食パンよりコーンフロスティ!
(読了目安6分)
ケロッグの「コーンフロスティ」というシリアルフードをいただいたときの話です。
コーンフロスティの箱を手に取って眺めていると、パッケージに印刷された栄養価を示すグラフに違和感を覚えました。
コーンフロスティが優れた食品だと感じてしまうようなグラフだったからです。
※以下、ケロッグの批判になるような内容ですが、あくまでも本質を伝えることが目的で、ケロッグに悪意はありませんのでご了承ください
マスターが気になったこととは・・・
なんと、「コーンフロスティ」は、栄養が「満点」らしいんです。
パッケージを見ると、管理栄養士の女性が、「食パンをコーンフロスティに換えるだけで栄養満点」とコメントし、「子供のために」と推薦しているんです。
みなさんは、その管理栄養士に子供がいたとして、コーンフロスティを食べさせていると思いますか?
本当に栄養が「満点」なら、管理栄養士の子供の全員が食べていてもおかしくないですが、実際はそんなことはありません。
ケロッグの社員も、きっと食べていない人はいます。
それはなぜか・・・
主に4つの理由があります。
第一に、初めから栄養満点だと思っていない。
第二に、他の食品でも代用できるとわかっている。
第三に、他においしいものを食べたいから。
第四に、コストがかかるから。
などです。
◎グラフの見方
マスターがGoogleで検索したグラフがあります。
コーンフロスティのパッケージには、食パンと栄養を比較したグラフがあるんですが、グラフにある全ての項目で、コーンフロスティが優れていました。
※3つのグラフはどれも食パンとコーンフロスティの比較です。
食パンよりコーンフロスティの方が全ての項目で優れていますが、それはいったいなぜでしょう。
(一瞬でわかった人はすばらしいです)
主に2つの理由があります。
・・・それは、
ひとつは、コーンフロスティの項目に「牛乳」がプラスされているからです。
牛乳200cc分の栄養がプラスされているんですから、栄養価が高いのは当然です。
牛乳の存在については、グラフ1が一番わかりにくく、徐々にわかりやすくなっています。
特にグラフ1は、コーンフロスティだけの栄養素について書いていると誤解させようとしている、悪い意味での企業努力がわかるグラフです。
ふたつめは、優れている項目しか書いていないからです。
コーンフロスティが食パンより劣る項目を書いていないんです。
どんな食品にも長所と短所がありますが、グラフには長所しか書いていないため、全ての項目が優れているように表記されているわけです。
ケロッグはウソをついているわけではないので、グラフを掲載しても違法ではありません。
ただ、たとえば、国が決めた基準で、100項目の栄養素について円グラフを書く必要があれば、食パンより劣る項目もたくさん出てくると思います。
その他、コスト面にも注目する必要があります。
グラフにある「食パンとバター&ジャム」は、30円程度のコストです。
一方、コーンフロスティは牛乳200ccだけで30円を超えてしまい、合計70円程度のコストになります。
コスト面では、コーンフロスティが2倍以上かかるわけですから、食パンを2枚食べるかビタミン系のサプリメントで補う方が合理的かもしれません。
ということで、企業が宣伝するグラフだけを見て、「食パンよりコーンフロスティ!」なんて言っていると、大切なものをなくすかもしれませんから気をつけてください。
「大切なもの」というのは、「知恵のある人とのかかわり」です。
知恵のある人は、そのグラフに一喜一憂している人を見て、「残念な人」だと判断します。
また、ケロッグの社長や社員から見れば、大切な「お客様」ではありますが、「利害抜きで長く付き合う対象」としては見ないと思います。
さらに、「栄養満点だからコーンフロスティ!」と言っている人が、脂肪の吸収を阻害するお茶や、「カロリミット」のようなダイエット系食品を飲んでいたら、違和感がありますよね。
◎まとめ
食品の栄養素について、その商品のパッケージにある「栄養比較のグラフ」を見るときは、「自社商品の短所は書かない」ということを覚えておきましょう。
仕事探しのとき、履歴書に自分の悪いところを書かないのと似ているかもしれませんね。
以下、参考までに、興味がある人は見てみてください。
食パンとシリアルの栄養成分についてのサイトです。
このサイト自体の信用度についても冷静に考えつつ、みなさんの知恵で解釈してみてください。
単純に見れば、食パンにも優れている部分があることがわかると思います。
特に一番下の横棒グラフで比較するとおもしろいです。
「食物繊維・葉酸・セレン・モリブデン・亜鉛」などは、食パンが優れていることがわかります。
だからと言って「やっぱり食パンが最高!」もヘンですよ。
情報に振り回されず、なんでもおいしく食べられる人が愛に近い人です。
「食」については、今後もいろいろ書いていきますので、楽しみにしていてください。
以下、「カロリーSlism」というサイトからです。
食パン
http://calorie.slism.jp/101026/
シリアル
http://calorie.slism.jp/101137/
余談:「悪い意味での企業努力」とは
悪い意味での企業努力とは、企業の利益のために、消費者に誤解させるような内容を宣伝することです。
マスターはレストランの経営をしているため、15年以上同じ商品を買い続けていますが、「ステルス値上げ」と呼ばれる実質値上げ行為を何度も見てきました。
ステルス値上げとは、数字的な値上げをせず、商品の量を減らす方法で、大手企業でもやっています。
「値上げをしません!」と宣伝し、それはたしかにそのとおりなんですが、量を減らしているわけです。
企業は、商品の量を増やしたときには「10%アップ!」と大きく宣伝しますが、減らしたときは「10%ダウン!」と宣伝しません。
つまり、黙って20%減らし、その後10%アップした場合、企業は「10%アップ!」と宣伝し、消費者にはお得な買い物だと誤解させることができるわけです。
また、美容やダイエット系の商品の宣伝の多くは、悪い意味での企業努力がほとんどです。
本来企業は「社会貢献」を目的に設立されますが、その大半は、悪い意味での企業努力に専念しているように見えます。
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