Memo:中国・香港の証券取引所のサイトで目論見書にアクセスする方法
こんにちは。
中国大好きな竹内雄登です。
現在は、SPEEDAというデータベース向けに中国産業調査をしていますが、
前職は、ソフトバンクでベンチャー投資などのM&A業務をしていました。
日々の仕事やプライベートの時間を通して得た新しい知識などを
noteに残していくことにしました。
今日は中国・香港の証券取引所のサイトで目論見書にアクセスする方法についてメモを残します。
中国の上海・深圳証券取引所や香港証券取引所のサイトにアクセスしたことのある方はわかると思うのですが、中国語は分かっても、欲しい情報にたどり着くのが難しいですよね?
特に上場(IPO, PO)する企業の目論見書にアクセスしにくいです。
今日は、各証券取引所の超簡単なご紹介と目論見書含む私がよく使うページのリンクを載せていきます。
※各ページのキャプチャを貼ってご紹介した方がわかりやすいですが、念のためリンクだけ共有する形にします
中国の上海・深セン証券取引所や香港証券取引所の市場(ボード)については、また今度詳しくまとめたいと思います。
1. 中国証券監督管理委員会
中国証券監督管理委員会とは、
国務院直属。全国の証券、先物市場を統一して監督管理する。市場の秩序を維持し、法律に基づいた市場運営を保障する。
東洋証券
という組織で、証監会やCSRCと呼ばれています。
中国大陸(上海・深圳)で上場する場合、各証券取引所のサイトだけではなく、中国証券監督管理委員会のサイトに掲載されます。
上場時に公開される目論見書(中国語では招股说明书と言います)も掲載されており、そのページのリンクを以下に記載します。
http://www.csrc.gov.cn/pub/newsite/xxpl/yxpl/
ちなみに、目論見書とは、
自分たちがどのような想いで起業・事業を行ってきたか、どんなビジネスをどのようなビジネスモデルで行っているか、今までの事業実績はどうか、上場時に調達するお金は何に使う予定か、資本構成はどうなっているか、今後ビジネスをする上でどんなリスクがあるかなどが記載されているもので、投資家に自社の成長可能性をアピールし投資を呼び込むために使われます。
投資家は、目論見書を読んで、投資するかしないかを検討します。
2. 上海証券取引所
上海証券取引所はWikipediaによると、
1891年に設立され、1949年6月に廃止されるも1990年12月19日に営業を再開した。中国国務院の直轄機関とされる中国証券監督管理委員会(略称:中国証監会)が管理する非営利法人である。
Wikipedia
とのことです。
ちなみに、中国語では上海証券交易所と表記し、略して上交所と呼ばれています。
上海証券取引所にはメインボードのA株、B株のほか、アントフィナンシャルが上場予定だったスターマーケット(科創板)というボードがあります。
1月30日0:02現在、上海証券取引所全体では、1,856社が上場しています。
うち、A株が1,585社、B株が48社、スターマーケットが223社となっています。
上海証券取引所の上場企業数や上海証券取引所全体の時価総額、出来高、トランザクション数などは以下からご覧いただけます。
http://www.sse.com.cn/market/stockdata/overview/day/
上海証券取引所に上場している各社の株価や取引状況の一覧表は以下から確認できます。
http://www.sse.com.cn/market/price/report/
目論見書について、結論から申し上げると、上海証券取引所(メインボードA株、B株)で上場する/している企業の目論見書にアクセスするのは結構難しいです。
上場する企業は「上場しますよー!」という公告するのですが、そのことを中国語では「发行上市公告」と言います。
その「发行上市公告」一覧には以下リンクからアクセスいただけるのですが、その一覧に目論見書(中国語では招股说明书)が掲載されている場合もあれば、一覧にある別の公告をクリックした時に出てくる関連文書の中に目論見書がある場合もあれば、全く見つからない時もあります。笑
http://www.sse.com.cn/disclosure/listedinfo/listing/
本当は他の方法でスムーズに見つかるのかもしれませんが、私は上記方法でいつも探しています。
もし他の良い方法をご存知の方はぜひご教示いただけませんか?
なお、スターマーケット(科創板)に上場する企業の目論見書は容易に取得できます。
アクセスまでのステップは3つあります。
ステップ1は、「科创板股票发行上市审核信息披露」というスターマーケット(科創板)に上場する企業の開示情報がまとめられたページにアクセスします(以下リンクからアクセスいただけます)
http://star.sse.com.cn/star/renewal/
ステップ2は、アクセスした表の一番左にある「发行人全称」列に記載の企業名をクリックします
ステップ3は、その企業の開示情報ページにある「信息披露」という表の「招股说明书」行にある日付をクリックすれば、目論見書を読むことができます
3. 深圳証券取引所
深圳証券取引所は1991年6月に開設された取引所です。
中国語では深圳証券交易所と表記され、略して深交所と呼ばれています。
深圳証券取引所にはメインボードのA株、B株のほか、中小板(中小企業向けボード)や創業板(新興企業向けボード)というボードがあります。
1月30日0:02現在、深圳証券取引所全体では、2,409社が上場しています。
うち、A株が459社、B株が45社、中小板が1,000社、創業板が905社となっています。
深圳証券取引所の上場企業数や深圳証券取引所全体の時価総額、出来高、トランザクション数などは以下からご覧いただけます。
http://www.szse.cn/market/overview/index.html
深圳証券取引所に上場している各社の株価や取引状況の一覧表は以下から確認できます。
http://www.szse.cn/disclosure/deal/public/index.html
目論見書については、比較的簡単にアクセスすることができます。
アクセスまでのステップは2つあります。
ステップ1は、上述の通り、上場するという公告(发行上市公告)の一覧にアクセスします(以下リンクからアクセスいただけます)
http://www.szse.cn/disclosure/listed/notice/index.html
ステップ2は、その一覧表の「上市公司公告」というタイトルの真下に検索バーがあるのですが、そこに「招股说明书」と入力して検索すれば目論見書の一覧が出てきます。
4. 香港証券取引所
香港証券取引所はWikipediaによると、
2000年3月6日に、「香港聯合交易所」(聯合証券取引所)、「香港期貨交易所」(先物取引所)、「香港中央結算有限公司」が合併して成立した。同6月27日に自らの株式を上場し、2006年9月11日からはハンセン指数の構成銘柄となっている。このうち香港聯合交易所は1980年に香港證券交易所(1947年設立)、遠東證券交易所(1969年12月17日設立)、金銀證券交易所(1971年3月15日)、九龍證券交易所(1972年1月5日設立)が合併したものである。
Wikipedia
とのことです。
ちなみに、中国語では香港交易所(なぜか香港だけ香港"証券"交易所とは言わない)と表記し、略して港交所と呼ばれています。
香港証券取引所にはメインボードのほか、GEM(中小・成長企業向け)というボードがあります。
香港証券取引所に上場している各社の株価や取引状況の一覧表は以下から確認できます。
https://www.hkex.com.hk/Market-Data/Securities-Prices/Equities?sc_lang=zh-HK
目論見書については、簡単にアクセスすることができます。
「申請版本,聆訊後資料集及相關資料」という新規上場する企業の目論見書一覧にアクセスすれば各種目論見書をご覧いただけます。
(以下リンクからアクセスいただけます)
https://www1.hkexnews.hk/app/appindex.html?lang=zh
なお、「申請版本」は最初に発行する目論見書に該当し、「聆訊後資料集」はブックビルディングを経て発行される訂正目論見書にあたるものです。
以上、中国・香港の証券取引所に関する超簡単なご紹介と目論見書など各種データへのアクセス方法をご紹介させていただきました。
今後も随時レポートしていきたいと思いますので、
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竹内 雄登(Yuto Takeuchi)
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