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『北欧見聞録』?、いやいやオバチャンの独り言。

私の北欧旅行。
とうとう終わっちゃったなぁ〜。

自分へのお土産の一部😊

北欧各国では、まさに非日常の体験をしてきた。すべてが貴重な経験だったのだけど、それと同じくらいのインパクトが、各地のガイドさんから聞いた話だった。
国の気候や規模、国民性や価値観など、たくさんの違いはあって単純に比較できないのは当たり前なんだけど。
「へえ~」という印象的な話もあって、色々考えさせられたので。
今回はそのお話。
ちょっと長くなるけど、ご容赦を。

テーマは、”幸福な国ってなんだ?”


北欧はアイスランドも含めると5ヶ国、全ての国が幸福度ランキングの10位内という、、、。
何がそんなに幸せなんだ?

どの国も税金は高いんだよね?
でも福祉が手厚く、子育てもしやすいんだよね?
老後も安心なんでしょ。

渡航前の私の北欧に対するイメージは、それくらいの薄っぺらい表面的なもの、、、。

ノルウェーのガイドさんのハナシ

ハダンゲルヴィッダ(高原)という国立公園。
雪と氷の青白い氷の世界だ。

ハダンゲルヴィッダ

空気はおいしい。
サマーハウスもたくさんあって、夏は賑やかそうだ。
しかし、普通に住んでいる気配(車がある)もある。
生計は?、子どもの学校は?
私には気になることがたくさんだった。

ノルウェーの人口は600万人足らず。
そんな人口でこんなに広い国を支えるんだから、この国の常識は日本とは違う。

例えば、鉄道。
駅に改札自体がない。切符を確認する駅員の配置はおろか改札のゲートもない。
(基本的に真面目な国民性、キセルには法外な罰金を掛けて抑止している)

例えば、学校。
田舎にはそもそも学校はない。学校を造るのも維持するのも先生を常駐させるのも税金と人材が必要。
だが、なにしろ人がいないし、税金は効率的に使わなければならない。
だから、田舎は(コロナの前から)リモート授業があたりまえだ。


なんか、驚きません?

日本のJRも地方では無人駅はよくある。
駅員さんはいるけど、「みどりの窓口」がなくなっていることも少なくない。
皆さんは新幹線の切符を買う時、どうやって買うだろうか?
私世代は券売機、ネットでもギリ買える。
だけど、親世代は「みどりの窓口」頼みが多いのではないだろか。
ノルウェーだと駅に駅員さんがいないのだ。
、、、どうする、親世代。

日本も人口減少社会、いつかは改札も無人になるんだろうか。

こんな大きな観光地の駅も無人で、
改札のゲートも無い。


学校に関しても、合理的すぎて驚いた。
日本だと、子どもがいれば地域として学校はどうにかこうにか維持しよう、維持するべき、という固定概念。
もし、我が家の居住地が過疎傾向にあって、就学児童がいなくなりそうだとしたら?
、、、それでも地域のシンボル的に学校は欲しいかなぁ。
(私も固定概念派か、、、)
でも、こんなに広い国では、点在する集落ごとに学校なんて難しいよね。

学校ってなんだ?
守るべきは学校システムか、子どもの学力か。

このあたりの仕事は、夏は酪農、林業、観光業など。
冬はいわゆる出稼ぎで、(仕事を季節で使い分ける)ダブルワーク。
人口が少ないから、夫婦はほぼ共働き。
高福祉を実現するために国民は高い税金を払うために基本みんな働くのだ。

子どもを出産してもタダ。
しかし、出産したら即日退院。
産後1ヶ月半で仕事復帰をする。
子どもが病気の時は、国が給料を保証しお休みできる。

考え方がとてもシンプルだ。
とにかく国民は働こう。自分のため、国のため。
病気になったら国が守る。

だけど、怖い話もしてくれた。
出産は無料で、妊娠したら診察も無料。
でも診察は妊娠した時だけで、極端な話、「じゃあ、次は産まれそうになったら来てください。」だそうだ。
日本の丁寧な妊婦ケアとは全く異なる。
だから、最近は民間の産院も人気なんだとか、、、。
(日本は、これでもかと診察してくれるし、産後のケアも抜かりない。安心安全!)


共働きだから、食事準備に時間はかけない。
簡単なもの(素材の良さを生かした簡単な料理)を食べる。
そもそも食事を楽しむ文化は薄い。
食事は生きぬくためのもの、という意味合いが強い。

私は北欧のシンプルな食べ方がわりと好きだし、性に合っていた。
黒パンにチーズ、サラミ、ピクルスなどを挟んでいただく。
素材は間違いないし、添加物も少なそうで体にもいい。

私はこの朝食スタイルが大好きかも。

それと対極にあるのが日本食(日本料理)なのかも。
日本人の和食の歴史、技、盛り付け。
これは日本の文化だ。
と同時に、長年女性が家庭に入り手間隙を掛けてこしらえてきた家庭料理の文化だ。

でも、今や日本も共働きの時代。
食に対する考え方はこれから先は変わってくるのだろうか。
(いや、すでに変わりつつあるのか?)

余談だけど。
私は台湾とか行くと、やれB級グルメだ、映えスイーツだと、食べなきゃ損!みたいな気持ちになる。
今回の北欧は、ソレがなかったのが良かった!笑


長い冬を過ごす(耐える)には、家の中をいかに快適にするかが大切。
だから、ノルウェーは家の造り(設備)にお金をかける。
キャンドルを灯し、安らぎを大切にする。
温かみのある生活を望むので、だから北欧はテキスタイルが発達している。

一般の民家を見ずしてホテルだけで語る私もいかがなものか、だが。
どこのホテルもシャビーだったり、モダンだったり。
とにかく間接照明が素敵だった。
就寝に備えては段階的に明かりを落としていくというノルウェーの生活。
帰国してから気になる我が家の照明。
(蛍光色がむだに明るい、、、。)
食器も明るい柄が多いのは、食卓を華やかに、キッチンを明るくする効果を狙っているのか。

ちなみに。
長い冬を過ごす為に、北欧はアルコール依存症率が高いそうだ。
厳しい気候でおうち時間が長いと、、、お酒はほどほどにしないとねぇ。


ストックホルムのガイドさんのハナシ

スウェーデンの若者は18歳成人で、成人したら家から出るそうだ。
(それが子育ての成功らしい。)
大学は公立だけで、私学がない。
公立だからもちろん無料なんだけど、全員行ける訳でもない。
頑張って勉強して晴れて大学生になると、待ち受けるのが下宿問題。
大学生は学費はタダだけど、生活費は自分で稼ぐそうだ。(親は援助しないらしい。)
ところが、昨今の北欧の物価高騰が大学生を直撃しているらしい。
北欧は社会人だとお給料もそれなりの高収入だけど、学生の身で勉強の合間でアルバイトで生計を立てるには厳しい現状のようだ。

なんだか耳の痛い話、、、。
かつての私も、アルバイトは自分のお小遣いだった。

ヘルシンキのガイドさんのハナシ

ヘルシンキ交通局では、6歳以下の子どもを連れて公共交通機関を利用すると、子どもはもちろん大人も無料らしい。
理由は、子どもを携えての移動で、券売機で切符を買う際の少しの時間も子どもから目を離すことがないようにという理由らしい。

これは子育て世代目線で考えても、公共交通機関の利用拡大にも、またSDGsも視点からも、非常に良いなあと思った。
ただでさえ荷物多めの子どもとの移動に、切符を買う時にお財布を探して焦っていたかつての私。

ノルウェーの鉄道事情も参考に、日本もなにかしら変化しなければならない局面にいるんじゃないか、と思う。

さて、日本は?

以上、ガイドさんから伺った話の一部を紹介してみた。

「さすが北欧、幸福度ランキングの上位だけはある!」
「いやいやいや、そんなん無理よ。日本には当てはまらないよ。」
どちらも思ったことだ。


だけど、(私を含めて)日本人の意識が変わらねばならないことが確実に一つある、と思う。

それは、クレジットカード(タッチ決済)だ。

今回の旅行に際して、4カ国分の現金を用意して渡航した。
結果は、空港のカフェとお土産屋さんで無理やり使っただけ。
どんな田舎も、クレジット不可は一回もなかった。
むしろ、田舎のほうが無人売店とかあって、クレカでないと成り立たないようだった。

お手洗いもそうだ。
有料のお手洗いはクレカでなければ使用できない。
現金を受け取ってくださる係りの人はいないのだ。
(30年以上前、中国に行った時は、お手洗いの入口に係の方がいて、お金を払うとトイレットペーパーを渡してくれた、、、)

日本もいたるところで過疎化は進んでいる。
現金払いをやめてしまえば、どこにでも人がいなくても無人で店が作れそうだと思った。
もちろん今すぐではないし、乱暴な考え方だと思う。私だって、現金派の人だし、、、。

外国に行くと、いつも色々考える。
日本は本当にいい国だ。
安全で清潔で、便利で気配りがある。
でも、そんなに便利にしなくても、もっと効率的でもいいんじゃないかと。
人口の少ない国を見聞してきて、日本も多かれ少なかれこちらにシフトしていかねばならないのなら、もうそろそろ覚悟して不便を受容する素地をつくっていくべきか、と。

かくいう私自身が重度のデジタル難民なんだけど、、、。



ただのオバチャンが長々と語ってしまい、失礼しました。
北欧旅行記は全7話。コチラにあります。

次回からは、またタダのアラ還主婦のnoteに戻ります。
よろしくお願いしま~す(笑)

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