第五世界の兆し[創作]4
4 混乱
高校は、キリスト教だった。親は曹洞宗、と言ってもお墓を守ってもらってるお寺がそうというだけ。先祖には神主もいたようだ。そのせいかは知らないが、昔から神秘的な事に興味があった。
年齢が上がると、見たことがない怪談話の幽霊より神様みたいな宇宙人の存在を信じた。社会に親に守られて安穏と生活している無知な自分を全能な宇宙人が引っ張り上げてくれることを夢見た。
RちゃんもJさんも、古典で格式がある既に先客で満杯となっている餌場から離れて、別の餌場へ移ることを決めた同志だ。
キリスト教、仏教、神道、スピリチュアル、ここまでくると訳が分からなくなり、歴史を調べると更に混乱した。
キリスト教の使徒は殉教者ばかり、釈迦族は血族が絶えている。天照大御神は神話だし、スピリチュアルは根拠が分からない。結果「時間が経過するほど地球は死骸で覆われていく。殺されたくないという思念が大量に垂れ流されている。人類は殺し屋だ。」呪いみたいな考えが頭に居座った。
私が出した解決策は、自分は子供を産まないことだ。その決断には問題が3つある。親不幸と感じること。生きている間の時間が長く感じること(親の死後、独りの生活については考えたくもない)。自分の孤独死だ。かといって、結婚という選択肢はない。宗教を他者を信じられたら違う人生だったかもしれないが、私は自分に素直でも、他者には素直ではなかった。