生まれる老いる
カブトムシ誕生
昨年の夏、小学生の孫がカブトムシを数匹飼いはじめた。自分でケースとマット、エサなどを買ってきて、観察日記を書いていた。夏の終わり、そのカブトムシが産んだ卵が孵って、幼虫が冬を越したようだ。姿は見えないが、大きな糞が土の中にまじるようになった。春になって、土を替えようと思って新聞紙の上に土をあけたら、大きな幼虫が1匹出てきた。
糞を除去した後、もう一度ケースの土の中に戻し、土が乾かないようにすることだけを注意して2ヶ月。先日ケースの蓋を開けてみると、なんと大きなオスのカブトムシになっていた。いつの間にかサナギの時期が過ぎ、ついに成虫になっていたのだ。
昨年買ってまだ残っていたカブトムシ・ゼリーを、飼育ケースのカブトムシの側に置くが、見向きもしない。
しばらくはケースの蓋をして、刺激を与えないでおくことにする。
翌日になって、蓋をあけると、カブトムシの姿が見えない。たぶん土の中に潜っているのだろう。連日、真夏日や猛暑日が続き、梅雨などどこかへ行ってしまったような陽気だ。ケースの中もさぞ暑かろう。土の中に潜るのは、カブトムシにとっては「避暑」なのだ。
しかし姿が見えないのは気にかかるので、今朝は土を少し掘り返してみた。すぐに大きな角が現れる。
お~、無事でよかったな。
この子がこの夏をどう送るのか、また相方のカブトムシといっしょに育てるのか、それは孫1が決めるだろう。(孫2・孫3もいます)
兜虫初めて仰ぐ空の青
ペット盛衰記
今の住居に住み始めた頃には、ネコが3匹いた。もう時効だと思うので白状する。
本当は犬猫などのペット飼育禁止のマンションだ。しかし引っ越すにあたって彼らを手放すことはできなかった。購入したのはメゾネット・タイプの物件で、2層式になっている。いわば地下にも部屋があるような様式だ。この下の部屋を「ネコ部屋」にした。
鳴き声が聞こえないか、外に逃げ出さないか、等々、ハラハラする場面はいくらもあったが、3匹とも家族として元気に過ごし、そしてこの家で寿命を全うした。この子たちがいなくなって、すでに久しい。
この数年は「メダカ」を飼っている。毎日エサをやる時間が楽しい。体の色や大きさが異なるように、それぞれ性格も違うようだ。
水槽が二つあって、一つは今年生まれた稚魚メダカ用。親メダカの水槽に入れてあった産卵床をこちらに何度か移しているうちに、稚魚メダカがいっぱい孵った。日に日に大きくなっていく様子を見るのはおもしろい。
ハナモモの盛衰
庭にハナモモの木がある。ここに住み始めた頃に植えたので、もう樹齢20年ぐらいだろう。ぐんぐん成長し、春先にはいつも桃の花をいっぱいつけて、雛祭りの雛壇を飾ってくれた。
これは5年前の写真。1本の木が枝分かれして大きく茂っている。秋にはいっぱい実をつけて、庭中落花ならぬ落果だらけになった。通路の方まで枝が伸びたので、大枝を何本か切り落とした。それが衰えの始まりかもしれない。
その後、花も葉もつけない枝ができだし、ついには花を咲かせてくれる枝がわずかになってしまった。裸の枝が虚空に伸びている姿はわびしかった。そこで思い切って、ダメになった枝を幹から切り離した。
いま調べてみると、ハナモモの寿命は15年から20年ぐらいだということがわかった。ということは、我が家のハナモモは、「生老病死」の終わりに近づいているということなのか。
長年、目を楽しませてくれたことを感謝しなければいけないな。