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エビ中「MUSiC」全曲レビュー⑤9~10曲目

皆さん、おはこんばんちは。

平成最後、そして「令和元年」の今年は、スターダストプロモーション所属アイドル「私立恵比寿中学」の結成10周年(メジャーデビュー7周年)です。

その記念すべき今年の3月13日に、5thアルバム「MUSiC」がリリースされました。


そこで恒例の、全曲レビューをアップさせて頂いております。
全12曲を2曲ずつ、その①からその⑥までまで6回に分けて書き込み、最後に“まとめ”としてその⑦をアップしたいと思います。

発売から既に2カ月が過ぎてしまいましたが、今回のその⑤でいよいよ終盤に差し掛かり、先が見えてまいりました。

マガジン:エビ中「MUSiC」全曲レビュー


それでは。

例によって音楽の神髄を極めたわけでもなく、専門家でもないこの私が 、勝手気儘に曲の感想を述べるだけのブログですが、どうぞ最後までお付き合い下さい。
m(_ _)m

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09. 星の数え方

[作詞・作曲:invisible manners / 編曲:関口シンゴ]

「でかどんでん」→「BUZZER BEATER」→「日進月歩」と、ノリノリなアップテンポの曲が続いたあとで、この曲はホッと一息つけるバラードナンバーとなっていますね。

しかも、これまでのエビ中の楽曲とは明らかに違う要素があって、この「MUSiC」というアルバムを代表する、エポック・メイキングな曲となっています!

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「星」との縁

その「要素」は後の楽しみに取っておいて(笑)、まず歌詞から見ていきましょう。

歌詞の中では、このフレーズ↓がいちばん好きですね~。

【星名】
♪いつまでも待っているわ
♪この空の星をぜんぶ
♪数えてしまうくらい
♪ただ、そばにいたいから

この部分を聴いたとき、推しメン美怜のパートということもあってスコーンと歌詞が入ってきましてね。
思わずLINEのプロフィール欄の文章に設定してしまいました!😆

まあ、美怜の苗字が「星名」であり、もうひとつ私が推しているスタダ福岡事務所のアイドルグループ「ばってん少女隊」の推しメンも「星野ほしの蒼良そら」ちゃんなので、「星」には縁があるのです😉

以前に書いた「星」についてのブログも、よろしければ読んでやってください。↓


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夜空の願い事

2コーラス目のアタマ、
【柏木】
♪過去も未来もぜんぶ
♪夜空の中にあって
♪願い事もいっぱい
♪散らばったまま Yeah

【真山】
♪ふたりらしくいるって
♪ふたりだけに見えた
♪まだ名前のない
♪星座みたいだね

ここもいいですね~。
「過去も未来もぜんぶ夜空の中にある」
って、すごくいいイメージだと思います。

夜空って、見上げてると色んな想いが浮かんで来ます。
広大な宇宙を想像すると、地球の片隅にいる自分という存在がどれだけちっぽけなものかに思い至り、自分の抱えている悩みも「なんて小さいことで悩んでるんだろう」と、バカな自分を見つめ直すことができるんです。

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星座を探すのも楽しいですし、知らない星座を見つけるのもワクワクしますね。
私は夜空を見上げる時、このアプリを使っています。

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このアプリを立ち上げて夜空にかざすと、GPS機能でそこの位置から見える星座が↑上の写真のように、ちゃんと星と星を繋ぐ線で描かれて表示されます。
 小さい頃、「夜空にも星座の星と星を繋ぐ線が引いてあったら、どんなに分かりやすいだろう」と思っていた願いが、このアプリで叶ったのです。 

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見事な3声コーラス

さて。
では、前振りでお楽しみに取っていた(笑)、楽曲構成に参りましょう。
スーっと響いてくるごく短いイントロからのサビ始まりに続き、いきなりこの曲のハイライト部分がやって来ます。

【星名/柏木/中山】
この3人による、

♪Woh yeah yeah la la la la la
♪Woh woh woh Two are in love

ここがなんと、見事な3声コーラスになっているのです!

そしてAメロ、A´メロに続くBメロでは、

【真山/安本/小林】
♪なんて呼ぶの? この想い
♪伝えきれない

【星名/柏木】
(Woh yeah yeah)

【真山/安本/小林】
♪「愛」と呼ぶのは簡単だけど
♪叶わないかな?

と、ここもまた見事な3声コーラスが展開されるのです!

2コーラス目ではメンバーが入れ代わり、

【星名/柏木/中山】
♪なんで泣くの? この想い
♪包まれてたい

【真山/小林】
(Woh yeah yeah)

【星名/柏木/中山】
♪「愛」と呼ぶのは簡単だけど
♪ふさわしいかな?

と展開されます。

この「MUSiC」では、「イート・ザ・大目玉」で見事な2声でのハモりを聴かせてくれたエビ中ですが、この3声コーラスはそれにも増して見事です。

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一人ハーモニー

また、よーく聴いてみると、あることに気が付きました。

Aメロ・A´メロの
◎1コーラス目
【安本】嘘がつけなくなって…
【中山】夜が明けたらきっと…
◎2コーラス目
【柏木】過去も未来もぜんぶ…
【真山】ふたりらしくいるって…

このそれぞれの部分ですけど、声は単独でなく、明らかに重ねて録音されているのが分かります。

しかし、歌詞カードのパート割りの名前は全て1人の名前しか書いてありません。

つまり、担当している自分の声に重ねてレコーディングされているのです。
しかも、ユニゾン(同じ音階)ではなく、ここも和音でハモっているんですね!

もう、もろ手を挙げて「恐れ入りました」というしかありません。

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これらについて、またいつもの音楽ナタリーのインタビューを引用してみましょう。

──9曲目の「星の数え方」もエビ中にとって新たな挑戦と言える、音楽的にハイレベルなものを要求されるタイプのバラードですね。

安本 超難しかったです。

柏木 「歌唱力の限界を」みたいなこと言ってたよね。エビ中の今の歌唱力を限界まで引き出す、というテーマで。レコーディングに一番時間をかけた曲だと思います。

安本 私たちがどれぐらい歌えるかわからないから、ディレクションの方には「一度最高のものを目指して歌ってもらうけど、できなかったらもう少し簡単なものに変えるかも」と言われてたんですけど、結局そのまま最高のものを……うちらはできたね(笑)。

真山 おー、ドヤってる(笑)。3声の和音は初めてで、「イート・ザ・大目玉」の2声ですら大変だったんですけど、この曲は3声なのでライブがどうなるか。

安本 でもライブでバシッと決めたら超絶カッコいいよ。

星名 てか泣かせたい、みんなを(笑)。

これを読めば、この曲がいかに高いレベルの意識と技術で制作されたのかがよく分かります。

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楽曲提供者

楽曲を提供してくれたinvisible manners(インビジブル・マナーズ)は、作詞家、作曲家、編曲家の平山大介が主宰する2人組の音楽作家ユニット。(Wikipediaより)

エビ中の他にも、ももクロ、たこ虹、とき宣、ロッカジャポニカなどに提供されています。他のアイドルの曲も気になりますね。

編曲の関口シンゴさんはギタリストで、あいみょんや藤原さくら、上白石萌音のプロデュースほか、幅広く沢山の仕事を手掛けられています。

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10. COLOR feat.ももいろクローバーZ

[作詞・作曲・編曲:田村歩美(たむらぱん)]

もどかしさ爆烈

さて!
10周年を記念して、所属事務所・スターダストプロモーション(スタダ)の先輩グループである「ももいろクローバーZ」をフィーチャーしての楽曲「COLOR」のレビューを、いよいよ出来るところまでやって来ました!

もう聴いていると書きたいことが溢れてきて、早くこの曲にたどり着かないかなと、メチャクチャもどかしかったです。

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田村歩美(たむらぱん)さん

この曲はまず提供者の田村歩美さん、たむらぱん(ソロプロジェクト名)に触れずにはいられませんね。

私立恵比寿中学には、

「結果オーライ」(作詞・作曲・編曲)
「大人はわかってくれない」(作詞・作曲・編曲)
「誘惑したいや」(作詞・作曲・編曲)
「テブラデスキー 〜青春リバティ〜」(作詞・編曲)
「ポップコーントーン」(作詞・作曲・編曲)
「ナチュメロらんでぶー」(作詞・作曲・編曲)
「感情電車」(作詞・作曲・編曲)
「Dear Dear Dear」(作詞・作曲・編曲)
「COLOR feat.ももいろクローバーZ」(作詞・作曲・編曲)

と、沢山の楽曲を提供してくれています。

しかも、「Dear Dear Dear」は旧メンバーの瑞季、杏野なつ、鈴木裕乃3名が転校(脱退)する時に提供された曲ですし、前アルバム「エビクラシー」収録の「感情電車」は、亡くなったメンバー・松野莉奈さん(りななん)が最後にレコーディングした「遺作」となっています。

それは偶然の出来事だった訳ですが、偶然であるがゆえに田村さんはエビ中に対して
「何かを持ってる人」
というのがファミリー共通の認識である、と言っても異論を唱える人はいないでしょう。

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言葉の魔法使い

田村さんは「言葉の魔法使い」と形容したくなるほど、歌詞における言葉遣いが巧みです。

まず、イントロに乗せての
「いろいろあるく」。

普通「いろいろ」と「あるく」は、「色々な所を歩く」とかは言いますけど、直接はあまり組み合わせて使いませんよね。

でもここでは、その後の歌詞にも出てくる「人生って色々ある」の意味が含まれており、それに「く」を付けて「歩く」という言葉にすれば、
「人生って色々あるけど、前を向いて歩いて行こう」
という、正に前向きなメッセージに変換されるのです。

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レクイエムforりななん

その後の歌詞の内容は、もう間違いなく
松野莉奈りななんへの鎮魂歌レクイエム
であり、ファミリー(エビ中ファンの総称)にとっては、涙なしには聴け(読め)ません😢

特に2コーラス目のアタマ、

【安本】
♪悲しみの越え方くらい
♪わりとだんだん分かってきたけれど

ここは初めて聴いたとき、りななんと公私ともに仲が良かった彩ちゃんに割り振られていることで、号泣せずにはいられませんでした。

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田村マジック

次に、サビに出てくる「ピース」という言葉にも、田村マジックが発揮されています。

1コーラス目
【ALL】
♪君と僕から繋げよう
♪この世界はひとつのピースだ

この「ピース」は「piece」で、
「部品、一片、1個、1枚、1編、1節」
という意味です。
世界はひとつ、僕ら一人一人も全部繋がっている、というメッセージです。

ところが、2コーラス目の「ピース」は意味が違い、またこの使い方が絶妙なんです!

【ALL】
♪0から1に繋げよう
♪その先には確かな2(ピース)だ

最初、ここを聴き、あれ?と思って歌詞カードの文字列を見ても、意味がわかりませんでした。

なんで「2」に「ピース」とフリガナがふってあるんだ?と。

しかし、歌詞に合わせて手でやってみたら、その意味が分かりました。

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ゼロ

から

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いち

に繋げよう その先には確かな

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ピース

だ!

この「ピース」は明らかに「peace」=平和で、1コーラス目とは意味が違っているんですね。

掛詞かけことばは作詞家の腕の見せ所でしょうが、田村さんのこの「0、1、2=ピース」の使い方は、他の人には真似のできない「田村マジック」だと思います。

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ずっと信じてたCOLOR

もうひとつ言葉のマジック。
それはタイトルの「COLOR」です。

これは前にも書いた「いろいろな」にかけたタイトルでしょうけど、歌詞の中にも面白い「掛詞」が展開されています。

【百田】雨が降るこの街で
【真山】虹が架かる喜び
【安本・佐々木】ずっと君と信じてたCOLOR

ここは、耳で聞くと
「信じてたから~」
としか聞こえないんですけど、歌詞に「信じてたCOLOR」と書いてあると、そこは直ぐに直前の歌詞「虹」の七色がパッと目に浮かんで来ますよね!

こういう、歌詞からイメージが浮かぶ言葉遣いの上手さが、「感情電車」の“春夏秋冬”や“朝昼夜”などでも見られるように、田村さんの真骨頂と言えると思います。

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ラストのコード

最後に。

作詞・作曲だけでなく、編曲も手掛ける田村さんの深謀遠慮しんぼうえんりょが出ている部分を挙げてみましょう。

それは、曲のいちばん最後の部分です。

この曲は、イントロから明るく生き生きとした曲調でアレンジされていて、メロディも歌詞も元気の出る内容となっています。

ところが、曲の最後の最後は、それにそぐわないような思いっきりマイナーで寂しげな、感じ方によっては不安感たっぷりのコードで終わっていますよね。

私はここに、田村さんの大切なメッセージが込められていると思っています。

この曲のテーマは前にも述べた通り、
「人生は色々ある。ただし、辛いことがあってもいつかそれは乗り越えられる。だから前向きに歩いて行こう」
という内容ですよね。

それは一人のメンバーの死という普通では考えられないようなことも、人生には起こりえるんだという、エビ中メンバーと我々ファミリーの貴重な経験則に基づいて語られていることです。

ですから。
辛いことを乗り越え、前を向いて歩いていっても、また何か別の辛いことが起きるかもしれない。それは避けて通れないことなんだよ、という意味が、この曲の最後の部分に込められているんだろうな、と私は解釈しています。

そして、そんなことが起きてもまた、曲の冒頭に戻って「いろいろあるく」ことで、それを吹っ切って行けばいいんだからね、と教えてくれているんだと思います。

たむらぱんさん、本当に素晴らしい曲をありがとうございました。

追記:2020年8月16日。新型コロナウイルス蔓延の中で、オンラインによる学芸会「all of our playlist」が配信されました。
3密となる会場での感染防止対策から、春ツアーや「ファミえん」「musicフェス」まで全てが中止となる中で、配信による学芸会を観れたのは本当にありがたかったですね。
そのオンラインライブで最後に披露された曲が、この「COLOR」でした。

改めて聴いてみると、
「今だからこそ、今聴くに価する曲だな」
と、感じました。

このレビューを書いた頃は、まさかコロナウイルスに翻弄されるこんな日がやって来るなんて、夢にも思わなかった。
明日、何が起こるかなんて誰にも分からないんだよ、っていうのを本当に実感させられましたよね。

それでも。
先が見えない、辛い日々ではあるけれど、この曲が伝える「明日を信じて歩いて行こう」というメッセージが心に沁みました…

明けない夜はない。
止まない雨はない。
そう信じて今日を歩いて行こうと、素直に思えました。

エビ中のみんなに出逢えて良かった。この楽曲に出逢えて良かった。本当に、本当にありがとう!(2020年8月23日)

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それでは。
書きたいことが多すぎたため、いつにも増して長文となってしまいました。
最後までお付き合い頂き、本っ当にありがとうございました。

次の全曲レビューその⑥は、いよいよ最後の2曲となります。お楽しみに!

では、また会えるから、この言葉が言えるんですよね。
ごきげんよう、さよならDestiny!

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好々爺Q(こうこうや・きゅー)
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