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胸糞悪い ヴェニスの商人

はじめに

ヴェニスの商人、聞いたことはあるよ~という人は多くても、実際に読んでみたことがある人は少ないのではないでしょうか。
昔の名著って、妙に小難しく書かれていることが多くて、今一つ手に取ってみようとまでは思いませんよね。
ところが、なんと!
漫画になっていました。👏
スンゲー面白い!!
漫画で読破シリーズ、ヴェニスの商人についての紹介をしていきたいと思います。

この話、ひどすぎる

あまり語るとネタバレになるんですが、こういう構図。

ヴェニスの商人ってこういう感じ

アントーニオは、街では聖人君子のビジネスマン。みんなからの人望も厚い。
シャイロックはただの金貸しなんですが、アントーニオからはゲスなヤツとバカにされます。

ところがある日。
アントーニオの友人がお金を貸して欲しいと言ってきました。
かなりの大金です。
お優しいアントーニオは、友人のためにお金を貸してあげたいのですが、ちょうどそのとき、ビジネスにお金を投資したばっかり。
手元にそんな大金は残っていませんでした。
だから、友人がお金を金貸しから借り、その保証人になることにしたのです。
かなりの大金ですから、どんな金貸しでもよいというわけではありません。
シャイロックに金を借りるしかありません。

シャイロックのもとに訪れた、アントーニオとの会話。

そのあなたが…クックックッ 俺に助けを求めているの図

シャイロック「3千ダカットか……それにしても大金だ」
アントーニオ「どうなんだ 貸してもらえるのか?」
シャイロック「でもね アントーニオさん。あなたには今まで何度となく罵られてきた覚えがある。犬畜生だと言われ、唾を吐かれもした。まぁ、しかしユダヤ人は忍耐強いですからね。我慢しましたよ」
シャイロック「そのあなたが…クックックッ 俺に助けを求めている」
シャイロック「さぁ、どう返事をしようか」
アントーニオ「私はこれからもお前を犬と呼び 罵り唾を吐く」

肉よこせの図

アントーニオ「友人に金を貸すと思うな。敵に貸すと思え。そうすれば利息も万一契約違反したときの違約金も取りやすいだろう」
シャイロック「……まぁ、そう言わず友好的に行きましょう。これまであなたから受けた仕打ちは水に流すとします。その証拠として3千ダガットは利息なしでお貸しする」
シャイロック「ただ、契約内容が真っ白というのも何なのでね。冗談でこういう文句でもつけておきましょう」
シャイロック「もし証文に記された契約内容に違反した場合……」
シャイロック「債権者シャイロックは債務者アントーニオの体の肉をきっかり1ポンド、好きな場所から切り取れるものとする―」

やっべぇな。

この本のどこが名著なの?

本を読む前まではもっと重厚な内容の本なのかと思っていましたが、別に今の週刊誌で連載していてもよさそうな内容で、名著というほどの話なのか?という疑問がもたげます。
この本の根っこは、
キリスト教(アントーニオ) VS ユダヤ教(シャイロック)
という構図の代理戦争なのです。

この本が発売された当時、ジャンルは喜劇でした。お笑いだったのです。 
でも、わたしが読んだ感想は、胸糞悪かった、です。
シャイロック、現代に当てはめると普通の銀行マンです。何も悪いことはしていない。
ところが、この後、ユダヤ人のシャイロックは様々な不幸に見舞われ、悲惨な目に遭います。悲惨な目に遭うユダヤ人をキリスト教徒がバカにして笑うという喜劇だったのです。

今でいう、質の悪いイジリですね。
最近、いろいろな本を読みますが、キリスト教ってひどくない?
ずっと何かを差別したり、攻撃したり。
名著と言われる理由は、当時のキリスト教徒がユダヤ人をどう見ていたのか、ホロコーストやユダヤ人がどうして自分の国に帰ることに固執するのかが一瞬で理解できることかと思います。


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