大阪市の神社と狛犬 ➌西淀川区⑨福住吉神社~丸目の穏やか浪速狛犬~
大阪市西淀川区の地図と神社
大阪市には、現在24の行政区があります。西淀川区は淀川の北側にある三つの区の西側に位置します。
西淀川区には、神社が9社があります。(地図参照)
9社のうちの5社が海の神を祀る住吉神社ですが、他の神社もほとんどが住吉大神をお祀りしています。
福住吉神社は、西淀川区で紹介する最後の神社になります。前回の大野百島住吉神社とは、緑地帯をはさんだ東側に位置します。鎮座する地名も、西淀川区福町といいます。
福住吉神社
■鎮座地 〒555-0034 大阪市西淀川区福町2-15-6
■主祭神 底筒男命・中筒男命・表筒男命・神功皇后
■由緒 福町は、福村として正保元年(1644)に開発された地域である。村人は主として漁業を生業としていたため、航海の安全と豊漁を願って、明暦二年(1656)に住吉大神を勧請してお祀りしたのが当社の始まりだ。
狛犬1・2
■奉献年 拝殿側・・・大正13年(1924)
手前側・・・昭和47年(1972)
■石工 不明
■材質 花崗岩
■設置 拝殿前
福住吉神社の住吉四神を祀る社殿の前には、2対の狛犬が置かれている。
拝殿に近い側の狛犬は大正13年(1924)奉献で、いかにも獰猛な顔つきが印象的である。手前の狛犬は昭和47年(1972)の奉納で、この神社の狛犬の中ではもっとも新しい。
狛犬3
■奉献年 昭和37年(1962)
■石工 不明
■材質 花崗岩
■設置 金刀比羅神社前
狛犬4・5
■奉献年 拝殿側・・・昭和37年(1962)
手前側・・・不明(推 文化年間)
■石工 不明
■材質 拝殿側・・・花崗岩 手前・・・砂岩
■設置 福戎神社前
境内社の、金刀比羅神社前の狛犬と福戎神社の拝殿側の狛犬は、いずれも昭和37年(1962)の紀年銘があり、同じ時期に奉納されたものだと思われる。
境内で見られる5対の狛犬の中で、もっとも古いのが福戎神社の手前側の砂岩製狛犬である。
吽形は表面がはがれるなど、損傷が進んでいるが、江戸時代の浪速狛犬であることは間違いない。顔の表情などに誇張が始まる天保以前、おそらく文化年間ごろに造られたものと思われる。
福稲荷神社
境内の福稲荷神社の朱塗り鳥居の足下に、何かが横たわっている。
そばに近づくと、狐像だった。一体だけで相方はいない。いつ頃のものか、どうしてこんな所に置かれているのか、謎である。