最初に感じた長所はいずれ短所に変わってゆく。
アメリカ人夫とまだ付きあっていたときのお話。
今でこそ、新婚生活はあれですが(笑)、
何も責任がなかった恋人同士の時は何もかも完璧でした。
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彼とは、同じ職場の同僚として出会い、友達期間を3年くらい経て付き合い、2年後に結婚しました。
アメリカに2度大学生の時に留学に行ったことがあり、元々海外旅行に行くのが好きだったので、ヨーロッパやアジアなど時間があれば1人でも行ったり、外国人と交流する機会は多かったのですが、国際恋愛はこれが初めてでした。
(そもそも恋愛もそこまでないです)
交際を始めてから1年以上経ってもとても順調で喧嘩もないし、大きなすれ違いもなかった私たち。
どんな結婚式にしたいか考えておいてね。僕は結婚を考えているからと結構早めから言われたので、結婚は最初からなんとなーく頭の片隅にあった。
ちなみに結婚式はしていません(笑)
(結婚式したかった!いや、いつかしたい)
私の英語力いう壁は最初からあった(当時TOEIC550ぐらい)、一日英語で過ごしていると脳みそパンパンになりすぐ頭が回らなくなったことも多かったし(ボーーってしてくる)、LINEでのやりとりも毎日するとなると基礎英語だけでは足りなく応用編になり、とにかく辞書で単語を毎回調べたりすることも多く、一通送るのに10分〜15分くらいかかってた。
彼はたどたどしい私の英語でも、文法やニュアンスが間違ってても、指摘することもなく何が言いたいのか気持ちを汲み取ってくれて、辛抱強く待ってくれる人なのでありがたかった。
喧嘩することがなかったのは、私の英語力が低くて喧嘩にならなかっただけでもある。
思えば当時はまだ自分の言いたいことを一旦日本語で考えて、英語に直す作業をしながら話すレベルだったので、喧嘩とかにならない。
英語でなんていうんだろう?って考えてる間に怒りもクールダウンするし、結局まぁいっかってなることも多かった。本当に言いたいことは、文字にして伝えることが多かったので冷静に伝え合えた。
彼は本当にまめな性格で、連絡も朝から晩までおはようからおやすみまで毎日かかさずにくれ、朝起きるのが楽しみになったし、寝る時も安心して眠れた。毎月の記念日には、花束とお手紙を用意してくれて、毎日息を吐くように愛の言葉をくれ、これでもかというほどお姫様扱いしてくれた。
(今は女王様だと皮肉られる。笑)
幸せすぎて怖い。
私もしかして死ぬの?とよく彼に言っていた。
わりかし結構普通にお花畑ちゃんだった(笑)
やっとめぐり会えた私のMr.Right! みたいな。
私は適当な性格でずぼらでマイペース。連絡もまめじゃないし、とにかくひとりの時間が大好き。なんとかなるさ〜って生きてきたし、周りにはしっかりした人が多くてたくさん甘えさせてもらい、支えてもらってきたおかげでなんとかなってきていた。
彼は引っ張っていくのが好きな性格だったし、私はついていくのが好きだったから、自然とその役割分担もスムーズに決まっていった。
交際1年ほどしてから、彼の1Kの社宅アパートでお邪魔する形で半同棲をすることになり共同生活が始まった。
もちろん生活スタイルに“違い“を感じることもあったけれど、違和感ではなく、新発見。
何事もポジティブに受け取っていたし、一緒にいるために必要な努力は何も苦に感じなかった。
日本で、しかも自分の地元で彼と生活するちょっぴりアメリカンな生活は最初は刺激的で新鮮だった。
まぁ、一緒暮らすということは甘くない。
長所が短所になっていく。
「お金を惜しまず使ってくれるの素敵」だったはずが、「ちょっとは節約すること考えてよ」になり
「何も気にしないおおらかさが素敵」は、「脳天気で何にも考えてくれないのね」
「なんでも引っ張ってくれて素敵」は、「勝手に何もかも決めないでよ」になった。
他人として対面で彼を見ていたときは素敵だったものが、隣に立つことになると視点が変わっていくのを感じた。
そして、私の英語力が上がれば上がるほど
うまくいかないことが増えた。
そして社宅を出て、新しく1LDKの部屋を借りた頃、本格的に私たちの役割分担は反対になった。
母国にいる側が、外国人を引っ張っていかないといけないからだ。
結婚してすぐ環境の変化で鬱も経験し、離婚しかけていたが、今はちょっと何かを乗り越えた感はある。新しい形の私たちの関係性も前ほど死にたくなるくらい嫌いではない。
冗談半分本音半分のこんな会話を夫とした。
「あなたはもっと頼りがいがあって、男らしくて強い人だと思ってた!こんなに弱いなんて思わなかった。」
「君は僕が守ってあげなきゃいけない弱い女の子だと思ってた!こんなに強いなんて知らなかった!」
なんでこんなことなっちゃったの?私たち。と笑う。
周りからみたらひどい会話だと思う。
やっとお互い完璧な人間じゃないことを受け入れた愛にも感じる。
強い私も、意外と嫌いじゃないでしょ?
弱いあなたも、嫌いじゃないから。
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