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『夏型天使を信じるな』

なんだか今の気持ちを残しておきたくて、勢いのままここに綴っておく。

劇団どくんご公演第34番『夏型天使を信じるな』を観た。
2019年『誓いはスカーレットθ』以来4年振りのどくんご。
そして最後のどくんご。

テントの形が変わってもどくんごはやはりどくんごで、いつものように歌があって、全員が出てくるシーンがあったり、2人で一緒にやるシーンがあったり、1人でやるシーンがあったり、即興があったり、ゲストが出たり。
思わず笑ってしまったり、何が言いたいのか考え込んでしまったり、思わず見惚れてしまったり、入ってきた虫に気を取られたり、舞台袖にいる役者たちの反応を見たり。

そして今年初めて見るきくぞうくんの芝居は。
メンバーの誰よりも若く、芝居の経験も少ないであろう彼は、舞台上であらん限り叫び、とにかく激しく動き回り、力いっぱい「生きて」いた。
若くてとてもがむしゃらな「生」の姿。

どいのさんはこの作品でもしかしたらそれを伝えたかったのかもしれない。

どくんごで、暑くても寒くても旅をして、テントを建ててそこで暮らす。
テントを建てなければ寝る場所がない。
台風が来ればせっかく建てたテントをバラして台風が過ぎるのを待つこともある。
暑さも寒さもそのまま感じる。
旅先で色んな人と話し笑う。
また会おうと別れる。
そんな旅は生きることそのものだ。
どくんごは生きることそのものだ。

それを最後のこの作品で伝えたかったんじゃないか、とそう思ったらとても泣けてきた。

コロナ禍以降出歩くことが減ってしまって、感情の起伏も少なくなって、このまま老いてやがて死んでいくのだろうと思っていた自分も、昨日は笑って、泣いて、生きていた。
精いっぱい、生きていた。

少し前に「この祝祭が永遠となる」という下の句を使った短歌を詠んでみたけれど、祝祭はやっぱり一瞬だから祝祭なのだろう。

限りある生をことほぐ。
ただただ精いっぱい生きる。
それがどくんごの祝祭。

でもちょっと待てよ。
タイトルが『夏型天使を信じるな』。
どいのさんの名前は伊能夏生。
自分を信じるなというメッセージが実は隠されているかもしれない。。。笑

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