働かないの
無職生活が半年を越えてきました。
仕事をしていない、どこかに属していないってどんな気持ちなるんだろうと退職する前は
よくネットで『退職後 生活 暇』とか
『無職 孤独 やりたいこと』のワードで検索していました。
やっぱりそうかと想像通りの内容が多かった気がします。
実際「無職生活」「専業主婦生活」はどうかというと、語弊を恐れずにいうと『最高に自由で豊か』のひと言です。
テレビやネットで活躍している人や、
イキイキとやり甲斐のある仕事をしている人たちを目にすると、うらやましく思ったり自分にはもう手に入らない境遇だわと卑屈に感じたりすることもありますが、人の物は良く見えてしまうもので、その人の努力や労力を度外視していることに思いが至ると、その方の生きるエネルギーや手に入れられたものへの賞賛に変わります。
「無職」や「専業主婦」や「定年退職」といった単語から受けるイメージは、どちらかと言えばマイナスのものの方が大きいとおもいます。
でもマイナスではなくて
それらの単語から「豊かな時間を手に入れられる」というプラスのイメージに変換される世の中になって欲しいなと思います。
人としての生活をちゃんと送れることが
こんなにも満ち足りて素晴らしいものなのかと驚くほどです。
朝食をゆっくりとり晴れた日には洗濯物を外に干し、夕方から晩ご飯の用意をして家族と一緒に夕食をとる。夜はゆっくり本を読んだり刺繍をしたり。そしてお風呂に入って就寝する。
あたりまえの日常生活ですが、会社の為に心身を酷使していた私にとっては味わったことのない初体験ともいえる豊かさでした。
群ようこさんの『働かないの れんげ草物語』は大企業を退職して、なにもしないことを選んだ47歳の一人暮らしの女性が主人公の物語です。無職生活で月10万円でやりくりする。
何者かになろうとするのをやめ、散歩や読書や刺繍をして生活を楽しむお話しです。
退職前に検索した時に、この本がヒットしていたらもっと早く退職しただろうなと思いました。どなたでもほっこり穏やかな日常を擬似体験できる優しい本です。