おしチャリナッジプロジェクト、いよいよスタート!
こんにちは。こまえのデザイン. (狛江市未来戦略室)の石﨑です。
今回は、ついに始動した「おしチャリナッジプロジェクト」の記念すべき第1回、ナッジ研修会&キックオフミーティングについてご紹介します!
⇒「おしチャリナッジプロジェクト」の詳細はこちらから!
内容を紹介する前に…
このプロジェクトのチーム名が「おしチャリラボ」に決定しました!
ロゴマークはコチラ👇
・おしチャリを表す「おしチャリマーク」
・ラボ (実験)、ひらめきの要素を表す「電球」
・ナッジを表す「ひじ」(ナッジ=ひじでそっとつく、の意味があります。)
の3つのアイコンを並べてロゴマークにしました。
おしチャリラボのメンバーは全部で16名 (担当部課8名、庁内公募6名、デザイナー2名)
未来戦略室の職員も、事務局兼担当部課メンバーとして参画します。
第1部 ナッジ研修会を行いました。
まずはじめに、ナッジについて理解を深め、メンバーで共通認識を持つことを目的に、NPO法人PolicyGarageの加藤さんと坂部さんを講師に迎え、ナッジ研修をしていただきました。
今回は限られた時間でナッジを学んでもらうため、基礎的な内容は事前に参加者に研修動画を視聴してもらい、研修会当日は、応用・実践的な研修を行いました。
ナッジとは。
簡単に説明すると、ナッジとは「選択の自由を保ちながら、望ましい方向に人々の行動を後押しすること」。
つまり、ナッジによって何かしらの人の行動を促す際には、
・行動を禁じてはダメ (例:2つある道路のうち片方を通ることを促したいときに、もう片方の道路を封鎖してしまうのはNG)
・経済的なインセンティブ (刺激・動機)を大きく変えてはダメ (例:●●をしたら〇〇円もらえます、とするのはNG)
の2つに気を付けなくてはなりません。
また、人は完全に合理的ではなく「意図したことと実際の行動に乖離がある」「時に本人にも望ましくない判断を下す」「心身の疲労などに左右される」ことを前提に考える必要があります。
(確かに頭では分かっていても、ついついやってしまうこと、皆さんもありますよね!?)
また、ナッジを考えるときは、
①変えたい行動を特定する。⇒変えたい行動のプロセスをぎこちないくらいに洗い出す。
②原因を分析する。⇒プロセスごとに、行動を妨げる要因 (摩擦)と促す要因 (燃料)を考える。
③ナッジを設計する。⇒摩擦を減らす、燃料を増やす方法を検討する。
の3つのステップに分けて考えます。
グループワーク
研修では、自分たちの身近な課題について、実際にナッジ手法を用いて解決方法を考えてみるということで、3つのグループに分かれてワークを行いました。
テーマは『庁舎のペットボトルのリサイクル率を上げるには?』
…実は、市役所を利用する方や市の職員に対して、ペットボトルのラベルとキャップを外し、中を洗って分別して捨ててもらうよう市の庁舎管理の部署からお願いをしていますが、なかなか改善されないという問題がありました。
そこで、さっそく座学で習ったナッジの設計手法に基づいて、ペットボトルの中身を飲み終わってからゴミとして捨てるまでを8つのプロセスに分解し、それぞれのプロセスの摩擦要因と燃料要因を話し合い、解決方法を考えました。
各グループから出されたアイデアは…
⭐ゴミ箱を廊下または執務室内に置く ⇒他の人が見える環境で捨ててもらう。
⭐ゴミ箱を給湯室に置く ⇒中身を洗ったらそのまま分別、廃棄ができるようにする。
⭐ゴミ箱をラベル→キャップ→ボトルの順に並べる ⇒一連の流れで分別、廃棄ができるようにする。
⭐ゴミ箱をスケルトン(透明)にする ⇒透明にして、捨てる人がきちんと分別していることが分かるようにする。
⭐ゴミ箱の近くにリサイクル施設の写真を貼る ⇒分別することが、リサイクルにきちんと繋がっていることを認識できるようにする。
⭐ボトルを洗うためのホースを給湯室の蛇口につける(洗う時の水の飛び散り防止)
などなど…。
ちなみにスケルトンゴミ箱のアイデアを考える際は、デザイナー視点のアドバイスもいただきました。
事務局としても学ぶことが多い研修でした。講師・アドバイスをしていただいたPolicyGarageの加藤様、坂部様、本当にありがとうございました!
第2部 プロジェクトのキックオフミーティングを行いました。
第1部の研修に続いて、キックオフミーティングを行い、今回のおしチャリナッジプロジェクトにまつわる「なぜ?」と、次回行うフィールド調査のやり方について、事務局からお伝えしました。
「なぜ?」
Q.そもそもなぜ「おしチャリ」なのか?
⇒令和6年春から、狛江駅前が歩行者中心の空間に変わるからです。
Q.狛江駅前の道路はこれからどうなるのか?
⇒駅前の一部の道路が歩行者専用道路に変更になります。
Q.なぜ今のタイミングでプロジェクトを立ち上げたのか?
⇒この秋から道路工事が始まり、仮囲いなどで通路が狭くなることから、おしチャリで歩行者の安全を守る必要があるためです。フィールド調査
次回は、おしチャリをしない (する)という行動の要因となっていること (もの?)や、ボトルネックとなっているところを見つけるため、狛江駅周辺の観察・通行者へのインタビューをするフィールド調査を行います。
そして、このミーティングの最後に、①南北通路でおしチャリが進んでいない要因、②駅周辺で安心安全・小さなコミュニケーションが達成されている・達成されない状態とはどういう状態か? の2つを、グループごとに考察してみました。
①南北通路でおしチャリが進んでいない要因は何か?
・歩道が広くて自転車で通りやすい。
・他に自転車に乗っている人がいる。
・通勤通学・送り迎えで急いでいる。etc…
②駅周辺を安心安全・小さなコミュニケーションが達成される・達成されない状態とは何か?
▼達成される状態
・明るい場所 (照明・雰囲気)
・見通しがいい。
・目的地になる。
▼達成されない状態
・人の流れがあって滞留したくない。
・人や自転車が多すぎて立ち話ができる場所がない。
・子どもやお年寄りのすぐ横を自転車がスピードを出して走っている。etc...
…なんだか、少しずつおしチャリが進まない要因が見えてきた気がします!
ということで、ついに始動したおしチャリナッジプロジェクト。
これからの半年間で、デザイナーさんやポリシーガレージさんの協力をいただきながら、おしチャリ促進に向けた施策の検討を進めます。
続報をお楽しみに!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?