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(後編)森井監督の思考からサクラナイツのドラフト指名選手を読み解く
前回のおさらい
前回は、森井監督のこれまでの発言及びチーム運営の戦略から考えられる「新選手に求めたい要素」について考えました。
具体的には、以下の通り。
麻雀の実力がある。「実力」の測定方法は「タイトルを取得したこと」。
できれば麻雀で魅せられること。スーパープレイだけじゃなくて、沢崎さんのようなスポーツマンシップも含む。
同時にエモさも重要(2019ドラフトの水口さんみたいな)。
Mリーグのコア層である20代・30代男性を特にターゲットにできる若いプロか、沢崎さんに代わってシニア層に訴求できるレジェンドプロ。
他の選手と重複しないキャラクターがあること。
マルチな活躍をしている麻雀プロ。
できれば、ルックスにおいても差別化できる人。(これは美男美女が良いという意味ではなく、あくまで「差別化」がポイント。)
「モテる」(異性に、という意味ではなく)。例えば、堀ガールズといった存在があるくらい「熱狂」を作れる堀さんには大きな魅力があり、こういった「熱狂」を作れるファンサービスができるというのは重要な要素(内川さんも気配りができて素晴らしいと聞きます。。)。
メディアミックスに向いた人材。
現時点の人気が高いことは必須要素ではない。
検討対象となる選手
前回も検討した通り、仮に沢崎さんの稼いだポイントがゼロになった場合、サクラナイツは一転レギュラーシーズン敗退の危機に陥ってしまうので、どうしても「強い」は必須の要素になります。
そして、森井監督と平澤元気さんとの対談で、「強い」を客観的に測定することは不可能なので、現時点では「タイトル取得」を材料とすることが最もロジカルとの結論に達していました。
したがって、今回については、パイレーツ新メンバー検討の時から少し変えて、タイトル取得者+α(実績ありつつエモい人)を念頭に見ていきたいと思います。
具体的には、以下の方々です。
<日本プロ麻雀連盟主催大会>
佐々木寿人(鳳凰位)
荒正義(十段位)
渡辺史哉(王位)
魚谷侑未(女流桜花)
奈良圭純(麻雀マスターズ)
廣岡璃奈(桜蕾戦)
早川健太(若獅子戦)
吉野敦志(鸞和戦)
<最高位戦日本プロ麻雀協会主催大会>
鈴木優(最高位)
平島晶太(最高位戦classic)
仲林圭(發王位)
中郡慧樹(新輝戦)
内間祐海(女流最高位)
小宮悠(女流名人)
<日本プロ麻雀協会主催大会>
渋川難波(雀王)
富永修(雀竜位)
逢川恵夢(女流雀王)
皆川直毅(日本オープン)
<麻将連合主催大会>
小林剛(将王)
藤川まゆ(将妃)
竹内元太(BIG1カップ)
<RMU主催大会>
河野高志(令昭位)
汐宮あまね(ティアラ)
浅井裕介(RMUクラウン)
<その他>
菅原千瑛(RTDガールズトーナメント2021)
中山百合子(シンデレラリーグ2021)
涼宮麻由(プリンセスオブザイヤー2021)
醍醐大(前最高位)
矢島亨(前雀王)
宮内こずえ(最強戦2021 準優勝)
水口美香(Mリーグ2019ドラフト)
金太賢(元雀王・最強位)
山脇千文美(ウヒョ助さん一押し)
※ 堀さんを当てたウヒョ助さんの推しは無視できないです・・・
簡単にファン層分析
森井監督の発言を聞くに、パイレーツよりも「キャラクター・エモーショナルな部分を重視」&「現時点の人気は必須ではない」がより明確になっています。
したがって、パイレーツのときの分析よりは、定量的な議論よりも定性的な議論の方が重視されると思います。
とはいえ、基本的なファン層データ(特にどの選手に「ファン層拡大ポテンシャル」があるかがわかるもの)については、やはり見ておいた方がいいし、森井監督もチェックしていると思うので、基本的なものだけ下に挙げておきます。
データはTwitterAPIを使って抽出し、分析しています。
宮内さん、水口さん、金さん、山脇さんのデータのみ7月2日時点、他はパイレーツの分析の時に抽出したものですので、6月22日時点のものになります。
対象選手のフォロワー数ランキング
1.渋川難波(40,047)
2.宮内こずえ(36,982)
3.水口美香(32,019)
4.菅原千瑛(20,429)
5.山脇千文美(14,005)
6.鈴木優(12,345)
7.仲林圭(12,041)
8.金太賢(11,938)
9.涼宮麻由(9,695)
10.逢川恵夢(9,600)
これは単純に各選手のフォロワー数を数えたものです。
まぁ、ファン層の大きさを示す一つの指標といえるかと思います。
いわゆる人気選手が並んでいますね、という感じで、さほどサプライズがあるわけではありません。
推しチームのないフォロワーを多く抱えているランキング
1.宮内こずえ(22,033人)
2.水口美香(16,828人)
3.渋川難波(10,269人)
4.菅原千瑛(9,377人)
5.山脇千文美(5,098人)
6.逢川恵夢(4,530人)
7.涼宮麻由(4,007人)
8.河野高志(3,996人)
9.鈴木優(3,410人)
10.仲林圭(3,036人)
これは、Mリーグ全8チームの公式アカウントをいずれもフォローしていない人が、当該選手のフォロワーに何人いるかを数えたものです。
このランキングが高いほど、Mリーグに推しチームがないファンが多いといえ、当該選手の加入をきっかけにMリーグファンそしてサクラナイツファンとなってもらえる人の数が多い可能性が高いといえます。
注目すべきは、宮内さん。
まだ24歳ですけど、長い間麻雀プロとして活躍されてきた麻雀プロの中では珍しく、Mリーグに関心のないファンを多く抱えています。
既に大きなファン層を抱える宮内さんのフォロワーの60%(!)が「推しチームなし」というのは、かなりのブルーオーシャンなのではないでしょうか。
水口さんも同様で、2019年あれだけ注目されたにもかかわらず、Mリーグに推しチームのないファンをたくさん持ってます。
率も53%であり、こちらもブルーオーシャンです。
サクラナイツとファン層が重なる選手ランキング
※サクラナイツのフォロワー数は41382人
1.渋川難波(17,856人 45%)
2.水口美香(8,519人 21%)
3.宮内こずえ(8,022人 19%)
4.金太賢(6,267人 15%)
5.菅原千瑛(6,161人 15%)
6.仲林圭(6,046人 15%)
7.鈴木優(5,608人 14%)
8.山脇千文美(5,231人 13%)
9.醍醐大(5,275人 13%)
10.小宮悠(4,073人 10%)
これは、サクラナイツのフォロワーの何人(何パーセント)がその選手をフォローしているか並べたものです。
これが高い場合は、当該選手のサクラナイツ加入が既存ファンから支持されやすい(=既存のチームカラーになじむ?)といえると思います。
番組出演もあり、渋川さんが1位になるのは当然だと言えますし、続くのが水口さん・宮内さんというのもフォロワー数から考えて素直な結論だと思います。
これは正直、サプライズはないなぁという感じです。
サクラナイツとファン層が「重ならない」選手ランキング
1.宮内こずえ(28,960人)
2.水口美香(23,500人)
3.渋川難波(22,197人)
4.菅原千瑛(14,270人)
5.山脇千文美(8,774人)
6.鈴木優(6,744人)
7.涼宮麻由(6,385人)
8.逢川恵夢(6,368人)
9.仲林圭(5,999人)
10.河野高志(5,752人)
逆に、当該選手のフォロワーのうち何人がサクラナイツのアカウントをフォロー「していない」かを数えました。
このランキングが高いと、「当該選手がサクラナイツに加入した場合、新たにサクラナイツのファンになってくれる人の数」が多いとの結論に導かれやすいです。
ファン層拡大につながりやすい選手が誰かを示す指標なので、森井さんは、むしろこっちの方を重要視するのではないか、と思います。
こちらはもっとサプライズがない感じです。
宮内さん、水口さん、渋川さんの数字は魅力的ですが、予想通りといえば予想通り。
涼宮さん、逢川さんがフォロワー数を踏まえると健闘しているといった程度でしょうか。
要素毎の健闘
では、要素1つ1つについて検討してみましょう。
①麻雀の実力がある。タイトル取得実績がある。
これは上に挙げた選手は全員満たしています。
実績的には荒さんはダントツ。
各団体リーグ戦の頂点となった鈴木優さん、渋川さん、醍醐さん、河野さん、矢島さん、金さんあたりが次にあげられる候補となるでしょうか。
あとは、女流雀王ほぼ4連覇の逢川さんもこれに続くと言えるでしょう。
②麻雀で魅せられること
これは個人差ありすぎですし、全員の麻雀を見たことがないので何とも言えなさすぎるのですが、個人的には河野さんの麻雀が好きなので挙げておきます。。
渋川さんも、自戦解説込みならば確実に「魅せられる」といっていいでしょう。
堀好きに続く「渋好き」は人気コンテンツになるでしょうし、「堀慎吾の渋川難波に好きに言わせろ」は更なる人気コンテンツになりそうです。
③エモさ
「旬」という意味では宮内さん。
あの最強戦オーラスを見たファンは「宮内さんはどこかで報われてほしい」とみんな思っているはず。
あとは、やっぱりあの時の水口さんを見ると、今でも胸が締め付けられる・・・。
あと「沢崎の骨は俺が拾う」といって荒さんが活躍するのも、けっこうエモい。
④若手プロorレジェンドプロ
いまいち納得いってませんが、令和生まれの逢川さん、永遠の24歳宮内さんあたりが候補でしょう。
ガチの若さでいったら早川さん、廣岡さん。
特に廣岡さんは、高校女子オープン大会優勝からの桜蕾戦優勝というのが、新たなロールモデルとしてフューチャーしたい感があっていいと思います。
レジェンドで言ったら荒さん一択。
⑤重複しないキャラクター
まず、年齢詐称・画像加工プロフェッショナルの逢川さん。
女性Mリーガーは全員リア充で幸せそうな中、逢川さんは(いい意味で)「私負け組です・・・」な感じで、Mリーグにとって新しいキャラクターなのは間違いないかと思います。
家に死ぬほどカービィがあったりして、闇が深そうなのもよい。
あとMリーグの入場が楽しみすぎる。
年齢欄はどうするのか。(宮内さんも同じだけど)
そしてガオーやるのか。
入場時なのかトップ退場時なのか、インタビューの時なのか。
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次に思いつくのは涼宮さん。
下ネタに限らず面白いんですよね。。。
この2人のキャラクターは誰とも重複していないと思います。
重複がないという意味では汐宮さんもだいぶ面白いけど、ちょっと違うかな・・・・。すみません。全くの主観です。
仲林さんもキャラクターは立っているのですが、世間的には「ビッグマウス」の堀さんと重複しているという位置づけだと思うので、ここには挙がらないかなぁと思います。
でもゲスコラム好き。
⑥マルチな活躍をしている麻雀プロ
これは、中田花奈さんや長澤茉里奈さん、椿彩奈さんあたりが筆頭に来ますね。
この3人あたりに早めにタイトルとってもらうと、これからのMリーガー戦線も一気ににぎやかになりますね。
⑦ルックスにおいても差別化できる
これは完全に荒さん。
美男美女はたくさんいますが、宣材写真に大きなアクセントを加えられるのは、熟年味を重ねた精密機械をおいて、他にないでしょう。
⑧「モテる」(異性に、という意味ではなく)
私自身、海外に長くいるので、雀荘に行く機会もなく、誰のファンが熱狂的かはわかりかねるのですが、Twitterで見聞きする限りでは、涼宮さんのファンサービスが丁寧そうで、かつ、人気がありそうな気がします。
あとは、鈴木優さんの人間性をほめる声が多い気も。
⑨メディアミックスに向いた人材
岡田さんのように他分野をバリバリやっている選手はいないので、なかなか難しいとは思いますが、あえて言えば、キャラ立ちしている涼宮さんと逢川さん。
特に逢川さんは、メディアミックスとは少し毛色は違いますが、KADOKAWAプロデュースで、しぬこ×逢川恵夢×椿彩奈で面白い企画してほしいです。
はい、個人の願望です。
人材プールは3層
以上を踏まえて、人材プールを改めて考えたいと思います。
①麻雀の実績+②~⑨要素を複数満たしている
一般的に「強い」と言われ、かつ、タイトル実績も残している選手の中で、上に挙げた要素を複数満たしているのは3名。
荒さん、逢川さん、渋川さんです。
また、パイレーツ分析の最終回でも取り上げた「ペアリング」について、3人ともこれを用いることができます。
渋川さんはいうまでもなく、堀さんとの関係性。
荒さんは、コバゴーとの「精密機械×ロボ」
逢川さんは、黒沢さんとの「令和生まれ×年齢非公開」
同チームである分、渋川さんが強いですが、いずれにせよ3人とも強みがあると言えます。
ちなみに荒さんとコバゴーの貴重な対談。
荒さん、Mリーガーになったら頑張るそうです。
②エモさ or ⑤重複しないキャラクター
ここに挙がるのは、水口さん、宮内さん、涼宮さん、汐宮さん。
特に水口さん、宮内さんは、既に数字も持っており、強い候補になりえると思います。
更に、宮内さんについては、キンマのMリーグ総選挙で、サクラナイツの某選手が一票を投じ、かつ実力を認めていたことはひとつ後押しになりえる事情と言えます。
①~⑨の要素のいずれかを満たしている
鈴木優さん、河野さん、醍醐さん、矢島さん、金さん、仲林さん、早川さん、廣岡さんあたりになるでしょうか。
特に鈴木優さん、河野さん、醍醐さん、矢島さん、金さん、仲林さんの実力派は、森井さんのスカウティングでキャラクターを見出されていた場合、一気に最有力候補になりうると思います。
結論:決め手に欠けるが・・・・
数字も考慮に入れると、やはり渋川さんが本命。
ただ、パイレーツの指名考察で述べた通り、個人的には渋川さんはパイレーツに1巡指名されることが確定的だと考えており、実際は荒さんvs逢川さんかと思います。
心情的には荒さんを推したいのですが、熟慮の結果、やはり逢川さんが本命と思うに至りました。
その理由は以下の通りです。
①荒さんがSNSをやっていないこと
森井さんが話していたように、サクラナイツはKADOKAWAの広報的な役割も期待されており、選手のSNS利用はその要素として非常に重要だと考えられます。
荒さんがMリーガーとなり、Twitterアカウントを開設すれば、おそらく1万人のフォロワーくらいはすぐに集められると思いますが、その先のフォロワー獲得には時間がかかるのが想定されます。
というのも、伊達さんや東城さんのように最初から多くのフォロワーを抱えている場合を除くと、後発Mリーガーが先行リーガーにフォロワー数が追いついている例はほぼありません。
男性の場合、この傾向がより顕著と言えます。
また、荒さん自身がTwitterに慣れていなかったり、といった事情で、当分は荒さんからの発信効果は限定的となってしまう点が推測されます。
他方、最初にやったファン層分析を見ると、逢川さんは既に悪くない数字を持っており、Mリーガーのスタート台としては十分な位置にいると言えます。
②逢川さんのキャラクターが立っている上に、その応援団が強すぎる
森井監督が「キャラクターの重要性」を強調しているところ、逢川さんはトッププレイヤーの中では「特異な」個性を発揮しています。
プレーオフ3回戦開始いたしました。 pic.twitter.com/lJodzNxVHE
— 日本プロ麻雀連盟 (@JPML0306) March 11, 2022
瑠美姐さんにまで伝染するガオー。
これとサクラブレイドをどう組み合わせるのか。
いろいろなグッズ展開にもつなげられそうです。
また、主な応援団がしぬこさんと椿さん。
こういった強力な人たちが卓外で賑やかしてくれるだけで、拡散効果は抜群です。いろいろな人がサクラナイツを目にする機会が増えるでしょう。
そして、こういった「インフルエンサーを巻き込んだ新たなエンターテイメントの創生」はまさにKADOKAWAの得意とするところではないでしょうか。
よって、マイ次期サクラナイツはこの4名
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その他の候補としては、荒さんに加えて、既に数字を持っている宮内さん、水口さん、あと当初の検討対象からは外れていますがモモノフ水巻さんあたりもアリだなーと思っています。
最近のタイトルこそありませんが、森井監督もチェックする麻雀遊戯王のMつくの常連ですし、見ての通り、Vtuber大好きおじさんに続く個性が見られます。
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が、自分の検討のロジック上はやっぱり逢川さん。
パイレーツの検討の時は、数字&コードとずっとにらめっこしてましたが、今回は森井監督の思考をトレースすべく&選手のキャラクターを把握すべく、ひたすら動画を見ました。
普段、仕事ではこういう定性的データの分析はあまりしないのですが、やってみると楽しいものですね。
お読みいただいた方におかれても、少しでも楽しんでいただけたのであれば幸いです。
そして、自分の予想を酒の肴に11日を楽しみに待ちたいと思います!
関係者の皆様、パイレーツチャンネルでもサクラナイツチャンネルでもいいので、ぜひ配信をおねがいします!!!!!!!!!音声だけでも楽しめます!
同時視聴数絶対に1万人超えますよ!!!!!