黄昏の橋を渡れない男_12


アキラは、自分を取り囲む救助隊員たちの顔をぼんやりと見つめながら、深い羞恥心に襲われた。
こんなにも多くの人たちが自分一人のためにここにいるという事実に、彼はどう対峙していいかわからなかった。
彼らは彼の命を救うために尽力してくれているのに、彼自身はその命を絶とうとしていたのだから。
「こんなにも多くの人が…」アキラの心の中は複雑な感情で渦巻いていた。
彼は救助されることに感謝すべきなのか、それとも自分がこんなにも迷惑をかけてしまったことに恥じ入るべきなのか。
その答えを見つけることができず、ただただ、救助隊員たちの顔を見ることしかできなかった。
「なんで…」アキラの声はかすかなささやきに過ぎなかった。 しかし、その言葉は彼の内に秘めた深い羞恥と後悔の感情を含んでいた。
彼は自分の弱さ、自分の選択によってこんなにも多くの人を巻き込んでしまったことに、深く深く苦悩していた。
その瞬間、アキラは自分の存在がこんなにも多くの人々の労力と時間を要するものだとは思ってもみなかった。
彼の生きる価値、彼の存在意義について、今まで以上に深く考えさせられることになった。
それは彼にとって、これからの人生をどう生きていくかについて、新たな視点を与える出来事となったのは時間が経った後の事だ。

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