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2011-03-11-14:46

高校からの帰り道。
電車を降りた直後。
急にグラッと世界が揺れる。
立っていられない。
咄嗟に近くの電柱にしがみつく。

近くで自転車に乗っているおじいさん。
「おじいさん、今すぐ自転車降りて!そこの壁を掴んで!」
ただ事では無いことが分かり大きな声で呼びかける。

長かった。
怖かった。
足が震えた。
電線が今まで見たことないくらい揺れている。
周りの家から物が壊れる音が聞こえる。

揺れがおさまり
すぐに家に向かう。
うちはマンションだったから
エレベーターは止まっている。
中の様子が気になったけど
一人で家に行くのが怖かった。

とりあえず家族に連絡。
、、、と思ったが繋がらない。
「どこで何してるの?無事なの?」
そんな思いで何度も何度も繋がらない電話をかける。

幸いにもその後連絡がつき
家族全員無事だった。
普段泣かない母が泣いている。
病気がちな父も焦っている。
姉も職場から歩いて帰ってきた。

家の中は足の踏み場がない。
食器は割れ、
物が全て落ちている
片付けたばかりの机もぐちゃぐちゃ。
ベランダに出ると
遠くだが波が見える。
「あの波は何?」
そんなことを思いながら
とりあえず車で一晩過ごすことにした。

車でニュースをみる。
信じられない光景。
でも正直そんなこと言ってられない状態。
まず食べ物と飲み物を確保しなければ。

スーパー、コンビニ、ドラッグストア、自動販売機、、、
数え切れないくらい回った。
それでももうほぼ売り切れ。
少ない食料を4人で分けて食べる。
トイレの水はバケツを汲んで流す。
朝早くから炊き出しに並ぶ。
満タンには入れられないけど
ガソリンは軽く5時間は並ぶ。
そんなことを繰り返しながら
車の中で何日も寝泊まりをした。

それから電気が復旧。
電気ポットでお湯を沸かし、
水でぬるま湯を作って
髪や身体を洗う。
温かいご飯が
本当に本当に美味しかった。

そうして少しずつ日常を
取り戻したが、
テレビをつければ知っている場所が
ひどいことになっている映像ばかり。
ACジャパンのCMがずっと流れていた。

大変だった。
不安だった。
地震酔いをして
揺れてなくても揺れてる感覚。
余震への緊張で疲労がとれない。
片付けが終わらない。

二度と経験したくないけど、
そんな中でも気付きがあった。
停電の中、星空が綺麗だったこと。
信号機がなくても譲り合う親切心。
お店ではみんなきちんと順番に並ぶ。
「お互い頑張りましょう」と
ラーメンを無料で食べさせてくれた
お店のおじさんの優しさ。

私自身はそこまで大きな被災は
なかったけれど、
それでもこんなに怖かった。
まだまだ怖かった人も
悲しい思いをした人も
数え切れないほどいて
それでも立ち上がる人が
かっこよく思える。

何度もいうが、二度と経験したくない。
でも、たまたま仕事で九州にいたときに
起きた熊本地震、
先日の福島宮城の地震のときも
冷静に動けたのは
東日本大震災の経験があったからかもしれない、、とも思う。

今復興のために立ち上がった会社で働いている。
毎年必ず黙祷をする。
ずっとこの会社で
働き続けるわけではないかもしれないけれど、
間接的にでも、継続的に復興に携われたらと思う。

▼震災時個人的に必要だと思ったもの
・懐中電灯:真っ暗闇の中、本当に助けられた
・カセットコンロ:持っていればよかったと思ったもの
・厚めのスリッパ:ガラス踏まないように
・ウォークマン:精神安定剤、不安な気持ちを和らげてくれた
・SNS:情報収集用、ただしバッジがついた公式のものだけ信じること。友人の安否確認用
・モバイルバッテリー:当時は持っていなかった、これから買う人はソーラー付きがオススメ
・毛布、防寒着:朝夜は本当に寒くて凍死寸前だった
・トイレットペーパー:公共トイレはトイレットペーパーがすぐに少なくなるから自分用を持っておいたほうがよい
・アウトドア用チェア:並ぶとき用に欲しくなった
・お風呂の水:トイレ流すためにためておくこと
・保冷ボックス:冷凍食品を少しでも長持ちさせるために、食料を大切に
・優しさ:自分だけじゃなくてみんなが被災者。譲り合いを忘れずに。ルールは守りましょう。


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