次女の危機一髪、4選
私には娘が二人いる。
長女はストイックで、向上心のかたまり。
今でこそしっかり者のだが、中学生になるまではファンタジーの国の住人で、あまたの伝説を残す不思議ちゃんだった。
、、、いやいや。
今回は長女ではない。
長女のおかしな話はいくらでもあるが、今回は次女だ。
次女は愛されキャラ。
親切で、一生懸命、いつもニコニコ。
数学と物理、化学が得意な理系女子。
本音をズバッと言う、裏表のない性格。
長女の数学の成績がイマイチの時、「数学が分からない人が分からない」と言い放った。(嫌味ではなく、ホントにそう思うらしい)
読書はしない。(「かいけつゾロリ」で彼女の読書は止まっている、、、)
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先日、長女の事をnoteに書いた。
すると、次女が「私のはいつ?」と。
なにやら私のnoteに登場するのを少々楽しみにしている様子(笑)
え?書いていいの?
次女も大人になったんだな。
なにから書こうか?
、、、迷うなぁ。
書くことが無いのではない。
親の私が言うのもアレだが、次女はいい子なのだ。
性格もいいし、容姿もまあまあ。
頭もキレる、だけど偉そうにもしない。
愛されキャラのいい子ちゃん伝説しかないのだ。
そんなのを書いても面白いか?
否。
ちっとも面白くない(笑)
27歳の次女の半生は、大きな挫折もなければ、たいした反抗期もない。
穏やかな小波の人生。
そんな彼女の人生だけど、危機が4回ある。
次女のハナシにこれを書かずして何を書く!
題して、『次女の危機一髪、4選』
(少々長めですが、お付き合いいただけると嬉しいです。)
1話【産まれない】
次女の出産予定日まで2日に迫った、夏の日。
朝、トイレにいくと、ん?
感覚のない尿漏れ?、、、破水か?
急いで病院に行くと、確かに羊水の反応がでている、と。
たぶん破れた位置の具合で、大量の破水になってない。
でも破水は破水、羊水は時間と共に濁ってくる。
そんなこんなで入院となり、陣痛室に入れられて、待ったなしの陣痛促進剤が始まった。
陣痛促進剤を点滴すると、その間は陣痛が来るのだっけれど、終わると陣痛も終わる。
早く赤ちゃんを出さなきゃ、羊水が濁ってお腹の赤ちゃんが危ない!
「もう、タイムリミットです!」
4日目の促進剤も効果なく、緊急帝王切開になった私。
その間、私の横を7人の妊婦さんが子を産んで通り過ぎて行った、、、。
お先にどうぞ。
次女はのんびりしている。
産まれる時からのんびりの、体重も3635gの、文字通りの大物だった(笑)
2話【魔の(間の)両国駅】
次女が3歳の誕生日。
初めて家族で東京旅行をした。
誕生日はTDL、大興奮だった。
誕生日の翌日、大江戸博物館に行き、その帰りのこと。
両国駅で電車を待っていた。
ホームに電車が到着し、私の前を長女と次女が乗り込んだ瞬間。
、、、次女が消えた!
電車とホームの間に次女が落ちてしまった!
、、、いや、落ちたかに見えた次女は、両手で電車の端を掴んでぶら下がっていた。
「せーの!」
この時ほどオットと気が合ったことは、もう後にも先にも無い。
私とオットで両手首を掴み、電車内に引き上げた。
その瞬間、電車のドアがプシューっと閉まった。
車内に拍手が沸いた。
電車とホームの間は3歳児が落ちるほどの隙間ではなかったのに、落ちてしまった。
次女を引き上げると、白いオーバーオールが真っ黒に汚れていた。
でも奇跡的に助かった。
運動神経の良い、握力の強い子で良かった、、、。
あれから一度も両国には行っていない。
そして、その後何年も、電車に乗る時は必ず手を繋いだ。
3話【浮き輪がない】
次女が年中の夏休み。
オットの弟家族と島根県の浜田に海水浴に行った。
その時娘たちはスイミングを始めたばかり。
まだバタ足が出来るくらい。
浜田海水浴場は日本海だから波は荒いけど、バーベキューもできるし、監視台に監視員もいる人気の海水浴場だった。
私と浮き輪をしていた次女が二人で浅瀬を泳いでいた時。
大きな波が来て、急に浮き輪が波に持っていかれてしまった。
あれぇえええーーーー!
その瞬間、今度は引き波であっという間に沖に流されてしまった。
浮き輪のない次女と私。
今でもよく覚えている。
すべてがスローモーションになって、ヤバい、ここで私たち死んじゃう?、と思った。
「泳いで!泳いで!」
私は泳ぎだけは自信があったけど、泳げない5歳児を抱えて荒波の日本海で浜にたどり着けるか、、、
どう考えても絶体絶命。
でも助けなきゃ!
「バタバタして!バタバタして!」
次女のバタ足に望みをかけ、次女の身体を支えながら、必死で立ち泳ぎをする私。
「助けてー!」と叫んだ気がするけど覚えていない。
「掴まってください」
イケメン(に見えた気がする!)がサーフボードを一枚持って助けに来てくれた。
次女を乗せ、私はボードにつかまって、イケメン軍団(だった気がする!)が砂浜まで引っ張ってくれた。
浜に着くと、仲間のイケメンが浮き輪を回収してくれていた、、、。
神さま、イケメン軍団、ありがとう。
こんな体験をしたにも関わらず、次女は6年生まで水泳をし、高校は水泳部。
新婚旅行はジンベイザメと泳いでいる、、、。
4話【スカート破れてる】
3度の危機一髪にも負けず、次女はすくすくと成長。
最後の危機は、一人暮らしをする大学4年生、就活での出来事。
2018年7月6日。
大雨の中、次女が家に帰ってきた。
就活の大本命、ある会社の3次選考(集団面接)を一週間後にひかえ、口下手な次女の面接練習を一緒にする予定だった。
(過保護です、はい。)
バケツをひっくり返したような雨はもう何日も降り続いていた。
そして翌朝、この大雨の被害があらわになった。
西日本豪雨である。
(この話を書くと長くなるので割愛する。)
広島県内各地で土砂災害があり、JRはもとより道路も寸断され、身動きが取れない状態になった。
さて、困った。
あちこち土砂崩れだらけで、次女は大学に戻れない。
就活の3次選考は金曜日に迫っている。
就活スーツも書類も大学に残したまま帰省しているし。
試験会場の広島市内まで通行手段が無いし。
マジで、どうしよう?
水曜日、主要な道路が片側交互で開通し始めた。
「スーツと書類、取りに行く?」
「行こうか。」
家にいても仕方ない。
大渋滞の中、次女のアパートに向かった。
大急ぎで就活スーツ、カバン、パンプス、大事な書類を持って、また大渋滞の中を運転しなんとか家に帰った。
その日の夜、次女と二人、車で広島市内に向かった。
昼間だと何時間かかるかわからないので、移動は夜だ。
やっとこさ、広島市内にたどり着いた。
もう安心、これで就職試験が受けられる!
翌朝。
こんな目に合っても、なんとか試験にこぎつけた。
もう、受かる気しかしない。
次女がスーツに着替えると、、、
え?スカートのスリットが10cmほつれている!
、、、オワタ。
次女よ、なんでこんなスーツを手に取ったんだ。
このスーツ以外に服はなにも無い。
買いに行っても間に合わない。
いや待て、落ち着け。
「次女ちゃん、ホッチキスある?」
「!!!、あるよ!」
長年、娘たちのバレエの衣装を作っていた経験は、ここで生かされるためにあったのか。
絶対に衣装でやってはいけないことだけど、ハプニングで破れた時に密かにしていたワザ。
縫い代をホッチキスでガチガチに閉じてみた。
なんとか取り繕うことに成功。
「絶対に面接の椅子座るまで立っといてよ。バスの中でも座ったらダメよ。」
「はい!」
次女は絶体絶命の一週間を乗り越えて、4次選考も突破して、現在もその会社に勤めている。
次女の、4つの危機一髪。
子育てのエピソードは小波の次女だけど。
いかがです?
なかなか強運の持ち主でしょ(笑)
皆さんは危機一髪の経験、ありますか?
長女の話はコチラ。