で使えるかもしれないと最近、引っ張り出しました。
・後悔したけど
声を録音することが目的であれば、もしかしたら上記の①と②で何も問題ないのでは?と考えています。オーディオインターフェイスにつまみがいっぱいついているけれど、必要なボタンとつまみさえ分かれば、きっと……問題……無いはず?
ですが、今は環境が整った録音室に通っているので、自宅での録音環境が果たして音声デイジーを作るのに適した環境なのかは、不明です。
録音品質の都合上、1冊の墨字資料に対して両方で録音作業することができないので、今後、蔵書以外の音声デイジーを作成する機会があれば、自宅で録音しようと思います。
③タブレット端末は、ページをめくる音などを防ぐために、資料をデジタルにしています。原本に鉛筆で直接書き込んでOKとは教えてもらったのですが、筆圧が高くて傷つけそうだったので、デジタルにすれば資料に色を変えながら書き込むことができるなと思ったからです。
以上
今回は⑤録音技術について書きました。これにて、1年間の音訳奉仕員養成講習会でどんなことを勉強していたのかについてのまとめを終わります。
今後は、活動していくなかで、学んだことが腑に落ちたり、身についたら、都度、音訳についての記事を更新していきたいなと思いました。
最後までご覧いただきありがとうございました!