フロ庭通信! No.16
稽古も大詰め!!
第16回はトモツグ役、大西敦司さん!
大西敦司
1998年11月5日生まれ。24歳なりたて。
兵庫県出身。
見た目の雰囲気からか、若手らしからぬ言動からかアラサーによく間違われます。
よくキレたり命を奪い奪われ穏やかじゃない役が多いです。
声と指の細さだけは褒められます。
芝居への飽くなき向上心とさらなる可能性、活躍の場を求めて最近ちょっとがんばってます。
虚空旅団さんには今回初めて出させていただきます。穏やかです。皆さんの胸をお借りして頑張ります。
— 通し稽古も終わりましたが、いかがでしょうか。
意外と……焦りみたいなのは全然なくて。他の舞台とか出てても、まだこういうことやらなあかんなとか結構あるんですけど(今回は)なんやろ、なんかいけそうやなって(笑い)もちろん、今後の稽古で詰めていかなあかん部分はあるんですけど、なんか不思議と。自分が、とかいうよりも、全体的に。なんか既に、いい作品になるんやろうなって。初通しの時点で、わかった感じするから。全然、焦りとか緊張?不安がないです。もちろん、今でオッケーとかじゃなくて、今後お客さんに見せるまでの間に、ブラッシュアップして、より良い作品にはしていかなあかんなとは思うけど、そうなるなって。いい作品なるなって、予感がしてます。
— 今作品の見所は?
まずは、話の舞台として看護学校の学生さんの話で。それも、まあ実習の話も出てきますけど、実習を実際してる様子じゃなくて、その裏側というかその合間というか、問題をバックヤードで話してることろを見れるっていうのが、すごく面白いところやなとは思います。
あとは、(この作品は)人数が多くてたくさん人が出てるシーンももちろんあるんですけど、シーンごとは、このグループ、このグループって、ピンポイントでピックアップされてるようなシーンも多い。それぞれが抱えてる悩みとか問題とか、逆に希望とかをそれぞれ持ってて。それこそ……いろんな人たちが見れるなっていうのがすごく面白いなって思うし。もちろん、グループで頑張ってる様子もあるけど、そんなかでも、人間関係のいざこざがあったりとか、恋愛のベクトルがこっちに向いてたり、向いてなかったりとか。
あとは、みんなでがんばるぞ!って人だけじゃなくて、困難があったりとか、やめちゃう人がおったりとか。そういうのも、全部あるから……リアリティがありますよね。リアルでも、学校とかでも、全員が全員同じテンションでやれてるわけじゃない。やっぱり、熱量の違いとか、どこに向かって頑張ってるか、そして頑張れなかった人もいるっていうのがある。そういうのは見てて面白いんじゃないかなって思うし。医療従事者の方が見ても自分も学校行ってた時こんなんやったなってなるかもしれないし、そうじゃない人でも、自分が学生時代の頃とか、部活動の話でも結構被ったりすると思うんで。意外と、医療従事者の人たちも同じような感じなんかなとか。あとは会社員してる人でも、上司部下の関係でなんかこういうのあるわとか、どんな人が見ても共感できるとこがあると思う。医療従事者と自分とかは(医療従事者の方にとって)業務上でのやり取りでしか接したことないけど、同じような苦労とか悩みを持って、現場に立ってはるんかなってわかるんじゃないかなって思うんで。そういうところはぜひ見て欲しいなって思うし。あ、このシーンのこういうとかわかるわ、とか。このひとのこういう気持ちわかるわとか。そういうところ見つけて、楽しんで欲しいなと思います。
— トモツグの人物像
まず、看護学生が主体の舞台ですけど、トモツグは看護学生じゃなくて海上保安学校の、海猿って呼ばれてるところの人間。で、カズヒコの同期、それも中学の時からの友達で。どんな人……一言で言うと、めっちゃええやつやなって。そんなに、台詞とかでは出てないですけど、なんかね、めっちゃ優しいやろうし、めっちゃいいやつなんやろなっては、思ってて。
まあ、辞めるんですね、トモツグさんは。辞めるんやけど、その辞める理由も、例えば勉強ができひんとか、肉体的にしんどいとか、そういうのじゃ全くなくて。この仕事でほんとに自分は納得して仕事していけるんか。そういう悩みで辞めていきはるから。なんていうか、ただしんどいから辞めるとかじゃないんですよ。ちゃんと、先のことをめっちゃ考えてる人。いいやつやし、周りの人よりもすごく……考え込むタイプの人なんかなって。同じような境遇の人でも、あんまそこ悩まへんのちゃうかってとこ悩んだりする。考えすぎちゃうんやろなって。かつ、こいつ(トモツグ)は辞めることに対してネガティブな印象持ってないと思ってて。それで働くくらいやったら、辞めた方が周りも自分もええやろなってとこに落ち着いてるんちゃうかなって。
あとは、台詞にあるんですけど、相手が弱音を見せたときにトモツグは「そうよな」って言える人なんですよ。そういうところに人柄って出るなって思うんですけど。例えばヒデオとかは、向いてへんよなって言う人に向かって、いやいや向いてるよって言える子。決してそれが悪いとかじゃなくて、それも優しさやし。多分、ヒデオの場合は、励ましの優しさ。だけどトモツグの場合は、相手に寄り添ってる優しさ。それってあんまりおらんと思ってて。ほんとに、相手のこともわかって、寄り添ってあげれる優しさを持ってる人じゃないとこうは言えないと思うんで。
この子がなんで海上保安学校に入ったんかなっていうのは、結構考えてて。辞めた理由は、台詞に出てくるんですけど、入った理由っていうのは描かれてなくて。描かれてないけど、自分の中では持ってた方が、演じる中でしっくりくるんちゃうかなとは思ってて。
海上保安学校って、必ず誰もが通る道、とかではないと思うんです。僕も就職活動とかしてましたけど……自衛隊とか、警察とかは、まだわかるんです。そういうのもあるよなって。けど海上保安員って選択肢って、自分から探しに行かんと普通に生きてても行きあたらないところだなと思っていて。で、トモツグの場合は、カズヒコがキーだと思う。ていうのも、トモツグは、人に寄り添うところがあるから、現状自分の意見とかは、人に合わせるタイプなんじゃないかなって。カズヒコに行こうやって言われて、入ったくらいのレベルの感じかもなって。だから、辞めるときに、カズヒコに言わなかったんかなって。中学からの友達で、海上保安学校に誘われて、人の役にも立てるし、悪くないかなって、入って。人の役に立ちたいなって普通に頑張って、でもやっていく中で引っかかるところも出てきて。でも、一緒に入ったカズヒコに対して、辞めづらさもあるとは思うんです。それでも、引っかかりを抱えたまま働くんも違うなってなって。でもそこでカズヒコに相談すると、あいつ(カズヒコ)はたぶん「がんばろうや」って言う人で。そしたらトモツグは、頑張っちゃうんだと思う。だからとりあえず、カズヒコというキーを捨てようって。友達をやめるとかじゃなくて。自分で、決めるために。カズヒコに言わずに、辞めて、自分の意志でこれからを決めようって。ことなんじゃないかなって。
— めっちゃええやつ、トモツグ。彼とあっちゃんの共通点は?
めっちゃ優しくて、ええやつっていうのは、完全に僕と一致してますね(笑い)冗談です。でも、わりと近い気はしてて。自分の中のそういう部分を見つけて、やってるから、近くなってる気もするけど……多分同年代の中でも、トモツグは若干、子供っぽくないっていうか。考えがちょっと深い。僕自身が思慮深いとかそういうことじゃなくて、僕もわりと、年相応には見られないから。もっと年上やと思ってたとかって、結構言われる。言動とかは学生らしいと思うけど、考えすぎちゃうところとかは、似てるかなって。だけど、僕と決定的に違うのは、多分僕やったら、同じ境遇でも辞めれないから。結構勇気いることやと思うし。葛藤はあったとは思うけど、辞めるって決断ができたってところは、全然僕とは違う。強い決断だなって思う。
— 意気込みを!
僕の出てるシーンってあんま多くないんですけど、20人以上出てるこの舞台の中で、僕のシーンは基本二人芝居なんですよ。これが、なかなかプレッシャーではあって(笑い)僕より経験値のある方々が出てる中で、稽古中もそういうみなさんから見られてるのって、めちゃくちゃ緊張するし、プレッシャー感じてるんです。おいしい役っちゃおいしい役、だけど。みんなの目が二人に一気に向くわけだから。それを先輩たちがいないところで、二人でちゃんとお客さんに見せなあかんっていうのは、ありがたいとは思ってるんですけど……任せてもらえてるんかなっていうのはあるし。その緊張の中、やりがいもあるんで、頑張っていきたいなと思ってます。
関わってる全員で、いい作品にして、ご来場お待ちしておりますんで、ぜひともお楽しみに!
あっちゃんありがとうございました!
文:足達菜野
撮影:山下真実
『フローレンスの庭』
2022/12/16(金)~18(日)
* 16(金):19:00-
* 17(土):13:00- / 18:00-
* 18(日):13:00- / 17 : 00-←new!
※受付は開演の60分前、開場は開演の30分前
会場:アイホール
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