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大阪市の神社と狛犬 ⑫西区 ②御霊神社堀江行宮~一角獣のような狛犬~

大阪市西区の地図と神社

大阪市には、現在24の行政区があります。西区は、北側に土佐堀川・安治川が流れ、中央部には南北に木津川が流れています。木津川を境に、その東側は江戸時代からの商業地域です。かつては多くの堀川が巡らされていましたが、戦後になって、すべて埋められてしまいました。西側には、鉄工・物流関係の事業所が多く、有名な九条商店街があります。区内には都心のオアシスと呼ばれる靱公園や京セラドーム大阪などもあり、市民の娯楽・交流の場も充実しています。

西区には神社が5社あります。中でも土佐稲荷神社には、たくさんの狛犬がいますが、他の4社の中で狛犬がいるのは、御霊神社堀江行宮だけです。
今回は、その御霊神社堀江行宮に参拝しました。神社の西側を木津川が流れ、対岸に京セラドーム大阪があります。


御霊神社堀江行宮

■所在地 〒550-0014 大阪市西区南堀江4-28-29
■主祭神 天照大神荒魂あまてらすおおみかみのあらたま津布良彦神つぶらひこのかみ津布良媛神つぶらひめのかみ
■由緒  大阪市中央区に鎮座する御霊神社の行宮(御旅所)で、詳しい由緒などは不明である。御霊神社では、江戸時代の安永9年(1780)から船渡御が行われていて、この堀江の行宮まで御神霊の巡航があったという。船渡御は明治初期に中断されるが、平成23年(2011)に約140年ぶりに復活した。
現在も御霊神社では、7月中旬に夏祭奉弊祭が行われ、神輿渡御祭や堀江行宮祭がある。

狛犬

■奉献年 平成二十三年十一月吉日(2011)
■石工  不明
■材質  花崗岩
■設置  境内参道

平成23年奉納の狛犬(阿形)
平成23年奉納の狛犬(吽形)
平成23年奉納の狛犬(吽形)
平成23年奉納の狛犬(吽形)

ドーム前を流れる木津川の東に入ったところにひっそりと鎮座する御霊神社堀江行宮。三方をマンションなどで囲まれている。社殿も狛犬も新しい。

御霊神社堀江行宮・拝殿

石造狛犬の奉納は平成23年(2011)。「鳥取県出身 崇敬者」によるものである。阿形は玉取り、吽形は子取りで、吽形の頭上には斜め前方に突き出すような大きな角がある。耳は後方になびくように付き、口元の牙も鋭い。
新しい狛犬は、岡崎現代型のパターン化したものを多く見かけるが、こちらは個性的である。
境内は、時折通りがかりの人が手を合わせて参拝する以外、ひっそりとしている。


楠永神社

御霊神社堀江行宮の北東約2.5kmの靱公園内に、楠永神社という小社がある。ここは御霊神社の境外社になっている。
■所在地 〒550-0004 大阪市西区靱本町2-1
■主祭神 楠永大神、楠玉大神

この靫の地は、元は大阪湾が深く入り込んだ場所にあり、圓江つぶらえと呼ばれていた。この付近には、津村郷の産土神を祀る圓神祠つぶらしんしと呼ばれる祠が存在した。御霊神社の始まりは、この圓神祠である。

圓神祠の神々は、文禄3年(1594)に御霊神社に遷座するが、当社の神木とされた楠はそのまま残された。楠永神社の楠は、樹齢300年と言われている。

残念ながら、こちらには狛犬さんはいませんでした。

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