映像編集者が撮影する映像

私は厳密に言うと映像編集者ではなく、ワンオペゆえに何でもやらなければならない(撮影・編集・MA・配信など)という役回りなのですが、今回、珍しく撮影だけの依頼がありました。世界3億人とも言われるプレイヤーの世界一を決めるタイトル戦 Ultimate Backgammon Chimpion の 2020 シーズン決勝戦です。コロナの影響の諸々で私のところに声が掛かりました。

主な主戦場の YouTube 生配信では短い設営時間から逆算して機材を最小限に絞らないとならない。今回は設営に3時間、しかも撮影だけ、ということで相当に余裕がある。

映像編集における一番の困りごとは「素材が少ない」ということである。編集というのは使わない部分をバッサバッサと切り落としていく作業であり、素材が多めにある分には全く構わない。一本の丸太から仏像を作り出していく作業と似ている。素材の全体から完成系をイメージし、リファインしていく。素材が少ないと「洗練させていく」という作業ができない。そうなると、海に流れ着いた流木をそのまま展示するようなものだ。

人に素材を渡す場合にはとにかく多めということを意識した方がいい。
そこそこの編集者なら多くの素材を目の前にしても困惑することなく、むしろ感謝してくれる。

他の人に聞いたわけじゃないけど、私はそう思っているので、今回の撮影仕事は多めに素材を用意した。カメラ9台。容量は300 GB ほど。

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これをクラウドに入れてクライアントに納品する。
クライアントがヨーロッパ人でクリスマス休暇もあるので細かい会話はしていないが、とりあえずアップロードを伝え返事だけもらっている。

実はこれが合計3日ある。12月に1回、1月に2回。
しかも少々間が空く。
つまりこれは何を意味しているかと言うと、毎回、セッティングをしなおしているということである。これは映像素材のおけるやっかいな問題を一つ発生させる。素材の色問題である。今回は同じ場所で同じライトセッティング(施設のライトのみ)なので、大きな差異は出ないはずであるが、それでも映像編集でカラーコレクションをしなければならない。
メインの映像素材は簡単にカラーコレクションしてから納品している。カラーチャートを用いているが、やはり現地の生の目でみた感覚というのは撮影者しか分からない。
そんなこんなで素材のエンコーディングをしていると、尺が長い映像なので時間がかかる。

相応のハイパワーPCが無ければ、映像編集者は務まらない。
でも、今やそれも家でできるようになっただけ技術の進歩に感謝したい。

来年もしっかり撮影しよう。

(@totheworld)

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