日本ではないと思うドイツあるある?
私達はこの公園の常連さん。会う時はいつもお天気に恵まれるので、このお決まりの公園で遊んでいる。
その公園は保育園に隣接していおり、いつも賑やかな園児の声が公園にも届いてくる。その声に誘われてElsaは閉められた保育園の門の前に立ち、柵越しに中の様子をじっと眺めている。
「ハロー。ハロー。」
と、柵を握りガタガタと揺らしながら声をかけることも多い。
この場合のハローは、私にはこう聞こえる。
「ちょっと~!!ここ開けてくれへん?私も入りたいねん。なぁなぁ!!聞こえへんの~?」
と。
彼女は一生懸命呼びかけているが、賑やかに遊ぶ園児の耳には全く届かない。というより、聞こえていたとしても、相手にしないといったところかもしれない。
そんなことで私も中を覗くことが多い。
日本で保育園には大変お世話になった。娘は3歳、息子は1歳の時に入園し、そして数年後卒園するまでの期間を過ごした。
私の子供達が通園していた時、私は保育の様子を普段見ることはなかったので、想像だが、このドイツの保育園は日本とえらく違うんじゃないかと感じている。
園内のあちらこちらにベンチがある。もちろんそこに座っているのは保母さんだ。ベンチに腰をかけて、子供たちが遊んでいる様子を見ているようで、保母さん同士おしゃべりをしている様子をよく見かける。
男性がいる。初めこの男性を見たときはお試し保育の園児の保護者かな?と思ったのだが、髭モジャで、お腹にスイカが入っていますか?レベルのビール腹のこの中年男性は、保父さんだ。
歩いているところを見ないほど、いつもベンチに腰をかけている。また時には隣に腰かけている保母さんとのおしゃべりが忙しそうだ。
そうかと思えば、大声をあげる。何しろ子供達が何かをして注意しようにも、子供たちから離れたベンチから動かないものだから、大声を出すしかない。
公園にも響くこの大声は、怒鳴っているととらえるしかない。_▁▂▃▅▆▇█▓▒
その度Elsaはその声に反応し、
「今の何 ( ̄∀ ̄)3?」と聞き、
私は「誰か怒ってはんな。」と答える。
Elsa はドイツ人と日本人のハーフなので、言葉はドイツ語と日本語が混じる。
「Hallo (こんにちは) 。」はドイツ語。
「はい。」は日本語。
「Nein ( いいえ ) 」はドイツ語。
「おっちん。」は関西弁を使う。
この「おっちん。」という言葉をママは使わないそうだ。
「座りましょうね。」に関しては、小琴おばさんの関西弁をElsaは採用していると、ママから聞かされた。
その日は園児達が、公園に遊びに来た。
この公園で遊ぶのはElsaしかいない時があり、お友達が来たとしても一人二人で、普段はひっそりとしている。
急に15人ほどの園児、大きさからして年長さんだろうが、ドサーーと来るとそこは別世界に変わる。
「ちょっと入れてくれへーーん。」と門前で声をかけていたElsaだか、あちらから突然大勢でやってこられると面食う。
やんちゃ姫だがお利口さんで、未知に関してはかなりの慎重派。大勢の大きい子を前に、しばらくの間、私に張り付いてじっと様子を伺うのがElsa流だ。
観察を終えて、Elsaも園児に混じる。
一向に回ってこない滑り台の順番を、そっと待っている。園児が滑る度に
「しゅうーー。」と声掛けをしながら、待っている。⸜(*˙꒳˙*)⸝
園児に付き添ってきたのは、その保父さんと保母さんの2人だ。
もちろん公園にもベンチはあるが、ベンチでなく卓球台に腰をかけ、そして・・・おしゃべりが忙しそうだ。
ドイツの公園にはかなりの確率で卓球台がある。
園児に何か問題があると、子供たちの方から悲鳴、泣き声があがるので、引率者はおしゃべりしていても大丈夫ということか?
滑り台で足を滑らし、お尻をおもいっきり打った女の子の泣き声。
砂を豆まきのようにまいていた男の子は、砂が目に入って悲鳴。
そしてスコップの取り合いをして、ケンカがはじまり、男の子が女の子を噛むという事件が勃発。噛まれた女の子が悲鳴をあげた。
すると保父さん、今回は大声を出すのではなく、のっしのっしと向かってきた。
威圧感が半端ない。
大人の私でも、髭モジャで大柄の中年男性が無言でこちらへのっしのっしと向かってきたら、猛ダッシュで逃げます。ε=ε=┏(゚ロ゚;)┛クルナァ!
保父さん、何も言わず黙ったまま噛んだ男の子の手を取り卓球台へ連れていき、そこに座らせた。その後も彼に何も言わない。
噛まれた女の子にも何ら声をかけない。実際、服を噛まれていただけで怪我はないかもしれないが。にしても・・・。
揉め事解決は、まずは何があったかを両者に聞くのではないのか?
その後も園に戻る時間まで、その男の子は卓球台に座らされたままだった。
以前も園内の様子を見ていた時に同じ光景を目にした。
その時は保母さんに暴言を吐いた男の子に対し、保母さんが激怒し、ベンチを指さし、( ง ˃̶͈⚰˂̶́)ง⁼³₌₃
「そこでじっとしていなさい!!」と声を荒らげた。
すると、そう言われた男の子はベンチに自ら座り、魔法でもかけられたようにそこに座ったまま動かないのだ。
5分10分ではない。その後、お遊びの時間が終わるまでずーーーとだ。
その時も何がいけなかったのかを、保母さんは説明することがなかった。
卓球台に座らされた男の子はというと、暫くして、静かに泣くでもなく「ママー ( .﹏. )。」と呟いた。
その時保父さんロリーポップを加えながら、「ママー (o´罒`o)ニヒヒ !」とその男の子の悲しそうなつぶやきを真似したのだった。
いつの間にかロリーポップを加えていたことにも驚いたが、それには100歩譲って目を瞑るが、子供の心に寄り添うことが全く感じられないその言い真似に、私達は嫌な気しかしなかった。
見えない檻に入れ「そこでじっとしていなさい。」という罰は、ドイツあるあるかもしれない。
( Elsa の話はこちらから )
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