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【 音訳 】④校正技術とは?
この記事では“音訳について”マガジンより、校正技術について紹介します。音訳については、私が音訳奉仕員養成講座で勉強した範囲で、私の感想と考えでこの記事を書いています。私は音訳活動を始めて、まだ1年未満の新米です。
音訳に必要な技術
①音声表現技術(朗読)
②調査技術
③処理技術
④校正技術 ←今ここ!
⑤録音技術
以上、音訳に必要な技術を5回に分けて紹介しています。今回は④校正技術についてお話しします。
校正の目的
墨字( 点字に対して目で見る文字の総称 )資料の通りに音訳されているかをチェックする作業、音訳者本人、また校正者の方と進めていく作業です。
録音資料の製作における校正は、墨字資料の情報が正しく音声化されているかを、音訳者以外の第三者が確認する作業です。
誤読はないか、音声だけで意味が理解できるように読んでいるか、間(ま)は適切か、視覚的な資料の処理は適切に行われているか、雑音は無いか等を確認します。
私は今、録音作業中ですが、これからしばらくすると校正担当の方にデータを渡します。初めての校正なので、どれくらいの量の訂正が返ってくるか、録音作業の次に緊張するところかもしれません。
音訳者と校正者のやりとり
「 校正表 」を使ってやりとりを行います。「 校正表 」には( 所属先によって異なりますが )
・録音ソフトの該当箇所
・墨字資料の該当箇所
・音訳者の読み
・校正者の読み
・備考欄
<録音ソフト/墨字資料の該当箇所>
ページ、行などを記入します。
<音訳者の読み>
校正者が、音訳者の読みがどのように聞こえたかを記入します。
<校正者の読み>
校正者が、音訳者にこのように読めると望ましいのでは、ということが記入できます。
<備考欄>
音訳者に、どうしてその様に至ったのか( 参考文献など )どういうことかを記入できます。
講座では、サンプルCDと校正表が配布されました。自宅で再生しながら、誤読部分など校正が必要かな?と思われる部分を書き出しました。どこが気になるかは校正者によって異なるため、講座では、他の受講生の方が感じた校正箇所に「 なるほど〜。 」と思うこともありました。
校正のチェックポイント
・構成
・録音技術
・音訳表現技術
<構成>
所属先の録音形式で作られているかの確認など
<録音技術>
音量レベルが定まっているか、突然音がこもったり反響していないか、雑音が聞こえないか。マウスやキーボードの操作音、時計の音、息継ぎの音、口中音、ポップノイズ、お腹の音、ページをめくる音、生活音が一緒に録音されていないかの確認など
<音訳表現技術>
目指せ誤読ゼロ!読みづまり、処理が間違っていないか、アクセント、間が長すぎたり、短すぎやしないか、読むスピードがコロコロ変化していないかなど
音訳者と校正者の立場
「 校正と指導は別もの 」「 凹まない 」「 従いすぎない 」「 自分の考えに自信を持つ 」そして「 悩んだ時はまず相談 」と、私は私に言い聞かせるのでした。
誤読の指摘は、あくまでも事実を指摘しているにすぎず、決して、先輩を指導しているわけではありません。利用者に提供する前にきちんと修正をすることで、誰も不利益を被ることなく、正確な録音資料の完成をめざすことを最優先に考え校正を行ってください。
つまり、初心者とベテラン、音訳者と校正者、録音資料の製作においてはどちらが上でも下でもないということです。校正者の役割は、墨字資料と照合して、墨字資料通りに音訳されているか、かつ音声のみで聞いて理解できるかを判断することです。
初めての音訳に取り掛かって約半年が経ちました。録音しながら、自己校正を行なっている最中です。私の録音の敵は、口中音や、お腹が鳴る音が録音されてしまtたり、拗音( ゃ、ゅ、ょ )の発音が難しかったりします。
口中音に関しては、音訳の場合、録音図書を利用される方は口中音を聞きたい訳ではないので、口中音が入っても気にしなくても良しとアドバイスいただきました。それよりも、しっかり資料に目を通して録音することが求められます。
その他、その時は気にならなくても、後日また再生してみると、誤読していたり、間の長さがおかしいことに気がつきます。自己校正については、つい100%を目指しがちですが、音訳に不要な校正と、必要な校正を見極められるようになりたいなと思いました。
以上
今回は④校正技術について書きました。次回は、講座で何をやっていたのかついに最後の記事です⑤録音技術について書きます。
最後までご覧いただきありがとうございました。