C1になっても日本在住でも、ドイツ語を続けてよかった
気付けばドイツ語学習歴10年目です。
Guten Tag も Danke も知らなかった私が「ハイジが好きだから」という理由でドイツ語が専門的に学べる大学に進学し、アルファベットからドイツ語勉強を開始したのは2014年のことでした。
正直、ドイツ語がキャリアに繋がるとは全く想像していなかったです(し、キャリアに繋げようという気持ちもありませんでした)。
そんな私の転機になったのは2017年、1年間のドイツ留学を経て帰国後、ゲーテC1試験に合格できたことでした。
初めて自分のレベルを客観的に証明できたことが自信につながり「ここまできたら何か仕事にできるかも?」と初めて思えた瞬間でした。
そこで始めたのが講師業であり、オンラインスクールVollmondを立ち上げ、今があります。
そんな私の人生を変えたとも言えるC1試験ですが、実際ドイツ語を教えてきて「いつかC1に!」と目標にされる方が多いレベルでもあります。
私の場合は完全初級〜C1に合格するまで合計約3年半かかりました。今は2023年なので、当時からさらに約6年、気付けば0からC1に至った以上の時間が経っていました。
今、自信を持って言えるのは、C1に合格するまでの3年半よりこの6年の方がドイツ語に真剣に向き合ってきました。
そして、日本在住でも、C1以上になっても、ドイツ語勉強をがんばってきてよかったと感じた瞬間が今年のドイツ滞在中に何度もあったので今日はいくつか紹介します。
できることが増えている自分の成長に気付く
勉強って成果がなかなか目に見えないですよね。
だからこそ、自分の成長に自分で気付けた瞬間は貴重で、嬉しいです。
C1コースで余裕を感じる
ドイツ滞在中、1ヶ月間ブレーメンの語学学校の夜間コースに通いました(2時間15分×週2)。
C2クラスはないためC1クラスで、通常の語学学校と同じく教科書に沿った授業を受けました。
宿題は特になく、授業内でLesen, Schreiben, Sprechen, Hörenをやっていく形式だったのですが、予習なしでも大きな問題なくついていけていることに気付いた時「あ、ちゃんと伸びていたんだ」と実感しました。
ちなみにドイツ留学中、B1コースにいた時は予習なしだと全くついていけませんでした(特にLesen)。
Hörenも通常授業では2回聴いて答え合わせをするのですが、ドイツ留学中は2回、3回聴いても分からないことも多かったです。
が、今回は1回聴いただけで「お〜分かる!問題解ける!」という状態に。
C1に受かってからも絶えず勉強は(むしろより真剣に)続けてきたので、C1の内容に躓かないことは当たり前といえば当たり前なのですが、普段生活しているとそういうのって分からないですよね。
なので、嬉しかったです。
そしてこちらのクラス、まさかの生徒が私ともう1人のみのほぼマンツーマンレッスンでした(正確に言うと何名かお試しで来たのですが、来なくなってしまいました)。
気になるもう1名の方はドイツで博士課程を卒業し、現在は現地企業でお仕事中。ドイツ語をブラッシュアップさせるためにコースに通っているとのことでした。
なので、彼女は大学入学前にTestDaF(C1相当)に合格しておりそこからずっと研究や日常でドイツ語を使う生活、私もずっと仕事でドイツ語に触れる生活。
これまでの環境は違えど今のドイツ語レベルはかなり類似していて、それがとてもいい刺激になりました。
彼女はLesenとSchreibenが私よりできて、その分私は(自己評価で恐縮ですが)文法とSprechenが得意。それぞれの得意が相手の苦手をうまく補いそれが刺激になる、とてもいいペアだったと思います。
おもしろいことにHörenだけは本当に全く同じくらいのレベル感で、先ほど1回の聞き取りで十分だったと書いたのですが彼女にとっても同じ様子でした。ただ2人とも数字の聞き取りとなると苦手で、数字が大量に出てきた回で「ドイツ語の数字って本当にややこしいよね」と笑い合えたのがいい思い出です。
自分と同じレベルのドイツ語学習者と一緒に勉強できる機会は社会人になってから皆無だったので、本当に嬉しかったです。
正直授業内容にはあまり満足できなかったのですが、彼女に出会えただけでよし!という気持ちになりました。
通訳ができる
プライベートでも仕事でも、通訳している時間が結構好きです。
私がいなければこのコミュニケーションは生まれなかったかもしれないと思うと毎回とても不思議な気持ちになります。
旅行・生活が楽しくなる
旅行の幅が広がる
今回の3ヶ月滞在で1番楽しかった思い出が、Cuxhavenという北ドイツの街に行ってレンタサイクルで海沿いを走ったことです。
海外からの観光客はほとんどいないドイツ人のためのバカンス地という感じだったのですが、特にそういう場所はドイツ語ができると選択肢がぐんと広がるように思います。
あとは、滞在中に招待してもらった音楽コンサートのMCが聞き取れたのもいい思い出です。
MCの人のジョークが分かって他の観客と同じタイミングで笑えるのが何より嬉しかったです。
ドイツ留学中、他の留学生が英語で話していてみんな笑っているのに私だけ何で笑っているのか分からなくて、でも何がおもしろいの?なんて聞けないしとりあえず一緒に笑っておく、みたいな場面が本当に辛かったのを今でも覚えています。(とは言っても英語のジョークは今もあまり理解できない気がしますが😅)
ストレスが減る
どれだけその国が好きだったとしても、慣れない環境にいるとすごくストレスがかかりますよね。
言語ができると、そういったストレスが軽減することを改めて感じたドイツ滞在でした。
小さなことだと、こういった手書きの注意書きがすぐに分かること。
大きなことだと、電車の緊急アナウンスが理解できること。
ドイツは電車の遅延・運休が多く、突如大切なアナウンスが流れてくることが多いです。
トラブル対応ができる
旅行・生活にはトラブルがつきもの。
そんな時に自分ひとりで一通り対応できる状態って楽だなと感じることが多いです(もちろん頼ったら快く助けてくれる方ばかりなのですが、一人でもできる"けど"頼るのか、一人ではできない"から"頼るのかは大きな違いに思います)。
今回あった大きめのトラブルは3つ。
①ブレーメンの家に住んで2日目くらいにシャワーヘッドが取れて戻らなくなり、Airbnbでホストに状況説明。
→修理のKlempnerさんを呼んでもらい諸々の対応。
ちなみに来てくれたKlempnerさんは英語がほとんどできない方でした。ドイツ人は英語OKな人も多いですが、やはり全員ではないのでドイツ語ができるとより安心だと思います。
②その後10日ほど滞在予定だった別の家でまた水回りのトラブル発生。トイレ・シャワーが使えない状態に(めっちゃ困りました)。
Airbnb経由でホストと連絡
→呼んでもらったKlempnerさんと話して諸々対応
→結果直らず、Airbnb社の担当者とドイツ語で30分ほど電話で今後の緊急相談
→結果、急遽家探しでその日のうちに引っ越し(その間も色々なやり取り)
という怒涛の半日でした。
Klempnerっていう単語、もう二度と忘れないと思います(笑)
③1ヶ月通った語学学校に返金申請
本来予定されていた8回の授業のうち2回は先生の都合で開講されませんでした。
休み分の振替もなかったため、2回分の授業料を返金してほしい旨を連絡しました。正直このやり取りがとても面倒だったのですが、最終的には無事に返金してもらえました。
現地の人とコミュニケーションが取れる
友だちとの会話
普段は会えないドイツ人の友だちと久しぶりに会って会話する時間はやっぱり特別です。
私は英語を聞く・話すのはそんなに得意ではないので、日本語には及ばないけれどそれなりにコミュニケーションが取れる他の共通言語があってよかったとよく感じます。
(とはいえはじめからできたわけではもちろんないので、初期のできないことの方が多かった頃から辛抱強く友だちでいてくれる彼らには本当に感謝しています…!)
ホストファミリーとの会話
ドイツ留学中お世話になったホストファミリーの子どもたちと会うたびに「ドイツ語ができてよかった」と感じます。
小学校低学年くらいまでは子どもたちとのコミュニケーションには言語が及ぼす影響はそこまで大きくない印象でしたが、成長するにつれて対話相手であるこちらがドイツ語を話せる・理解しているということが子どもとの関係に大きな意味を持つようになったと実感しています。
子どもたちが寝静まったあと、ファミリーのママ・パパとゆっくり色んなことを話せる時間もとても好きです。
Airbnbのホストと話す
先ほど出てきたトラブル②の末急遽見つけた新しいお家は、ありがたいことにとても快適な素敵空間でした。
ホストの方がとても優しく、短い時間でしたがお話しできたのもいい思い出です。「どうしてそんなにドイツ語が上手なの!」と言ってもらえたのも嬉しかったです。
ドイツ語が分かるからこそ傷付くこともありますよね。
この時の私はトラブル続きでかなり疲れていたのですが、明るくて優しい彼女と話せたことがすごく心の支えになりました。
最終的には何だかんだドイツ語に助けられることも多いです。
お店の人との何気ない会話
この素敵なアパートの近くに、これまた素敵な雰囲気のチーズ屋さんを発見しました。
でも帰国間近だったのでチーズを今買っても食べきれないなあ… と思っていたのですが、表に出ていた看板に「手作りケーキも販売中」の文字を発見。
ケーキならいける!と思い買うことにしました。
そこのお店のオーナーさんがそれはもう紳士的で優しくて、色々お話しもしてすごく幸せな数分間でした。「あなたのドイツ語は完璧だ!」と言われ、お世辞だとしても嬉しい一言でした。
あとは、最終日に荷物を日本に郵送するために行った郵便局でのやり取りも印象に残っています。
クレジットカードで払いたい私
「無理だったら現金で払うので一度カードを試してみたい」
機械が古いので多分無理だと主張するお姉さん
「別にいいけど無理だと思う。もしこれでいけたら一杯コーヒーご馳走するね!」
結果、お姉さんの主張通り無理でした(笑)
が、こういうちょっとしたユーモアのあるやり取りが発生する・分かるっていいなあと感じた瞬間でもありました。
と、ここまで私が1番直近で「日本でも、C1以上になっても、ドイツ語を勉強し続けてよかった」と感じたエピソードでした。
(日本で生活していても感じることはあるのですが、最近までドイツにいた関係でドイツ滞在エピソードのみとなってしまいました😅)
改めて、C1や試験合格はゴールではなく、終わりのない言語学習の通過点であることをしみじみ感じます。
ここからさらに5年後、10年後にどんな景色が見えるのか、もうすでに楽しみです☺️
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