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バチカアフという無垢な人造人間について

※Bathycapheの1stミニアルバム『blue hOle』の感想になります。

どうもコク太郎です。

この日が遂に来た…
blue hOleが配信開始されたということで

だったらもう感想を共有しちゃっても良いよね?

てことでBathycaphe厄介ファンの感想会始まるよ〜!

感想の中で『Bathycaphe』『バチカアフ』『ばちか博士』『バチカ』の4種類が出てくると思うがそれぞれの呼び分けはこう

Bathycaphe・・・概念、バチカアフも博士も入ったコンテンツの呼び名

バチカアフ・・・人造人間の方

ばちか博士・・・博士の方

バチカ・・・Bathycapheを作った人間、プロデューサーだと思ってる。心の親戚。

前置きはこれぐらいでそろそろ本題へ


『bule hOle』 感想

1.万歳ディスコード

一曲目にぶち込んでくるに相応しい曲かつ、Bathycapheのあり方を感じる一曲。

というかこれBathycapheというかバチカの考え方というかバチカ自身の曲だろ…って思うぐらいの歌詞の解像度。
作曲と作詞にモアレ組が絡んでる時点でお察しではあるが…
なんというかこれまで築き上げた関係性があってこその楽曲としか思えない。

歌詞の言葉選びも秀逸ながら韻の踏み方も気持ちが良い。
荒々しく刺々しい中に静かさと狂気性を感じる音楽と自身の想いをこれでもかと叫ぶような歌唱がグッと胸を掴んで、後の楽曲への最高の道を作ってるなと思う。

ギター持ってるクセに弾いてない
スタンバってるだけのHI!!WATT!?

入りのここの歌詞だけでバチカらしさが出てるというか…
とにかくインパクトとバチカという人間性を全面に出したこの曲が一番に来るのは納得。

これ以上は身内ネタみたいになりそうなのでこの曲についてはここまでにしておく。

2.SEArch6500

えーっと…

全部バチカじゃねぇか!!!!!!!!!

ド直球な意味でバチカの歌でしたね。

一曲目とは打って変わって跳ねるようなリズムとバチカアフの明るくふわっとした歌声。
脳みそ4歳児のバチカアフの好奇心溢れるそんな情景が浮かんでくる楽曲。
間違いない、絶対これ作詞楽しかったでしょ?

メリハリのある音の小気味良さが本当に好き。
調べながら「これも!これも!」となれて個人的にも凄く楽しかった。

いや本当、黒の兄弟とか久々に聞いたし、そういえばそうだなってなったよ…

サビに行くまでの跳ねるように楽しそうな歌唱とサビの透き通るような歌唱のギャップが最高。

別の意味でインパクトが強い楽曲でした。

3.無邪気

Bathycapheの歌です、間違いなくBathycapheの歌です。
そうに決まってる。

聴けば聴くほど自分の中での解釈がバチカアフが研究所から地上に上がる姿で固定される。
前半はバチカアフなのか博士なのかはたまた両者なのか…
僕は僕のこと少しは愛せるかなって博士がバチカアフに対して思ってませんか???
同じDNAで繋がってるからよぉ…
というかこれあれですか?後半は博士が死んだ後に魚の獣になってたあのバチカアフが胸に残った何か分からない感情〈喪失感〉と自由な旅立ちを歌いながら地上へ上がる話ですよね???
今、博士はもういないしそういうことですよね???
あと歌詞の『灯に向かって歌っていこうね』は船なんですよもう、水圧を足場に駆け上がる船は潜水艦でしょ???
バチカアフは友達を作っておいでの命令で地上に上がるんだよ…
灯に向かって行くのはきっと博士の唯一知ってる海での迷わない方法なんだよ…
うぉぉぉ…

勝手な解釈だけどあまりにもこの曲はBathycapheという概念と物語すぎる。
というかそれを感じさせる。

海の中を彷彿とさせる音作りだし、緩やかな波と深海の静けを合わせたようなメロディ
そして歌詞が水面へ向かうたび音も少し激しくアップテンポになる
この曲は海ですよもう

歌唱はBathycapheという概念が歌ってるのではないかなと
優しさや切なさ、孤独と好奇心、知識と拙さ
それらを歌唱から感じてなんだか泣きそうになる。
この歌唱を一言に表すなら『生命』だと思う。
海である楽曲から生命が生まれてくる、Bathycapheの歌唱本当に凄いと思う。

バックボーンとして博士が深海から脱出したがってたことやバチカアフと博士が過ごした時間を考えるとほんとにさぁ…

ま、妄想に近いので真相はバチカと駱駝法師さんのみぞ知るってことで。

4.bule hOle

私はきっと演劇を観てた?と思わされる楽曲。
あまりにも幻想的、私の語彙力では正直表現できる気がしない。

まずブルーホール自体が海に穴が空いたように見える地形のことなんですけども、その幻想的でかつ恐怖心を覚えさせるものを歌唱と楽曲で表現できてるのが怖すぎる。

黒い穴の中に引き摺り込まれる、一度その海の眼と視線を合わせて魅了されたら逃げられない
例えそこに怪物が住んでいても、夜にも似た水底に向かっちゃうんですよ。

この曲の歌詞で終わってるのは今日の幕だけで、夜になれば続くんですよ
終わらないんですよ、暗い暗い水底までその好奇心は降りて行くんですよ。
そこに生物もいなく、ただ海と1人踊ってる。

本当にこの曲は怖いと感じた、同時にあまりにも綺麗なものを見たとも感じた。

これはBathycapheというか、歌っているのはこの海の眼に魅了された人間を優しく冷酷に包むブルーホールなんだろうなという解釈。
またこの楽曲の情景をより冷たく鮮明にさせる朧ニキのコーラス
アダルトな雰囲気を纏わせながら無垢な歌唱、そしてメロディの恐ろしいほどの吸引力、抜け出せないブルーホール。
メロディも歌詞も歌唱もこんなにタイトルにマッチしてるものを私は知らないかもしれない。

一本の映画を観たようなそんな一曲。
これ以上、己の言葉でこの楽曲の世界を固めたくないためここまで。

5.怪人のバラッド


優しい歌。
人の生きる上で出会う様々な経験と温もりがいかにその『人』の人格を形成するのかを考えさせる。
感じ方は同じでも、それを言葉にしたり態度に示す方法が同じとは限らない
だからこそ自分以外の誰か、何かと手を取ることも必要なのではないのかなとそんな気持ちを感じる。

この曲の最初は『きみ』の真似をして自分の事しか見ていない、まさに自身に向き合ってる最中。
それが歌が進むにつれて『きみ』と自分以外に目を向ける。

最初のサビでは借りものの歌を『きみ』と歌っているけどラストでは借り物ではなく自分の言葉を歌うんですよ。
しかも温かい言葉を。
この怪人は暖かさを知るんですよ、というか知ってたんですよ。
ただその暖かさ、優しさを表現する手段を知らなかっただけだから。

楽曲冒頭で出てくるパキラは比較的暖かい場所で育てる植物なんですよ
それがこの怪人呼ばれてる『僕』の暖かさを表してたんじゃないかなと。

否定のしようもないほどこの『僕』は『人』なんですよ。

メロディも歌唱もこんなに優しく暖かく太陽が優しく照らす日常の情景を浮かばせるの本当に感度です。

春の太陽を感じる暖かい楽曲でした。
正直この曲は聴いて感じるに限る。

6.ほだて

締めの曲というかこのアルバム自体のことなのかはたまた彼女が生きてきたことなのか

間違いなく『攪てる』だと思うのでそれを前提にとりあえず私の解釈で話します。

と言ってもこの曲をどう解釈すれば良いのか

ただ一つBathycapheが目指すフィクションというあり方があらわれてるのではないかなぁと感じる。

それは他力本願ではなくて彼女自身の熱意や技術、リスペクトの精神だったりそういったものがあるが故に音楽とそれらを作る人の熱、その中に彼女というフィクションを混ぜて初めてBathycapheが生まれるのではないかなと。

『きろくはなんにもない』
その中で生まれ、そしてこれからもそこに在り続けるフィクションの存在。
それがBathycapheなのではないのだろうか。

自身だけでは形成できない、音と楽曲や歌詞を生み出す人達の熱で、作品という身体を作るのだろう。



ここまで読んでくれてありがとう。

読みにくいかもしれないけど私なりの感想を長々と書かせていただきました。

これからも誰かと彼女が混ざり合い生まれる
『Bathycaphe』という存在を観測できることを私は心待ちにしたいと思う。

おわり。

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