ハームリダクション(害をへらすこと)
2024年9月6日に、田中和徳衆議院議員と政策改革・イノベーション研究所代表蔵研也氏の「技術革新とハームリダクション-たばこ税制の観点から」というシンポジウムがありました。
ハームリダクション(Harm Reduction)とは、わかりやすく言うと「害を減らすこと」という意味ですが、詳細は国際ハームリダクション協会のサイトをご覧ください。
今回はこの対談内容からの学びや疑問点について投稿します。
1・対談の内容
日本でのたばこ喫煙者の半分は加熱式たばこを吸っていて、特に若者が多いそうです。加熱式たばこは殆どが日本で利用され、葉たばこを使っているのでニコチン入りの嗜好品になりますが、紙巻たばこに比べて約10%程度の害とのことです。
海外で利用者の多いべイパーと言われる「電子たばこ」は害が殆どなく、課税も無く、1本800円で3000回吸引出来るものもあるとか。それなのにニコチン入りベイパーは日本での製造販売は禁止になっています。たばこの葉が入ってないとたばことして売ってはいけないからだそうです。
また日本で葉たばこ使用のたばこを製造販売出来るのは「日本たばこ株式会社(JT)」だけで、日本でのたばこ販売メーカーにはJT、フィリップ モリス ジャパン合同会社、 ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン合同会社の3社が販売商品のほとんどを占めています。そして日本のたばこ葉耕作者は年々減少し、海外から大量にタバコの葉を輸入している様です。
蔵氏は、過去からの政治的な経緯がハームリダクションという健康問題にも及んでいて、健康のリスクに関して政府がやるべきことは情報提供であって規制をすることではないと訴えています。
田中議員は国民の健康を考えるハームリダクション議員連盟会長で、その立場から紙巻きたばこと加熱式たばこを同じ税にしてしまう「たばこ増税」は逆行するような政策ですと話されてました。
毎年2兆円の税収があるにもかかわらず、厚労省は加熱式たばこの害についてはっきりした見解を出していません。そして医師会は依存症は病院で診察し治療をすべきと主張しています。
防衛増税の財源としてたばこ税増税が予定されていますが、納税者に対してしっかり防衛も行い且つ害の少ない受動喫煙への政策も行うようにすべきと話されています。
たばこ税は、消費税のほか、国税2種類(国たば こ税、たばこ特別税)、地方税2種類(道府県たばこ税、市町村たばこ税)の計 5種類の税金が課されています。 消費税抜き小売価格に占めるたばこ税の合計額 は 61.2%、消費税を含めると全体の 63.1%が課税されています。よって、地方自治体の重要な一般財源でもあるのですが、喫煙者や受動喫煙者の権利としてきちんとした喫煙場所を確保するべきとのお話です。そして川崎市は100億円のたばこ税税収があるので、喫煙場所の設置をしても良いのではというお話もされてました。
こちらは当日のニュース記事です。
2・日本のたばこの種類とJTについて
たばこを吸わない人でも紙巻きたばこや葉巻は知っていますが、殆どの人は噛み煙草や嗅ぎ煙草は見たこともなく、「加熱式たばこ」と「電子たばこ」の違いも判りません。
今回のシンポジウムのテーマ「ハームリダクション」を知るために、加熱式たばこと電子たばこについてJTのサイトで確認してみました。
加熱式たばこ
たばこ葉を使用している点において電子たばこと大きく異なり、たばこ葉本来の味・香りを愉しめるという特徴があります。
加熱式たばこは、火を使わず燃焼による煙が発生しないため、たばこの煙のニオイがせず灰も出ないといった特徴があります。なお、バッテリーなどの器材は、たばこ用具として販売されています。
電子たばこ
たばこ葉を使用せず、装置内もしくは専用カートリッジ内の液体(リキッド)を電気加熱させ、発生する蒸気(ベイパー)を愉しむ製品です。リキッドには、ニコチンを含むものもありますが、日本国内ではニコチンを含まないものが一般的です。電子たばこはたばこ葉を使用しておらず、日本国内では「たばこ製品」として販売されているものはありません。
ニコチンを含むリキッドは「医薬品」、ニコチンを含むリキッドを吸引する器具は「医療機器」と、それぞれみなされています。ただし、海外では電子たばこをたばことして扱っている国もあります。
日本で販売されてるたばこの種類で、葉たばこが使用されているとたばこ税法第3条の課税対象になるという視点は重要です。
①葉たばこを使用している→課税対象 JTの独占製造販売
紙巻きたばこや加熱式たばこなど。
加熱式たばこは、たばこ葉を加熱して蒸気を発生させるので、多少臭いが ある。ニコチンを含んでいるので依存症は維持される。
②葉たばこを使用していない → 非課税
電子たばこで、ニコチンが入っていない「リキッド」と呼ばれる液体を加熱して蒸気を発生させるのでにおいや煙が出ない。
ニコチン入りのリキッドタイプもあるが日本では製造販売しておらず、個人で海外から購入し使用するのは良い。
日本は、たばこ事業法によってたばこの製造販売が許可されているのはJT(日本たばこ産業株式会社)だけです。JTの前身は日本専売公社で、その事業と資産が1985年4月に移管される形で民営化(特殊法人化)され設立されました。
たばこ事業の民営化の目的は、日本のたばこ事業に安定した財源としての役割を果たさせ、輸入品との競争に耐え得るように生産性向上を図ることとされてます。
たばこ事業法とは、葉タバコの生産・買い入れや、タバコの製造・販売などについて規定した法律です。 昭和59年(1984)施行され、 国内で生産される葉タバコは日本たばこ産業株式会社がすべて買い入れることや、同社以外によるタバコの製造を禁止することなどが定められています。
現在JTは、世界第3位のたばこメーカーとして紙巻きたばこ製品や加熱式たばこ製品を製造・販売しています。また、医薬事業や食品事業も行っており、国内と海外の事業を展開しグローバル企業として活躍しています。
日本国政府はJT法に基づき、常時発行済株式総数の3分の1を超える株式を保有しており、2023年は、JTから財務大臣が筆頭株主として単純合算で1293億円の配当金を受け取りました。
3・たばこ税
実は、たばこは税負担が重い商品です。
たばこの価格には、国たばこ税・地方たばこ税・たばこ特別税・消費税の4種類もの税金が含まれています。
銘柄などによって異なりますが、例えば一般的な紙巻たばこでは、税負担率は6割にも達するなど、たばこは、わが国でも最も税負担率の重い商品のひとつとなっています。
年間たばこ税額の内訳は、2021年度(決算額)では都道府県たばこ税1,422億円、区市町村たばこ税8,711億円と、地方たばこ税として年間1兆134億円で、合計すると2兆267億円です。
これまでたばこ税は再三増税されてきました。しかし、たばこは依存性が高いため増税しても減ることはなく、一定の額が税金として集められています。
財務省の令和6年度税制改正の大綱のサイトをみると、で防衛力強化の財源確保のため、加熱式たばこと紙巻たばことの間で税負担の不公平是正し防衛費増額に充てるとして、3円/1本相当の財源を確保することとしていて「施行時期は、令和6年度以降の適切な時期とする」となっています。
一方令和5年度税制改正要望(厚生労働省)資料を見ると、「国民の健康の観点からたばこの消費を抑制するため、たばこ税の税率を引き上げる」と書いてあります。
4・オリパラと分煙
2018年平成30年に「健康増進法の一部を改正する法律」が改正されました。2020年4月1日より全面施行され、原則屋内禁煙と喫煙場所を設ける場合のル ールが示されました。目的は望まない受動喫煙を防止するため、多数の人が利用する施設では原則として屋内禁煙や敷地内禁煙としました。
施設の管理者には、喫煙場所を設置する際の配慮義務が課せられ、喫煙専用室を設置する施設では、入り口に喫煙環境を示す標識の掲示が求められるました。違反者には罰則が適用されます。
日本は、2005年2月27日受動喫煙の防止などが条約内容が決められたWHOの「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」(WHO Framework Convention on Tobacco Control))に本条約に批准し発効しています。この法案改正の背景には2020年東京オリンピック・パラリンピックが開催予定で、WHOに日本のタバコ対策が「最低レベル」と評価され、国際的なイベントであるオリンピック・パラリンピックが近づいていたためで、小池都知事が頻繁にメデァに登場し分煙や禁煙を訴え啓発していました。
一般社団法人日本たばこ協会の資料では、令和5年度の加熱式たばこの販売量は、東京オリンピックが開催された2021年の令和3年度460億本→令和5年度585億本に激増しています。日本においても紙巻きたばこの需要は減少し、加熱式たばこ利用者は全体で約4割程度に増え、若者に至っては半分以上が利用しています。
下の財務省資料を見ると、紙巻きたばこの方が加熱式たばこよりも少し価格が高めのようです。加熱式たばこの使用時間は3分~6分くらいで、紙巻きたばこは5分前後です。それほどこれらには値段や使用時間の大きな違いは見られませんが、法律が改正された平成30年ごろから加熱式たばこの販売量が増えていきます。よって、加熱式たばこが1本3円ひと箱60円増税されたら金額的なメリットは無くなります。
5・たばこの害について
なぜこのように加熱式たばこが人気になっているのでしょう?
日本国民の死亡原因第1位が長いこと「悪性新生物」といわれるがんです。医療系サイトには、国立がん研究センターによると日本人の男性のがんの53.3%、女性のがんの27.8%は、生活習慣や感染が原因になっていると考えられ、喫煙男:約29.7%、女:約5.0%と感染男:約22.8%、女:17.5%と書かれてます。実に男性のがん発症者の30%はたばこによるものです。
日本は少子高齢化と人口減です。2018年健康増進法が改正し分煙がなされ、害の少ない加熱式たばこにシフトする国民が増えているのに、なぜ悪性新生物(がん)は増え続けるのでしょうか?
がん情報サービスサイトのグラフを見ると、男女とも40歳以上は紙巻きたばこの喫煙が多くなっています。そして、日本の人口の40代以上が「大人の8割」という社会全体の大人化状態。がんは見つかるまでに10年から20年かかるといわれてますので、今後もがん発症者は増え続けるでしょう。
厚労省「加熱式たばこの科学的知見」の資料に書いてある主流煙の成分調査は、2017年「非燃焼加熱式たばこにおける成分分析の手法の開発と国内外における使用実態や規制に関する研究」が引用されました。
これらの資料から、加熱式たばこのニコチン濃度は紙巻きたばこの約十分の一で、害についても成分によってはあまり害は見られず、たばこの煙には約60種類の発がん性物質があるがその中のアセトアルムヒデとホルムアルデヒドは高くても25%以下で、紙巻きたばこに比べて害は少ないと言えます。ただ「現時点での評価」は2017年の研究ですから将来の健康影響の予測困難と書かれています。
喫煙時の室内のニコチン濃度については、実に40分の1~10分の1になっていて副流煙での被害は確実に害が少ないと言えます。
6・国会での議論
平成26年11月27日第5回たばこの健康影響評価専門委員会での資料がありました。松沢成文議員は2014年から継続してご質問され、つい最近も質問されています。
第213回国会 参議院 財政金融委員会 令和6年5月28日
日本維新の会の松沢成文議員
①JTは2023年8月にオランダの子会社と孫会社を合併。旧孫会社から受け取った八億ドル、約1200億円の配当金を十二月に突然返還した件。
②JTが国際たばこ市場でMアンドAを繰り返し業績を上げロシアでもすごい業績を上げている。
③財務省は、JTをなぜ完全民営化しないのかという問いに対して、必ず、たばこ農家の保護、たばこ小売店の保護が重要ですので民営化できない件
④NTTやJPも政府保有株があるが、公益性があるにもかかわらず放出している。JTの株放出し完全民営化すべき。
⑤たばこ生産、たばこというのは、今、健康に害がある財だということで、世界で規制していかなきゃいけない。
⑥JTは、現にたばこ農家の廃作支援やって、もう本音は完全民営化してくれた方が有り難いとも言っているんですね、JTの歴代社長は。
2024年2月11日東京新聞の記事には、簡単にロシアから撤退できないのは、JTにとってロシア事業がグループ全体の営業利益の2割超を稼ぐ「ドル箱」である点が大きいと書かれてます。
ジェトロ調査によるロシアからの企業の撤退状況を見ると、三分の一は通常どおり行っています。JTも撤退の必要性は口に出していても、大きな行動は起こさないのかも知れません。
たばこ事業法では、日本たばこ産業株式会社(JT)が国産葉たばこの全量を買い取る制度が決められています。
全国たばこ耕作組合中央会を見ると、たばこの種は無償配布、葉たばこ審議会で買い取り価格が審議され、種類ごとに1kg当りの価格が決定され、契約農家から全量を買い取っています。そのほか諸費用がJTの負担で行われています。それだけに国が責任をもってたばこ農家を守るとも言えます。
しかし令和6年5月28日の松沢成文議員の質問では、JTの歴代社長が「現にたばこ農家の廃作支援やって、もう本音は完全民営化してくれた方が有り難いとも言っている」とあります。実際たばこ農家は激減し、作付面積も生産額も激減しています。
そして、令和5年度の輸入葉たばこの量は2.7万トンです。一方、国内の葉たばこの生産量は減少しており、2022年には9,000トンで2002年の5万8,000トンから20年間で約85%も減少しています。葉たばこの生産は産業としてほぼ壊滅状態と言えます
データーはたばこ耕作者は壊滅的な状態と言い、鈴木財務大臣はたばこ農家を守るために民営化はしないといい、坂本てつし議員のブログでは国会議員は外国企業の国産葉たばこ買い入れ反対をしています。
「私たち、たばこ議連とたばこ特別委員会においても耕作組合の考え方を全面的に支持し、今後もJTと耕作者の安定した関係の中で、アメリカメーカーの国産葉たばこ買い入れに反対することを申し合わせました。
食料の自給や国内産業の振興が叫ばれている時です。私たちはしっかりと農家の貴重な収入源であり高品質の国産葉たばこと耕作者の皆さんを守っていきましょう」
仮に日本政府が守らなくても規制緩和し完全民営化すれば、世界第三位のグローバル企業JTがさらに経済成長し、組織化し技術提供して自由競争の中でたばこ耕作者に付加価値をつけたばこ農家を育て守れるでしょう。
7・いくつかの疑問
疑問①
たばこ事業法で、JTは国内での製造販売を独占しています。
JTのサイトには、「加熱式たばこはたばこを吸う人と吸わない人が共存できる社会の実現に貢献してる」と書かれています。しかし、英国ではたばこ販売禁止になったように先進国ではたばこ葉を使ったたばこは減少しています。加熱式タバコであっても主流煙や副流煙に有害物質が含まれてますので「共存できる社会の実現」とは、どうすれば実現出来ますか?
疑問②
「たばこの健康影響評価専門委員会の設置について」をみると、2013年平成25年の段階で、厚労省は「たばこはがん、循環器疾患、慢性閉塞性肺疾患など多くの疾病の原因であり、 日本人の年間死亡者のうち、約 1 割は喫煙が原因による死亡と推定されている」と書いてあります。
令 和 6 年 度 税 制 改 正 要 望 事 項で「たばこが健康に与える影響なども踏まえ、国民の健康の観点からたばこの消 費を抑制するため、たばこ税の税率を引き上げる。」としています。
2013年のその後どのような対策を行い、どのような効果がありましたか?
現在の喫煙によるがんの患者数と死者数、死者全体の割合は?
疑問③
厚労省「加熱式たばこの科学的知見」の資料には「加熱式たばこの主流煙に健康影響を与える有害物質が含まれていることは明らかであるが、販売されて間も ないこともあり、現時点までに得られた科学的知見では、加熱式たばこの受動喫煙による将来の健康影響を 予測することは困難。このため、今後も研究や調査を継続していくことが必要。」と書いてあります。明確でないにもかかわらず経過措置が取られ販売されている理由はなぜですか?
毎年2兆円もの税収があり、喫煙で健康被害が生じ死因も高いのに、2017年から7年経過してますが研究やデーターが見当たりません。積極的な海外の情報公開もありません。現在は生成AIや大型コンピュータを使ってデータの公開や予測が可能だと思いますがどうですか?
疑問④
薬機法(医薬品医療機器等法)では、ニコチンを含む製品は医薬品や医療機器として規制されています。海外から輸入できるニコチンリキッド電子たばこは国内製造販売が禁止されていますが、個人で輸入し使用所持は許されています。しかし、薬機法でニコチンの規制からニコチンガムやニコチンパッチは薬局で買うことが出来ますが、ニコチンリキッドが買えないのは何故ですか?
疑問⑤
「欧州では加熱式たばこは紙巻きたばこより50~60%ほど税率が低い。日本政府は、価格が低いために加熱式たばこに切り替える消費者がいることを忘れてはいけない」
「確かに、ハームリダクションを禁煙施策に取り入れている英国の76%をはじめ、ドイツ73%、イタリア64%、フランス45%と、欧州各国の紙巻きと加熱式の税差は、日本よりかなり大きい。」
11月に開いたセミナーに登壇した米国のシンクタンク「プログレッシブ・ポリシー・インスティテュート」のリンゼイ・マーク・ルイス氏は、米ミネソタ州で電子たばこに課税したところ、紙巻きたばこの喫煙が増えたとする研究を紹介。「リスクが違うなら税率にも差があるべきだ。税率差を設けることで紙巻きの喫煙率を下げる。加熱式たばこのベネフィットを考える必要がある」と話しました。
日本の加熱式たばこを増税をしたら、紙巻きたばこ喫煙者が増加すると予想されますか?
疑問⑥
たばこに重税が許されるのは、たばこ税の増税とともにたばこの販売量が減少したので喫煙の抑止に効果があったからと考えられています。
財務省の加熱式たばこ増税は社会保障費の増加と税の公平性からと書かれてます。厚労省の増税目的は国民の健康の観点からたばこの消費を抑制するためとあります。
今回増税対象の加熱式たばこは、ニコチン量やタールの害も少なく、副流煙の濃度はかなり少ないのに、増税し紙巻きたばこと同じ税にしほぼ同じような値段になるとしたら、喫煙者は紙巻きたばこ喫煙者が増えると予想されます。
国民の健康の観点から加熱式たばこを増税するのは矛盾していませんか?
その矛盾が前提にあるのに、税の公平性から加熱式たばこを増税するとしています。国民の健康の観点という理由に矛盾があるのに、税の担税力を無視して税の公平性をかぶせてくるのはおかしいのではないですか?
社会保障費の財源としてたばこ税増税をするのではなく、国民の健康と幸せのためにはがんの原因を取り除き、13兆円もかかる医療費を削減することが正しいと思います。ハームリダクションから加熱式たばこは増税すべきではないと思います。
疑問⑦
たばこ特別税は平成10 年12 月1日から実施されています。
第212回国会 参議院 外交防衛委員会 第7号 令和5年12月7日
松沢成文議員の質問に、たばこ特別税 は旧国鉄の債務返済、国有林野事業の負担の穴埋めに使われているとのことだが、具体的にどのような事か?
現在は環境森林税が1人1000円徴収されているが、事業の内容が重複している部分はありますか?
国有林野事業はいつまで続きますか?
今後「国有林野事業」の見直し廃止の予定はないですか?
第142回国会参議院 予算委員会第10号平成10年3月25日
疑問⑧
グローバル企業となったJTが、40年も経とうとしているのに何故完全民営化されないのでしょうか?
財務省の「日本たばこ産業株式会社の民営化の進め方に関する中間報告」をみると、「またJTの独占状態や株式保有、葉タバコ耕作者の保護の問題
製造独占、国産葉たばこの全量買取契約制は、たばこ耕作者への配慮から盛り込まれたものであり、国産葉たばこ問題が解決しない以上、政府の株式保有の枠組みや国産葉たばこ問題に関連するたばこ事業法の諸規定は維持せざるを得ないとの認識で委員意見は概ね一致した。」とあります。
令和6年5月28日の松沢成文議員の質問では、JTの歴代社長が「現にたばこ農家の廃作支援やって、もう本音は完全民営化してくれた方が有り難いとも言っている」とあります。
配慮とは具体的どのような事で理由は?
配慮から保護している特定の業は他にありますか?
補助金でたばこ農家に配慮し保護を継続すれば、現在の世界第3位のグローバル企業JTを民有化し、G7各国と同じように紙巻きたばこ税と加熱式たばこの税の格差を出すことが出来ますか?
日本政府は、JTの株を約3割所持し2023年は配当金1293億円、税収が毎年2兆円徴税してます。国内で喫煙に関連する病気で亡くなった人は年間で12万人~13万人と言われています。令和5年度厚労省が所管する社会保障関係費36兆8,889億円うち医療費は12兆3532億円です。国民の健康と若者たちへの過剰な社会保障費の負担よりも、毎年入る税収や配当の方が重要なのでJTを民営化できないのでしょうか?
以上です。長文お読みいただきありがとうございます。
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