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【書籍紹介】葛西純自伝『CRAZY MONKEY 』(葛西純)

本日紹介するのは、映画「狂猿 KYO-EN」が絶賛公開中の、葛西純選手の自伝「CRAZY MONKEY」です。

1.本書の内容

北海道から上京して23歳でプロレスラーになり、以来20年以上「デスマッチ」という過酷な闘いの舞台に身をおいて来た、葛西純選手。

カミソリ、ガラスボード、有刺鉄線、何でも有り、流血大けが当たり前の刺激的な「デスマッチ」に人生を狂わされ、自らも観客の人生を狂わせる、最強で最狂な漢、葛西純が自らの半生を振り返る!!

2.葛西純という男

普段なら葛西純選手を知らない方のために解説の一つも挟むところですが、私は、これまで葛西純選手の試合を観に行ったことはありません。

そんな私が言葉や数字であれこれ氏を語るよりも、書店で本書を手に取って、表紙および背表紙を見てくれれば

『葛西純という男のこれまでの戦いは半端なものではない』

ということはすぐ判るでしょう。

胸元からお腹にかけて、そして背中に至るまで傷がない部分を探すのが困難なレベルでちりめん状の傷が走るその体を見れば、どれだけ身を削って戦ってきているのが一目瞭然でわかるはずです

3.本書のおすすめポイント

① 第一人者が語る、デスマッチの魅力!

葛西純選手は、日本国内にとどまらず世界中にファンを持つ、文句なしのデスマッチ界におけるレジェンドです。

そんな葛西選手がデスマッチの魅力に取りつかれ、多くの人の心を掴むに至るエピソードの数々に触れれば、これまでデスマッチに縁がなかった貴方はデスマッチを観に行きたくなり、すでにデスマッチファンの方はもっとデスマッチが好きになるはず!!

② 一人の人間としての葛西純氏の一面

本書の中で、葛西純氏は家族とのエピソードや欠場中の話も赤裸々に明かしてくださっています。

デスマッチで傷ついた体を見て涙を流したお母さまの話、奥様との出会いや子供たち(息子さんと娘さん)への想い、アルバイトで家族を支えていた日々・・・「超人」たるプロレスラーのみせる「等身大の人間、葛西純氏」の一面を知ることで、益々「デスマッチのカリスマ、葛西純選手」にも惹かれていくことでしょう。

③映画「狂猿 KYO-EN」の予習・復習としての1冊に!

この記事の冒頭でも紹介した映画「狂猿 KYO-EN」は、2019年のクリスマスの興行を最後に長期欠場に入る葛西純選手が、復帰に向けてトレーニングを重ねる日々や、デスマッチに身を投じてきた過去の軌跡を振り返る内容になっています。

映画の中では、ライバル的存在の伊東竜二選手(大日本プロレス)や練習生時代を共に過ごした本間朋晃選手(新日本プロレス)を始めとする、葛西純選手に深いゆかりのある人物がインタビューに答えていますが、彼らに関するエピソードも本書には数多く掲載されています。

事前に本書を読んでから映画を見れば理解が深まるでしょうし、映画を見た後で本書を読めばその感動が鮮明によみがえることでしょう!

読んでから観るか、観てから読むか・・・どちらにせよセットで味わえばますます楽しめること請け合いです!!

3.終わりに

実のところ、私は葛西純選手を知るまでデスマッチには「なんかヤバいもの」という印象しかありませんでした。(「ヤバいもの」には違いないとは思いますが・・・)

本書の中で、葛西純選手は「デスマッチは、選手も観客も関わる人たちの生き方を狂わせる」と書いています。

「狂わせる」と書くと穏やかではないですが、予定調和で退屈な日常や、固定観念で凝り固まった感覚や常識を大きく変えて、熱狂した魂で新しい一歩を踏み出す力を産むのが『デスマッチ』なのではないか、と今では考えています。

「デスマッチ」に「怖い、痛そう、野蛮」などのイメージしかない方にこそ、この1冊を手に取ってほしいと思います。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

若し私がある日いきなり「デスマッチ最高!」と言い出したら・・・その時は「こいつ観戦に行ったな!」と温かく見守って頂けると幸いです(;^ω^)




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