2019.8.24 Super Flying Tokyo Day2 TALK SESSION
ライゾマの話をハードウェア中心にまとめた
リオオリンピックで演出で用いたハードウェアの話
制作に関するかなり細かい話がされていた
あらゆる状況(雨、機械の不具合)を想定して制作されている
プロトタイプ制作の流れ
フレームのデバイス
バトンのデバイス
午後は各国のアーティストの登壇
ライゾマティクス制作現場の舞台裏
①2015真駒内花火でのダンスパフォーマンスの演出
リオ演出の前身
ダンサー64人、一人2本、128本のLEDの棒を使った演出
野外の場合、いつも屋内で使ってるものと仕様を変えないといけない
また野外で光り方を同期させるのは難しいので、光るパターンはデバイス内に仕込み、パターンの同期だけ無線通信で行ったそう
②リオオリンピック閉会式の演出
・全体的な話
光るフレームを考える
制限:日本から輸送できる、現地で組み立てられる、ダンサー2、3人で持てる重量
1/50スケールで模型を作り、上からの見え方を確認
プロトタイプを制作、光ったときの見え方を確認、セグウェイに乗せスピードを試したり、色んな方法でフレームを動かした
そのあとopenFrameworksでシミュレーションソフトを作り、ダンサーのアニメーションや映像との組み合わせを確認
光のパターンはAbltonで真鍋が作り、maxに送り、ソフトウェアで確認
リアルタイムで放送する映像は視点に依存しているので、カメラの動きも指定し、obsという会社にその動きを渡し、その通りにカメラを動かしてもらった
前日までスタジアムでサッカーの試合があり本番の環境でリハができなかった、そのためシミュレーションを徹底した
・LEDのオペレーション
すべてプログラムでキューが走るので本番は人によるオペレーションは必要なし
プログラムが落ちた場合は真鍋が手動でキューを叩いていた
同じシステムを2つ作るなど、あらゆるバックアッププランを考えている
・ハードウェア、回路周りについて
6月に輸送しないといけないので、3月にプロトタイピング、4月は制御の基盤のプロタイピング〜という流れ
・デバイスの詳細
・フレーム(Type A・B・C)
コの字型4つが独立して合体している
上記の花火の演出と同様に光パターンはデバイス内に仕込み、パターンの同期だけ無線通信で行った
光の全パターンが入ったSDカードを用意
デバイス側にIDが変更できるスイッチをつけておき、それぞれのIDに適したパターンを読み込む
こうしておくことで演出に変更があった場合、すべてのSDカードに一括コピーするだけで済むので楽(どのSDカードにどのデータを移すか考える手間がかからない)
フレームの無線通信
4つのコの字のうち1つがPCから無線を受け、それが残り3つにRS485という規格で通信している
・デバイスの素材や量産体制
Type Aは女性ダンサー1人で運べるカーボン、B・Cは安価なアルミで2、3人で運ぶ
パイプはポリカーボネート製
防水のため構造の設計が難しかったそう
基盤や配線をパイプ内に全て収めている
実際と同じように倒したり転がすとフレームが歪む、そのため角を固定する部品を開発
・バトン型のデバイス
はじめのプロトタイプを投げてもらうと1回で電源と基盤が吹き飛んだ
回して投げるので遠心力が半端ない
→中身をぎちぎちに詰めた
担当者一人で完成させることはなく、他に仕事があったり、海外出張が多いので、ネットでパーツリストや進捗を共有しつつ他のメンバーと開発した
インターナショナルアーティスト プレゼンテーション&トーク
①目[mé]
引力、地球より圧倒的に宇宙が大きいのに、常に引力が働いてるとは限らない
確かめようとすることが確かであって、何も確かではない
「たよりない現実、この世界の在りか」展
エレベーターが開くとホテルの入り口みたいなエントランスにすると、間違えたと思い引き返す人がいた
通路にある非常口も入り口になっていた
鏡の中みたいに全部反転した部屋を実際に作った
埼玉トリエンナーレ2016
継ぎ目なしの巨大な鏡を制作
六本木クロッシング2019
山は山のまま触れない、近づくと葉っぱとか土
遠くの海を近くで見せる
素材開発に1年かかった
増井が開発
未来会議でコンセプトに載ってる
リボーンアートフェスティバル 2017
石巻をキャンピングカーで一週間
家の基礎だけ残っていて、砂浜になりかけている場所
地層を思い浮かべた
本来の景色ってなんだ、という
6年後見に来るとアスファルトの道路、セブイレができていた
縁側は動き出す
流された家からの景色を見る作品
キャンピングカーとして許可を取った、結果として自分たちが感じた気持ち
宇都宮美術館 館外プロジェクト
おじさんの顔が空に浮かぶ日
顔収集センター
おじさんが浮かんだとして、先取り絵日記
町の人々と顔会議
見た人が、俺はこう思うというのをおばちゃんがただただ聞く顔カフェ状態
浮かぶのに適した顔は、ほったらかしのおじさんの顔
若いとその人となりが出てしまう、逆におじいちゃんでも出る
いろんな苦労を乗り越えてついに完成、おじさんの顔が空に浮かんだ
見て抱き合って泣く人もいたり
浮かんだ本人、10年ぶりに友達からもしかしてお前浮かんでない?と連絡が来た
東京オリンピックでは
だれーーてなるような人の顔が浮かべたい
知らない8人が100mを全力で走っているのを何十億人が見るオリンピック
千葉市美術館で個展開催予定
「非常にはっきりとわからない」
②Pink;Money(香港・中国)
ニューメディアアートチーム
ジェネレーティブデザイン、HCI、オーディオビジュアルアート、インタラクティブインスタレーション、パラメトリックデザイン、アニメーションデザイン、実験ノイズアートなど
最近はDELLのゲーミングPCエイリアンウェアのオーディオビジュアルイベントの映像演出
2017年以前のニューメディアアートシーン
黎明期
アンダーグラウンドな活動として、オーディオビジュアルのイベントや小規模なメディアアートの展示が行われていた
オーディオビジュアルイベントとしてはLoga Hongの主催する「pixcel echo」が有名
Bwave - Pixels Echo 2015
2017年以降のニューメディアアートシーン
盛期
2017年5月北京で「teamLab: Living Digital Forest and Future Park」開催、来場者20万人以上を記録
2017年7月北京のToday Art Museumで「.zip」開催
teamLab Living Digital Forest and Future Park
ORIENS :: Immersive Space[.ZIP], JUL 15 – SEP 16 2017, Today Art Museum, Beijing, CHINA
チームラボの興行的な成功により、VRやインスタレーションなどさまざまなメディアアート系の展覧会や企業とのタイアップイベントが増加した
中国で有名な日本のアーティスト
真鍋大度
池田亮二
黒川良一
中国で有名な中国のアーティスト
Loga Hong
「Pixel Echo」主催
中国のオーディオビジュアル、インスタレーションのキングと呼ばれている
Wu JueHui
「.zip」主催。自身もアーティストとして活動
Raven Kwok
ニューヨークが活動拠点、海外でも有名
ニューメディアアートの制作資金
中国ではニューメディアアートに対して国からの支援がないため、企業との共同プロジェクトが中心になる
ニューメディアアートの展示は、高価な機材を使用するケースが多く、資金を確保することが重要
そのため予算のつく企業プロジェクトにやりがいを感じる