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企業目線+データ分析でU-NEXTパイレーツ新加入選手を考察(第3回その1)
第1回・第2回のおさらい
パイレーツのチーム運営を安定させるために、賞金のみならず、
・お金を使ってくれるファンの数の増加(ファン層の拡大)
・ファン一人当たり使ってくれるお金の増加(ファンの熱狂度増加)
が重要だというのは、第一回で述べたとおりです。
そして、ファン層の拡大に貢献してくれる選手が誰かについては、第二回で述べたとおりです。
暫定的な結論としては、以下の選手が有力な候補となりました。
山本ひかるさん(RMU)
菅原千瑛さん(連盟)
渋川難波さん(協会)
鈴木優さん(最高位戦)
逢川恵夢さん(協会)
涼宮麻由さん(協会)
汐宮あまねさん(RMU)
第3回では、ファンの熱狂度増加(=ファン一人当たりが使ってくれるお金の量を増やす)のためには、どの選手を指名すべきか、について検討したいと思います。
最初に言い訳(ここは飛ばして大丈夫)
最初から言い訳で恐縮ですが、お客さんが「お金をつかっていいと思う」ことと、実際に「お金を使う」ことの間には、非常に大きな隔たりがあることがよく知られています。
特に、現代においては、無料で楽しめるサービスが非常に多くあり、その中でお客さんが「お金を払う」意思決定をするに至るようにするのは、並大抵のことではありません。
そのような背景もあって、公開データの分析だけでは、いまいちファン層の深さを知ることは難しいといえます。それこそ、オフィシャルサポーターの客層やリアルイベントの参加者の客層等、チームのみが持っている情報と併せることによって、ようやく「うっすら」見えるくらいだというのが肌感覚です。
電通や博報堂にはこのあたりの蓄積がもしかしたらあるのかもしれませんが、一介の経済分析屋には、そんな蓄積は全くないので、どうかご容赦ください。。。
今回の考察の目標
とはいえ、ただ泣き言を言っているだけでは始まらないので、「誰がファン層の深さ拡大に貢献するか」、より具体的には、以下の2点について考察していきたいと思います。
誰を新メンバーとして迎えれば、朝倉さん、石橋さんの契約満了によって失われそうな古参ファンをつなぎとめられるのか(古参ファンは新規ファンよりもお金を使う可能性が高いだろう、という仮定)
誰を新メンバーとして迎えれば、「全8チームの中でパイレーツを一番応援する」という人が増えるのか(Mリーグファンが「お金を使おう」と思い立ったら、全8チームのうち一番応援しているチームにお金を使うだろう、という仮定)
誰が古参ファンをつなぎとめられるのか
現行パイレーツのファン層分析
ではまず朝倉さん、石橋さんの契約満了によってどの程度のファンが失われうるのかについて、考察してみたいと思います。
ここも、同じくTwitterのフォロワー分析によって進めたいと思います。
現行のパイレーツファンの数は何人いるでしょうか。
所属選手及びチームのアカウントの「少なくとも1つ」をフォローしている人をパイレーツファンとしてカウントすると、129,332人となります。東京都中央区と似たような規模感みたいですね。
(内訳)
うち1人のアカウントをフォロー:60,678人
うち2人のアカウントをフォロー:21,032人
うち3人のアカウントをフォロー:12,917人
うち4人のアカウントをフォロー:11,666人
うち5人のアカウントをフォロー:23,039人
ここで驚いたのは、瑞原さん単推しファンの多さ。
瑞原さんのアカウントのみをフォローしているのは29,526人であり、上記約13万人のパイレーツ総ファンの23%(瑞原アカウントのフォロワーのうち36%)にものぼります。
仮に瑞原さんを契約満了とした場合、パイレーツはこの人数のファンをそのままごっそり失うわけで、U-NEXTとしては、特に瑞原さんについては絶対に失ってはならない人材(=瑞原さんが辞めざるを得ない状況を作るわけにはいかない )ということができます。
まぁ、「レギュラーシーズンMVPはそう簡単に契約満了にはできない」というのがコンセンサスでしょうから、U-NEXTも瑞原さんがMVPになってひと安心したのではないでしょうか。
そして、
・朝倉さんのみをフォローしているのは8,879人(朝倉固有ファン)
・石橋さんのみをフォローしているのは4,401人(石橋固有ファン)
・2人のみをフォローしている人の数は858人(朝倉石橋固有ファン)
でした。
したがって、朝倉さん、石橋さんの契約満了により、少なくとも上記の合計である14,138人のファンをパイレーツは理論上失うこととなります。
(逆に、その他の115,194人は、小林さん、瑞原さん、パイレーツ公式の少なくともいずれかをフォローしていることとなり、その多くが歩止まりするものと思われます。)
失うファンをつなぎとめられる人材は?
では、どの選手が失われるファンをつなぎとめられるのでしょうか。これは、単純に朝倉さん、石橋さんと同じファン層を有する選手が該当するものと考えられます。
では、誰が同じファン層を有しているのでしょうか。
ここでは、各選手のフォロワーのうち、上記14, 138人のファンがどの程度含まれているかを見ることによって、誰がつなぎとめられるのかを見ていきたいと思います。
<つなぎとめられるファンの数ランキング>
1.渋川難波(2,327人)
2.河野高志(606人)
3.鈴木優(555人)
4.菅原千瑛(540人)
5.逢川恵夢(507人)
6.仲林圭(461人)
7.涼宮麻由(325人)
8.醍醐大(313人)
9.小宮悠(276人)
10.竹内元太(195人)
事前の予想では、朝倉さん、石橋さんの所属団体である最高位戦出身の選手が強いだろうと思っていましたが、実際は全く異なる結果でした。
まず、渋川さんが群を抜いてトップ。
朝倉さん、石橋さんの単推しファンからも愛されていることがよくわかる結果であり、ファン離れを食い止めるという目的でも、渋川さんの指名が正当化されそうです。
河野さん、鈴木優さんがこれに続きます。
四神降臨で見せた河野さんの麻雀は、本当に面白くて思わず引き込まれたので、独特な麻雀を打つ朝倉さん、石橋さんのファンからも愛されているというのは、直感的に納得するところです。
意外だったのは、菅原さん、逢川さんが上位に来たこと。
朝倉・石橋・菅原or逢川はフォローしているけど、小林&瑞原はフォローしていないというファン層が一定以上存在しているということなのですが、どういう要因がそのようなファン層を作り出しているのでしょうか。。。
特に、朝倉さん・石橋さん・菅原さんの3人に大きな共通点があるとも思えず、ちょっとよくわかりません。
こういうファン層の形成過程について分析してみるのも面白いかも、ですね。
第3回、実は書き終わったのですが、5000字を超えてしまいました。。。ちょっと長くなりすぎたので、とりあえず半分だけ投稿しておこうと思います。。。。
続く第3回その2では、誰が「パイレーツを1番応援しているファンを作り出せるのか」について、検討していきます。