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中国スタートアップ 資金調達Weekly Report_2021/02/12-2021/02/18_7w
こんにちは!
中国大好きな竹内雄登です。
現在は、SPEEDAというデータベース向けに中国産業調査をしていますが、
前職は、ソフトバンクでベンチャー投資などのM&A業務をしていました。
今年の2021年から、ITjuziというデータベースの情報をもとに、
Weeklyで中国スタートアップの資金調達状況について発信することにしました。
まずは事実を整理し、定期的に投稿することを目的としていますので、投資傾向や特定企業の分析が薄くなることは予めご了承ください。
※本noteにおける中国スタートアップは、中国を拠点とする非上場企業を指します
※本noteは速報の位置付けとしています
※投資件数・金額およびその他データは本note投稿時点にITjuzi上で集計できたものを反映していますので、後日ITjuziのデータが修正・削除された場合、Weekly Reportの前後で数値のずれが発生する可能性があります。ずれが発生した場合、遡及して過去分を修正しませんので、ご了承ください
このWeekly Reportでは、主に以下3点についてまとめていきますので、
お時間がない方は気になる箇所だけでも、ぜひご覧ください。
・各週の資金調達案件まとめ
- 資金調達件数(日別、業界別、都市別、ラウンド別)
- 投資金額(日別、業界別、都市別、ラウンド別)
- 資金調達実施企業リスト
・上記資金調達により、新たにユニコーンになった企業
・投資案件数上位10の投資家
では、早速本題に入りたいと思います。
1. 日別 資金調達件数・金額
2021年の第7週目である2月12日〜2月18日における、
日別の資金調達状況を見ていきます。
[資金調達件数]
2月12日〜2月18日の週は、中国の旧正月だったこともあり、
投資件数は少なく、合計22件となりました。
なお、今年の旧正月休暇は2/11の大晦日から2/17まででした。
1月1日からの資金調達件数の累計は597件となりました。
[調達金額]
非公開や曖昧な情報を除き、公開されている情報のみを集計したため、
あくまで参考としてのデータですが、2月12日〜2月18日の週では、
公開金額合計で23.5億元の資金調達が行われました。
また、1月1日からの調達金額の累計は900.8億元となりました。
なお、今週の22件のうち16件が金額非公開のため、
単純計算すると、今週の調達金額は集計できた金額の約4倍の規模になると考えられます。
2. 業界別 資金調達件数・金額
では、業界別に見ると、どうなっているのでしょうか。
[業界別 資金調達件数]
今週の22件の内訳を見ていきます。
業界別に見ると、医療・健康の資金調達が最も多く、5件となりました。
次いで、法人向けサービス、メディア、物流が上位に入り、
上位4業界だけで今週の件数全体のうち63.6%を占める結果になりました。
1月1日からの資金調達件数累計の内訳を見てみると、
上位4業界の医療・健康、法人向けサービス、スマートハードウェア、先進製造だけで、全体の58.5%を占めています。
[業界別 調達金額]
公開されているものだけのため、あくまで参考程度のデータですが、
今週は物流、法人向けサービス、メディア、医療・健康の順に多く、
上位4業界で全体の99.1%を占めています。
1月1日からの調達金額累計を業界別に見ると、
物流、医療・健康、法人向けサービス、自動車・交通の順に多く、
上位4業界だけで全体の67.1%を占めています。
3. 都市別 資金調達件数・金額
続いて、都市別の内訳を見ていきましょう。
[都市別 資金調達件数]
今週の22件を都市別に見ると、
上海、北京、杭州、深圳の順にランクインしました。
今週は上位4都市だけで全体の68.2%を占める結果となりました。
1月1日からの資金調達件数累計の内訳を見てみると、
上位4都市の北上深杭(北京、上海、深圳、杭州)だけで66.3%を占めています。
今週も5位以下には広州、蘇州、四川、南京、山東、武漢が安定的にランクインしています。
[都市別 調達金額]
公開されているものだけのため、あくまで参考程度にご覧いただきたいのですが、上海、山東、広州、杭州の順にランクインしました。
今週は1位の上海だけで全体の87.2%を占める結果となりました。
1月1日からの調達金額累計の内訳を見ると、
先週に引き続き、北京、深圳、上海に集中していることがわかります。
次いで、広州と杭州が多く、いわゆる北上深杭(北京、上海、深圳、杭州)や北上広深(北京、上海、広州、深圳)に大きく偏っています。
上位5都市だけで全体の86.1%を占めています。
4. ラウンド別 資金調達件数・金額
ラウンド別に見るとどうなっているのでしょうか。
[ラウンド別 資金調達件数]
今週の22件では、戦略投資が13件で1位となり、シリーズAが4件で2位になりました。
これら上位2つのラウンドだけで全体の77.3%を占めています。
1月1日からの資金調達件数累計の内訳を見てみると、
先週に引き続い、シリーズA、戦略投資、シリーズBの順に多く、
アーリーステージの企業による資金調達が活発であることがわかります。
[ラウンド別 調達金額]
公開情報のみをもとに集計した調達金額をラウンド別に見ると、
戦略投資が最も多い19.7億元となり、全体の83.8%を占めています。
次いで、シリーズAが1.8億元で2位となり、全体の7.7%を占める形となりました。
この2つのラウンドで全体の91.5%を占める結果となりました。
1月1日からの調達金額累計の内訳を見ると、
現状、シリーズA、戦略投資、シリーズCの順に多く、
上位3ラウンドでの合計は全体の56.9%を占めています。
5. 今週、新たにユニコーンになった企業
今週は新たにユニコーン企業になった企業はありませんが、
中国のユニコーン企業数は2021年2月18日時点で264社*になりました。
*ITjuziが公開しているデータのため、その他データベース等がまとめている数値と異なる可能性があります
6. 今週、資金調達を行った企業リスト
2021年2月12日〜2月18日に資金調達を行った企業は以下の通りです。
今週のメイントピックは、飞榴科技による資金調達だと思います。
同社はインターネットとAIを活用し、アパレル業界のデジタル化・効率化を行っています。
具体的には、各事業者のサプライチェーンの統合、在庫の最適化、生産プロセスの最適化やS2B2C*のプラットフォームを提供しています。
*S2B2C(供給者「S」→事業者「B」→消費者「C」の事業モデル)
同社のユーザーには、アディダスやノースフェイスなどの世界的アパレルブランドが名を連ねています。
今回のラウンドで、ByteDanceから資金調達を行いましたが、調達額は不明です。
ByteDanceは今まで幅広く投資していますが、今回は少し毛色の違う投資となっており、どのような戦略による投資なのかを見ていくためにも、今後も注目が必要です。
なお、今回投資家となったのは、ByteDance本家ではなく、その100%子会社である北京量子跃动科技有限公司からの出資のようです。
7. 今週末時点での投資件数TOP10の投資家
2021年の投資件数TOP10の投資家は以下の通りとなりました。
※順位の矢印は先週との比較を表しています
テンセントは今週3件の投資を行い、
先週に引き続き1位にランクインしました。
今週の投資先の業界には、ゲーミング、医療・健康、法人向けサービスがそれぞれ1件ずつありました。
セコイアチャイナも先週同様2位にランクインしました。
今週の投資案件は1件となっており、医療・健康へ投資しています。
以上、今週の中国スタートアップ資金調達レポートでした。
今後も毎週レポートしていきたいと思いますので、よかったらスキとフォローをお願いします。
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竹内 雄登(Yuto Takeuchi)
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