5年 和語・漢語・外来語
みなさん、学校が再開していかがお過ごしでしょうか?
私はというと、国語授業をやっと子どもたちとともにできることがうれしくてうれしくて、毎日楽しく授業させていただいてます。
今日は、和語漢語外来語の授業づくりをどうしていますか?という質問をTwitterのDMからいただいてましたので、先日実際に行った授業を振り返りながらこちらで紹介させていただきます。
まず、大前提としてこの単元は知識理解の部分に関しては教科書を使って教えます。
和語が訓読み
漢語が音読み
外来語がカタカナ
ということを教えます。
しかしながら、言葉だけでは子どもはなかなか理解できません。したがって経験則から振り返るようにして、あーなるほど!そういうことか!となるように例を示す必要があります。
たとえば、朝という字を示します。
T『あさですよ!みなさん、おはようございます』って言われるのと、『チョウですよ!みなさん、おはようございます』って言われるのとどっちがすぐに意味が分かりますか?
C『あさ』に決まってるやん!チョウとか言われたら、ちょうちょのことか!ってなるやん!
このように子どもたちの経験から、なるほど、言われてすぐにわかるのが訓読みなのか!ということを理解させます。
T『ね!すぐにわかるのが訓読みなんですね!なんでかというと、訓読みってのはね、もともと日本にあった言葉なのね。みんなにとってすぐわかる!ってのは、日本人が昔から使ってきたもともとある日本語だから、みんなにとってもすぐにわかるようにできてることがわかりましたね!』
こんなふうに、子どもたちの実感と、もともとあった日本語という概念を結びつけることが、なるほど!そういうことか!につながります。
さて、その上で和語と漢語の違いを活用して、仲間分けをさせます。
教科書では、ふるさと、過ごす、多い、混み合う、思われる、、、のように平仮名表記の明らかな和語が提示されています。
私はこれでは、子どもの問いは生まれないと思います。
つまり、二字熟語の和語を示しながら漢語ではないことを判断できるような問題場面を示して初めて、問いが生まれると思うわけです。
私は次のような二字熟語が漢字二字で示すことのできる和語ではないかと考えます。
雨風、市場、虹色、朝顔、手紙、野原、、、
こういった和語を示します。
これと合わせて教科書の漢語を示します。
帰省、混雑、新幹線、予想、工場、公開、、、
これらをランダムに提示して仲間分けをしてみようというように問題を投げかけます。
一文字ずつ、すぐにわかるかわからないかという物差しを元に考えます。
C『あめ、かぜ、はどっちもすぐにわかるから、和語かなぁ』
C『新幹線は、あたらしいって言われたらわかるけど、シンっていわれても何かはすぐにわからへんから、音読み!つまりこれは漢語やわ』
このように子どもたちは、論理的に『すぐにわからないのは音読みだから漢語!』というように説明できるようになるわけです。
黒板には、カードを動かせるようにして置いておき、子どもたちが自分たちで動かしながら説明するような形で授業を展開しました。
C『いちば、なら和語だけどさ、シジョウなら、漢語じゃないの?』
ある子が呟きます。
T『どういうこと、ーさんの言ってることわかる人もう一回説明して!』
こういう時は、必ず繰り返させます。
C『市場は、読み方が2つあるから、読み方によっては訓読みだから和語だし、音読みだから漢語になるってことです』
このように仕掛けておくことで、教科書の生物や風車のところへ繋がるようにしておきます。
C『セイブツは漢語だけど、なまものは和語!』と市場を例に子どもたちは進んで問題解決しました。
最後に、和語と漢語のちがいを自分の言葉で振り返りにまとめさせます。私は例を示したり、身近なものに立ち返ったりして7行以上書けたらいいね!と声だけかけます。
ある子の振り返りにこんなことが書いてありました。
『和語はなんだか温かい感じがするけど、漢語はあんまり温かい感じがしないと思いました。やっぱり日本にもともとある言葉だからホッとするんですか?』
子どもってすごいですよね。なるほど!これが感覚の温かさを論理で語っている姿か!と感心させられました。
もちろん、その子のノートの振り返りは他の子どもたちにも共有しました。
たしかに、和語は温かい言葉だなとみんな納得していました。
先生方の明日の授業づくりに活かしてもらえたらうれしいです。
読んでいただきありがとうございました!
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