恋愛と結婚の違い マスターの結婚観と結婚生活
(読了目安11分)
◎恋愛と結婚の違い
恋愛と結婚の違いについてです。
ここで言う「結婚」とは、婚姻関係だけでなく、同棲や内縁関係など、パートナー同士が長期間一緒に生活することと考えてください。
さて、恋愛と結婚の違い、それは、
恋愛はお互いの「プラス表情」を見ることが多く、結婚はお互いの「マイナス表情」を見ることが多くなる、
ということです。
一概に言えませんが、他にも以下のように言えます。
恋愛は、インスタの写真(表舞台)。
結婚は、インスタの写真に写らない部分(舞台裏)。
恋愛は、2人でおいしいものを食べる作業。
結婚は、2人でおいしいものを作る作業。
恋愛は、お互いのこと。
結婚は、全体のこと。
恋愛は、2人で娯楽を楽しむ作業。
結婚は、2人で困難を乗り越える作業。
恋愛は、社会的責任と社会的信用が「小」。
結婚は、社会的責任と社会的信用が「大」。
恋愛は、最高の状態の共有。
結婚は、最低の状態の共有もあり。
恋愛は、基本的に相手から好かれようとする行為ですから、お互いが最高の状態を見せる努力をすればいいだけです。
しかし結婚は「生活」ですから、いつも最高の状態でいられるはずはありません。
恋愛とのギャップを感じるのが「結婚」です。
極論すると以下のようなことです。
仮に、恋愛経験が少ない男性が、人気アイドルと結婚したとします。
夫は、妻(人気アイドル)の笑顔がプライベートで自分だけのものになると喜びます。
しかし妻は仕事で笑顔を作っているだけですから、私生活の中で営業用の笑顔は作りません。
夫としては、自分にだけ笑顔になってくれない人気アイドルと一緒になるわけですから、結婚当初の思惑が逆になります。
そして「僕は君の夫だよ。君にとって最愛の夫なんだから最高の笑顔でいてくれよ!」と要求し・・・最悪の場合は妻が逆ギレして離婚です。
また、これは実際の話なんですが、マスターの知人女性が高級アパレルショップで仕事をしていたんです。
彼女は店の常連客に口説かれて結婚しました。
しかし、すぐに夫婦間の歯車が狂ってしまい、うつ病になってしまいました。
歯車が狂った理由は単純です。
夫が妻に対して「接客と同じ態度」を求めてしまったんです。
つまり、「いつもニコニコして、なんでも言うことを聞く女性店員さん」という態度です。
彼女も人間ですから、それに応じることはできませんでした。
夫としては、憧れの店員さんを独占した気分でいたのかもしれませんが、それが全く逆になってしまいました。
店員とお客様の関係のときは、言ってみれば「恋愛」だったんです。
彼は「結婚したら恋愛気分が毎日続く」と思っていたのかもしれません。
恋愛と結婚は違います。
恋愛は恋愛として楽しむ、結婚は結婚として楽しむ、このケジメが曖昧なままだと、結婚後に苦労することになると思います。
ここから下はマスター個人のことです。
「恋愛と結婚の違い」とはあまり関係なく、はっきりとした結論もないので、興味がない人はここまででいいと思います。
◎マスターの結婚観
短い恋愛を繰り返していれば楽しいことばかりなのに、人はなぜ結婚しようとするんでしょうか。
結婚という制度は、人間の歴史の中で「あった方がいい」と判断されたからあるはずです。
つまり、今の人類の知恵の範囲で人口を効率よく増やすために欠かせない制度だということです。
マスター個人としては、20代のころ東京でフラフラ遊んでいたため、「落ち着きたくなった」という気持ちが強かったように思います。
31歳のとき今の妻と出会い「この人だ!」と思ってからは素早く行動したと思います。
子育てしたいという思いもありましたから、子どものことを考えれば、「結婚」という形をとった方が、話は単純だという思いもありました。
結婚後20年間、いまのところ平和に暮らしています。
マスターから若いみなさんへ助言できることは、平和に結婚生活をしたいなら、相応の努力や覚悟が必要だということです。
「愛があればどんな困難でも・・・」というのはまったくあてになりません。
そもそも愛の定義は人によって違いますからね。
マスターは接客業をしていることもあり、夫婦の姿をたくさん見てきたので、よくわかっていることがあります。
それは、世間体や将来の不安、親からのプレッシャーなどの理由で、無理に結婚しても、ろくなことはないということです。
「結婚」そのものは誰でもできるんですが、それを平和に続けることが難しいんです。
結婚というのは、恋愛の延長ではありません。
結婚してからは、お互いだけのことではなく、自分と相手の家や周囲の人たちも関わるようになります。
つまり、相手の人生にも強い影響を与えるのが結婚です。
人間は永遠に健康でいられるはずもなく、「病気」のリスクは常についてまわります。
実際、多くの夫婦が50代までになんらかの病気を発症し、病気の種類や程度によっては生涯付き合うものになります。
※病気になって身動きがとれないときには、配偶者のありがたみを感じる場面が増えます
マスターの場合は、妻のことを好きになり、子どもが愛しくてしかたない「至福のとき」を迎えた瞬間、それを失う恐怖が隣り合わせだということに気付きました。
「こんなに好きな人たちと必ず別れなければならないなら、結婚なんかしなければよかった。誰も好きにならなければよかった」という思いが時々マスターの頭をよぎります。
今となっては、独身のまま多くの女性と表面的な付き合いを続け、誰も本心から好きになることなく生きていた方が楽だったのかもしれないと思うこともあります。
好きな人ができるというのは、人を好きになる実力があるからできることで、喜ばしいことなんですが、一方で「人間依存」と言うこともできます。
誰にも依存せず生きていく力があるなら、別れの恐怖を味わうこともないわけです。
結婚を考えている人は、なぜ結婚したいのか考えてみてください。
一緒に住みたいだけなら、同棲で充分です。
子どもが欲しいなら、結婚せず「養子」を検討する方法もあります。
高齢になったとき、病気の介護のことが心配なら、ヘルパーを雇えます。
抱き合う相手が必要なら、極論すれば「お金」でなんとかなります。
喜びを分かち合う相手が欲しいなら、そもそも「結婚」にこだわる必要もありません。
寂しさを癒したいなら、今の時代はお金で話し相手を雇えます。
そう考えていくと、結局は「自分のことだけ見てくれる・自分を理解してくれる・抱き合える・お金抜き」、そんな関係でいられる人が欲しいから結婚するということになりそうですが、そのために本当に「結婚」が必要なのかは疑問です。
なぜ結婚するのか・・・
その「なぜ」がわかってしまえば、結婚しなくても解決できる問題かもしれませんし、結婚しない方がむしろ高いレベルでその欲をかなえられるかもしれません。
マスターが結婚したかった理由は、妻と一緒に子育てとレストランの経営をしたかったからです。
しかし、なぜ一緒にそれをしたいと思ったんでしょうね。
子どもが欲しいと思ったのは、自分が大人になったからだと思っているんですが、人間が子どもを欲しいと思うのは、やっぱり本能なんでしょうか。
また、レストランの経営を考えたのは、「サラリーマンになりたくなかった」、という理由だと思います。
ネクタイを締めたくなかったんです。
結婚して自営業をして、一人前として認められたかったという欲もあった気がします。
一人前として認められたかったのは、闘病生活が続いていたこともあり、自分に自信がなかったからなんでしょうか。
「妻と2人ならなにをしても楽しそう」というワクワク感もありました。
妻はいつもやりたいことをやらせてくれて、ほめてくれたので、マスターは、やりたいことをやって褒められたいだけなんでしょうかね。
いろいろ書きましたが、マスターはいま、結婚して本当によかったと思っています。
生活では、「健康問題」を中心に細かい問題はあります。
しかしそれ以上に、環境に恵まれた日々を送ることができ、感謝しかない毎日です。
もちろん「そう思わないと今後の人生やってらんないよ」という気持ちも混ざっているのかもしれません。
考え始めると止まらなくなりますね。
◎マスターの結婚生活
マスターと妻はお互いに30代で結婚しました。
人生経験があったおかげで、結婚生活はうまくいっている方だと思います。
マスターは東京在住時代、半同棲生活を20人以上、最長で9年間経験したことがあるので、女性のことについてはある程度理解していたと思います。
妻は一度の離婚を経験し、結婚生活とはどんなものか経験していました。
お互いに、「恋愛と結婚は違う」と理解した上で結婚したんです。
マスターの結婚生活で、ひとつだけ既婚者は誰も信じてくれないことがあります。
それは、「ケンカをしない」ということです。
20年間、お互いに感情的な言葉を相手にぶつけたことはありません。
それをするから争いになると、それまでの経験でわかっているからです。
べつになにか言いたいことを我慢しているわけでもないんです。
言いたいことは、必ず伝えていますからね。
ただ「ストレスを溜めない方法」を実践しているんです(このnote全体に書いている考え方を実践しているだけです)。
結婚すると、恋愛中よりも「マイナス表情」が増えるのは当然だと思います。
妻の場合、一番は「生理痛」の痛みによる辛そうな表情でしたし、頭痛や肩こり、ぎっくり腰などの苦しい表情、そしてケガの痛みなどです。
また、価値観の違いをすり合わせるときの話し合いは、笑顔でするものでもありませんから、考えたり困ったりして、どうしてもマイナス表情になります。
生活上の困ったことがあったときも、マイナス表情になります。
女性は妊娠してつわりがひどくなったり、お腹が張ってきたり、陣痛や出産の痛みのときも、マイナス表情が増えます。
子どもが産まれてからは、寝不足や忙しさで、夫婦共に表情は険しかったと思います。
ただ、「怒り系」のマイナス表情はありませんでした。
怒りのマイナス表情、そしてマイナス発言は、必ずトラブルのもとになるので、絶対にやってはいけないことなんです。
「わかってよ!」という気持ちが一番やっかいです。
それを言うと相手も同じ言葉を返すか、黙って浮気をしてしまいます。
だから怒りの感情を表に出してはいけません。
マスターと妻は、お互いに完璧ではなかったとしても、20年間それを実践してきました。
あとはマイナス発言があっても、それを柔らかく受け止めて、できるだけ優しく返すことも争いを避けるコツです。
「ケンカをしないのは、お互いに遠慮してなにも言えないからだ。実際、ケンカするほど仲がいいという言葉があるじゃないか」
こんな話を聞くこともありますが、それはケンカをしないステージを体験したことがない夫婦の言葉です。
人間付き合いのステージは、出会ったばかりの遠慮によってケンカをしない「ステージA」を経て、徐々に時間が経つと、お互いの甘えによってケンカをする「ステージB」に入ります。
ステージAと比較すれば、ステージBは二人の関係が深くなった結果のケンカですから、当然ステージAと比較すれば「仲が良い状態」と言えます。
これが、「ケンカするほど仲が良い」と言われる理由です。
ただ、この先があります。
人間は本来誰でもケンカをしたくないわけですから、さらにステージが進むと、ケンカをしない「ステージC」に入ります。
これが、遠慮も甘えも超えた誰もが望む「ケンカをしない状態」です。
本当に仲がいい夫婦は、ケンカをしないんです。
ですから本質は、「ケンカをするほど仲が悪い」となります。
しかし、ケンカをしないステージを知らない人は、自分たちにできないため、「ステージC」があることを信じられないんです。
余談:レストランの厨房で
マスターはレストランの厨房で仕事をしていますが、厨房の中でも、感情的な言葉を出すことはありません。
飲食店の厨房でよくあるのが、スタッフに怒鳴ったり、「あの客ムカツク!」などと感情的になる一方、お客様の前では愛想がいいというパターンですが、表と裏で態度を変えるとストレスが溜まるのでマスターはやりません。
厨房とお客様の前で態度が変わることなく、いつも楽しく仕事をしています。
以上です。
恋愛や結婚について、なにかのヒントになれば嬉しいです。
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