GX脱炭素電源法は、2025年6月6日に施行される法律です。正式名称は「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」で、2023年6月1日に国会で成立しました。
GX脱炭素電源法は、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて脱炭素電源の利用促進と電力の安定供給の確保を図るための制度整備を目的とした法案です。化石燃料の使用を最小限に抑え、クリーンなエネルギーを活用するための取り組みや実現に向けた活動である「グリーントランスフォーメーション(Green Transformation)」を実現するための関連法の整備として電気事業法と再エネ特措法などを改正し、太陽光発電を含む再生可能エネルギーの導入拡大策や電力供給量向上などにつながる原子力発電の活用に関する内容が含まれています。
この法案で注目する点は、法改正によって「60年を超えて原発の稼働が可能になる」ことです。原発の稼働期間についてはこれまで、東京電力福島第1原発事故後に導入した「原則40年、最長60年」というルールに沿って運用されてきました。今後もそのルールは維持するとしつつも、運転延長を経済産業相が認可すれば60年超の稼働が可能になります。つまり世界が原発の利用に変わったという事でもあると思います。
しかしながら相変わらず日本の補助金政策が様々な所に見えていますが、一方で原発タブーであった日本がエコをうまく利用して原発再稼働に舵を切り、エネルギーと産業の革命にはめ込んだ戦略が個人的には凄いと思っています。