100%当たる電話占いはあるの?
(読了目安8分)
占い好きの若い女性へ、注意喚起の記事です。
大人の女性には退屈な内容かもしれませんが、興味がある方はぜひお付き合いください。
ここでは「霊能者」の定義を、「特殊能力者」としておきましょう。
現在の人間の実力では、「霊」の定義があいまいですからね。
・・・
いるらしいんです。
「100%言い当てる霊能者」が。
以前、
「なにも聞かずに100%言い当てる」
「当方には本物の霊能者しかいません」
という「電話占い」の広告バナーが目に止まりましたが、相手のことを100%言い当てる霊能者は、実際にいると思いますか?
答えは、
「いません」
です。
それはなぜでしょうか。
たとえば、2歳の子供がカミソリの刃を持ったらケガをするかどうか・・・この程度ならみなさんも本人より的確に、100%言い当てることができます。
これは、2歳児より人生経験があるからです。
それと同じように、50歳の人なら、中学生の恋愛がどうなるかぐらいなら、ほぼ当たります。
しかし、どんなに人生経験がある人でも、他人のことを100%言い当てるのは不可能です。
もし100%言い当てることができる霊能者がいたら、本人が苦しくて生きていけなくなります。
仮にあなたが「100%言い当てられる霊能者」だとしましょう。
もし100%言い当てることができたら、あなたは、他人の本心や未来のことが全部わかってしまうんです。
これはかなり辛いです。
たとえば夫や姑の本心が全てわかってしまったら、平和な結婚生活を続けることはできるでしょうか。
さらに、「他にも自分と同じ能力の人がいるかもしれない」と思ってしまうんです。
ということは、自分のことが全部見透かされているという緊張が常にあるんです。
相手のことが全部わかり、自分のことも全部バレている・・・かなりキツイですよね。
もし「100%言い当てる霊能者」の集会なんかあったら、その場がすごくぎくしゃくしてしまいます。
しかし、実際に集会があったとしても、きっと霊能者たちは飲み食いしながら、楽しい時間を過ごすはずです。
なぜなら、霊能者たちは、「100%言い当てる」なんて本当は信じてないからです。
たとえば、100%言い当てる霊能者のAさんとBさんがいたとします。AさんがBさんを占ったところで、BさんはAさんの言葉を信じないはずです。
また、あるときあなたが5人の霊能者に鑑定をお願いしたとします。
彼らが100%言い当てる霊能者なら、5人が同じことを言うはずです。
しかし実際はどうなるでしょう。
興味がある人は試してみてください。
違う視点から見れば、もし「100%言い当てる霊能者」がいるなら、国家間でその霊能者を奪い合うことになり、その霊能者を抱えた国と敵対する国から命を狙われます。
しかし国は「自称100%言い当てる霊能者」がいても無視していますし、霊能者たちだって、自分が国同士の奪い合いに巻き込まれるとは思っていません。
霊能者本人が信じていない能力を「100%言い当てる」と言って売る行為は、飲食店を経営するマスターで言えば、自分がおいしいと思っていないものを、「おいしいです」と言って売ったり、「日本産です」と言って外国産を売る行為です。
これでは売る側がストレスを抱え、愛のようなものしか手に入れることはできませんから、さらにストレスが溜まり、悪循環におちいります。
そんな悪循環の中で生きている霊能者たちは、自分の力を愛のために使っていませんから、仕事をするほど疲れがたまって自分の力を発揮できなくなり、ついには物事がうまくいかなくなり、仕事から離れることになるはずです。
「明日にでも仕事を辞めようか」と思っている疲れ果てた占い師に占ってもらい、それを信じて生きていくことは、はたして「愛」と呼べるでしょうか。
◎それでも「信じる」という人は
電話占いの会社のHPには、おもしろいことがたくさん書いてあります。
たとえば、「本物の霊能者しかいません」と言うわりには、HP上で霊能者を募集していて、電話オーディションをしているサイトがあります。
「本物の霊能者」を採用するわけですから、もし電話をしてくる人の中に本物の霊能者がいるなら、電話採用の担当者はピンチです。
自分の心が見透かされ、会社がなにを考えているかバレてしまうんですから。
それに、本物の霊能者側から見れば、電話採用の担当者の腹黒さが見えてしまって、そんな会社で仕事をするのはいやになるでしょうしね。
また、サイト内にある霊能者の「採用条件」を読むと、「常識がある人」などいくつか書いてありますが、採用に必要な条件は、なにひとつないはずです。
なぜなら、「100%当たる霊能者」を、採用担当者として使えば、相手のことは全部わかるんですから。
仮に、マスターがその会社の電話占い師募集のオーディションに応募し、合格なんかしたらどうしましょうかね。
マスターが「え?ぼくって本物の霊能者なんですか?」と質問したくなります。
「ぼくはカレー屋のオヤジです」と言っても、きっと会社からは「いいえあなたは今から本物の霊能者です」と言われるわけです、だってその会社には、本物の霊能者しかいないんですから。
いろいろ書きましたが、占いがどういうものかというのは、自分が占い師になってしまえばわかります。
「特別な人」などいなく、みんなただの不完全な人間です。
「特別な人」がいるように感じるのは、「自称特別な人」と、特別な人に実在してもらいたい人(大人になれない人・寂しい人)の双方の依存関係があるからです。
◎電話占い師との生活
実は以前、30代半ばの電話占い師と生活を共にしたことがあり、マスターは彼女から、電話占い師になることをすすめられました。
「マスターならできます、ヒマな時間にどうですか?」と言われたんです。
しかも彼女から人生相談を受け、一応マスターなりの答えを伝えました。
彼女は独身で、結婚したかったんですがそれがかなわず、自分が作ったアクセサリーのネット通販と電話占い師で生計を立てていました。
生活態度を見て、彼女が結婚できない理由はすぐにわかりましたが、その時点では、理由を言わないのが愛だと感じたので伝えませんでした。
「もし結婚できなかったらどうするの?」
とマスターが伝えたところ、
「自宅でヒーリングサロンでもやろうかと思っています」
との答えでした。
しかし人生をあきらめかけた人に、癒しのパワーを出すことはできませんから、きっとそのサロンも中途半端な経営になってしまいます。
占い師でも、自分の恋愛は占えないわけです。
◎電話占いの限界
さて、大切なところですが、電話占いを利用し、電話占いに夢中になり、お金と時間を使う女性は、長く愛されるでしょうか。
恋愛系の話で例えてみましょう。
もし嫌いな男性がいるなら、その人のことを思い出してみてください。
きっと、「彼のこんなところが嫌い」という部分がいくつかあると思います。
仮にその男性が、「電話占い」に夢中になったとして、あなたは彼の悪い部分が改善されると思いますか?
もし改善されると思えるなら、電話占いに意味はありますが、改善されないと思うなら、電話占いは意味がないということです。
長く愛されない理由の原因には、体型、口臭、体臭、悪いクセなどがあります。
声しかわからない「電話占い」では、それらを指摘してもらうことは不可能です。
それらが原因で人間関係がうまくいかない人は、電話占いで状況を好転させることは困難なんです。
◎まとめ
占いは「資格なし」で誰でもすぐに開業できる仕事です。
占いを仕事に選ぶ人たちの多くは、社会貢献がしたいわけではなく、少ない資金でお金を集めることが目的です。
そして、占いを頻繁に利用する人は、人間関係が不安定になり、「信用できる人」がいない生活環境になっている場合がほとんどです。
また、占いは、「100%言い当てる!」などの過剰な広告が通用する世界です。
占いの世界に愛があるか、そして占いに関わる人たちが長く愛されるかどうか、答えは明らかと言えます。
占い業界の全てに愛がないとは言いません。
マスターも、求められた時は愛をこめて助言をしますが、やっていることは、誠実に仕事をしている占い師と変わらないんです。
ただ、「100%・本物」などの看板を掲げて過剰な広告をするのは、「商業占い」であって、「愛」ではないと思います。
余談1
マスターの知人に、事情があって子どもを授かる可能性のない夫婦がいます。
その夫婦が占いに行ったとき、「将来子どもを2人授かります」と言われ、「まあ、そういうものでしょうね」と笑っていました。
余談2
みなさんは、「JARO(ジャロ)」という組織を知っていますか?
過剰な広告に対して改善を求める団体なんですが、「100%言い当てる!」という過剰な広告について報告した場合、どんな対応をするんでしょうか。
マスターは20年以上前、JAROに似たような報告をしたところ、「この会社だって生活がかかってるんだから」と叱られたことがあります。
以上です。
最後までありがとうございました。
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