Twitter漫画「誰が文か」を読んだ

今回は、Twitterでハミタさんが掲載し、完結。
現在は電子書籍にて加筆等がされ、単行本が発売されている
「誰が文か」を読んだ感想と、思ったことを書きたいと思います。


こちらはハミタさんのTwitterです。

この漫画は

大学生活に馴染めない主人公「和久井」
和久井のバスケサークルの先輩「朱鷺田 アザミ」
暇さえあれば校内をひたすら走っている後輩「平岸 ケイ」
仏頂面で図書館で読書をしている「雨野 マイ」
和久井の文通相手「由香里」

が中心となって、物語が進んでいきます。

以下あらすじ
大学2年生にもなって、所属サークルにも大学生活にも馴染むことができていない和久井。
彼の唯一の楽しみは「由香里」という人物との、文通でした。
そんなある日、由香里の文章に由香里が知るはずのない、自らの情報が書かれていることに違和感を感じた和久井。
和久井は自分と接点のある、朱鷺田アザミ、平岸ケイ、雨野マイの3人のうちの誰かが由香里の正体であると踏んで、由香里探しを始めていきます。

詳細はネタバレになってしまうのですが、この漫画には何度も「幸せ」という単語が出てきます。

「幸せの絶対量」
「あんた幸せ者だな」
「幸せそうなやつ」

そして物語のラスト、本当に幸せになれたのは誰なのか。不幸とは何なのか。考えさせられます。

作中にも出てきますが、幸せとは「個人の尺度」で推しはかられるものです。
であれば、自身が「幸せだ」と感じた人間が作中で1番幸せなのでしょう。
そして明確に「幸せ」を感じた人間は、作中1人しかいません。

和久井は、朱鷺田は、平岸は、雨野は、
誰が幸せで、誰が不幸せなのか

ぜひ、その目で読んで確かめてみてください。



以下は少しネタバレが入った感想です。

なお作中、幸せの絶対量という言葉が出てくる回に、「誰かの幸せは誰かの不幸で成り立っている」という言葉が出てきます。
また、和久井が書く小説は主人公が自らを犠牲にして、周りを幸せにする。というテーマが常にあることが明かされます。

そしてストーリー途中、狂言回しの交代が起こり、和久井は一時脇役になります。

そして終盤の「あんた幸せ者だな」「幸せそうなやつ」「俺はなんて幸せ者なんだ」というセリフから、新たに狂言回しとなった人物には、主人公の属性が与えられたと考えられます。
その結果、その人物のみが不幸になり、周りが幸せになったとも捉えることができます。

これは作中明かされた、和久井の小説の一貫されたテーマそのものです。
思えば「誰が文か」は、和久井だけで最初から完結されていた物語でした。
もし、主人公が自ら幸せになるためには誰かが不幸にならないと考えていたのなら。

あのラストは起こるべくして起こったものだと思います。



最後に、私は雨野マイ推しです。
仏頂面で、あんな感じの女子、好き。

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