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世界最大の”eスポーツ大国”となった中国

その人口規模ゆえか…
はたまたその独自性ゆえか…
話題には事欠かない中国経済。

その中でも近年ひと際注目を集めている市場がある。
それが【eスポーツ市場】である。

■コロナ禍でも止まらない成長

世界的な新型コロナウイルス感染拡大にもかかわらず、中国では2020年1~6月期のeスポーツの市場規模(営業収入)が前年同期比54.69%増の719億3600万元(約1兆1500億円)に達した。

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同時に、ユーザー数も前年同期比で9.94%増加し、4億8400万人を突破している。これは驚くべきことに、実に3人に1人がeスポーツを楽しんでいるという計算となる。(「2020年1~6月中国ゲーム産業報告」より)

このeスポーツ人気の急騰を受け、2003年には中国政府がeスポーツを第99番目のスポーツ種目として正式に承認。
さらに近年では、2019年に中国伝媒大学・上海戯劇学院・上海体育学院などの5校と18の専門学校でeスポーツ専門の学部を設置するなど、育成機関も充実しつつある。

■世界的eスポーツ大国の誕生

実は中国は、すでに10年以上のeスポーツの歴史を持ち、これまでずっと世界を牽引してきたeスポーツ先進国としての顔を持つ。

この中国におけるeスポーツ人気は、2000年代に「ウォークラフト」ゲームシリーズが流行したことに端を発する。
その後、2005年にeスポーツの世界大会「World Cyber Games(ワールドサイバーゲームズ、略称:WCG)※」にて中国選手が優勝したことで、eスポーツ人気は国民的なものになった。

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なお、中国におけるeスポーツの火付け役となったのは、大学生を中心とする若者たちであり、当時は若者が多く集まる大学寮は昼夜問わずeスポーツを楽しむ大学生であふれていたそうだ。
この大学生たちにおける人気爆発は、中国eスポーツにおける強固な基盤となり、後のeスポーツ大国中国誕生へと繋がっていくことになった。

※World Cyber Games(ワールドサイバーゲームズ)とは

世界中のeスポーツ選手が複数のゲームタイトルにおいて様々な競技を行う、国際的なeスポーツ大会。eスポーツオリンピックとしても知られ、オリンピックなどの伝統的なスポーツ大会に倣い、大会では開会式が行われ、金メダルや銀メダル、銅メダルを目指して様々な国の選手たちが競技する。

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■新しいビジネスの誕生

現在中国では、eスポーツが様々な産業と協業することで新しいビジネスが生み出され、ますます多様化が進んでいる。

その中で特筆すべきは、「闘魚(DouYu、ドウユウ)」や「bilibili(ビリビリ)」などのオンライン配信・観戦プラットフォームとの協業である。
「プレー実況」などの人気コンテンツが誕生したことで、eスポーツ観戦者数は飛躍的に増加し、一般層への認知拡大にも多大な貢献を果たした。

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さらに2020年代に入ると、各プラットフォームが積極的にプロチームや選手との契約を始めたことで、職業としての「eスポーツ選手」も広く知られることとなった。

また、配信業界以外に目を向けると、不動産業との協業が見逃せない。
中国政府の支援のもと、各地で「eスポーツ特区」が作られ、地方の産業改革や商業不動産関連のビジネスに好影響を与えている。

例えば杭州では、政府がeスポーツ産業優遇策を打ち出し、杭州のeスポーツ特区にeスポーツ専用スタジアムを建設したほか、ホテルやeスポーツ教育施設などの企業を誘致している。

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またeスポーツ特区に関しては、中心に周辺の不動産価値が上昇し、土地取引に伴う政府の収入増加に繋がっていることも重要なポイントである。

このように中国におけるeスポーツ隆盛の背景には、政府の支援を受けた様々な産業のeスポーツ市場参入が大きく関係している。

現在、中国のeスポーツ関連企業は1万社を超え、200以上の都市に及ぶ。
北米を上回り世界最大のeスポーツ市場となった中国の動向からは今後も目が離せない。

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