「苦言」の大切さ (ペーパードライバー教習での注意事項)
(読了目安14分)
今回の話は、「他人からの苦言が、いかに本人の成長や周囲との調和に大切か」、「苦言によって自分が気づかないことを気づかせてくれる」、という話です。
長めの投稿です。
「苦言」というのは、わかりやすく言えば、「その強烈な口臭をどうにかしてください」とか、「人前で大きな音でタンを吐かないでください」などです。
口臭は、周囲の人が迷惑し、その集団のパフォーマンスを落とします。
また、大きな音でタンを吐くのは、本人の価値を下げ、周囲の気分を害し、食事中であれば周囲の食欲を減退させますから、今の日本の文化では愛ではない行為です(海外では当たり前の地域もまだあります)。
口臭やタンがない方が、本人にとっても周囲にとっても愛なんですが、本人は気づかず、「なぜか人が離れていく・長く続かない」という状況になってしまいます。
ですから、口臭やタンについては、本人に伝えた方がいいんです・・・
しかし・・・
みなさんはきっと他人に対して「苦言」を言いませんよね?
マスターだって妻以外は、望まれない限り苦言なんて言いません。
理由は、「相手が傷つくかもしれない」「関係がギクシャクする」「嫌われたくない」「余計な誤解をされたくない」などがあるからです。
そう、苦言は、言う方も言われる方も苦しい・・・だから「苦言」なんです。
※念のため確認ですが、ここで書く「苦言」は、「感情に任せた暴言」のことではないですからね。
では、なぜ大切な人には苦言を言うのか・・・
「大切な人だからこそ言ってはいけない」という考え方もあるかもしれませんが、マスターはそれは愛ではないと思っているんです。
マスターが大切な人に苦言を言うのは、より良好な関係を長く続けたいから、そして、その人の将来を考えてのことだからです。
付け加えると、
「成長したいと願っていても、本人は気づかないところがあるから」
「苦言を言われて感謝できる人だと信じることができるから」
「お互いの信頼があり、苦言によるトラブルはないと信じることができるから」
「苦言によるお互いの苦しみを乗り越えることが愛する努力だと思うから」
などです。
たとえばマスターと妻の関係で言えば、マスターが死んでしまったら、妻に苦言をする人がいなくなるかもしれません。
妻は、言われれば喜んで改善しようとする人だとマスターは信じています。
ですから全力を尽くして伝えるんです(と言っても伝える頻度は少ないんですけどね)。
苦言は、お互いの信頼関係があれば「愛への近道」になるということを覚えておいてください。
以下に続きます。
◎「甘言」コレクター
「苦言」の反対の言葉として「甘言(かんげん)」がありますが、あなたは甘言コレクターになっていないでしょうか。
「甘言」をくれる人ばかりを集める「甘言コレクター」に、大人としての成長はありません。
「私は褒められて伸びる」というのは子どもの世界の話です。
また、大人になっても褒められ、甘言ばかり言われるなら、それはただ子ども扱いされているだけです。
甘言コレクターといえば、マスターは、明らかに「甘言」の中で育ってきた20代半ばの女性、K子さんを思い出します。
(以下、半分フィクションです)
K子さんは有名大学卒業後、大手ファッション系会社に就職し、24歳からは、その会社のいくつかの支店で店長を勤めた可愛らしい女性でした。
自分でも有名大学を出ていることは誇りに思っているらしく、「私は聡明なお嬢様」と自負していました。
「みなさんいい人だったんですけど、私が求めるものはありませんでした」
「職場にイイ男はいませんでした」
「私に逆らう人はいませんでした」
と言うように、職場で大きな対立などはなくても、基本的に周囲に対して不満があり、まもなく退社したんだそうです。
マスターが受けた印象を簡単に言えば「K子さんは甘言の中で仕事をしていた」ということです。
K子さんは「甘言」の中にいるだけでは、欲しいものが手に入らなかったわけです。
K子さんが「自分の力を客観視してみたい」と言うので、よく観察すると、いろいろありました。
K子さんが、自分に近づいてきた男性をバカにするのは、男性がK子さんを子ども扱いし、バカにしている、つまり男性がK子さんの身体を求めて「甘言」ばかりを浴びせたため、「私は大人の女よ」と勘違いをしていたからでした。
あたりかまわず男性をバカにする女性は、「自分がバカにされた結果、男性をバカにするようになった」と気付かないんです。
そして、マスターはK子さんのためにと思っていろいろと苦言を言ったんですが、K子さんはびっくりしてしまい、な、なんとマスターは、露骨に嫌われてしまいました・・・
(その後マスターは、少しだけ自分の発言に慎重な男になりました、ありがとうK子さん)
K子さんが求めるものは、「甘言の中にいたい、でも成長したい」ということなんです。
しかしその考え方は、「食べたい、でも体重は減らしたい」と同じですから、やがて限界がきてしまいます。
K子さんが言いたいことをもうちょっと踏み込んで書くと、以下の太文字のような内容です。
「私は向上心がありますから苦言を聞く準備はあります。でも周囲が私を理解して、私を傷つけないように慎重に助言してください。苦言の後はタイミング良く褒めることも忘れず、私の望むように教えてくれたら私は成長できるんです。私が私の力を発揮できるかどうかは、マスターの教え方次第です。もし私の機嫌を損ねるようなことを言ったら、私は成長できませんよ、マスターががんばってくださいね」
う~ん、そんなのムリですよね・・・
言葉は悪いですが、「食べたい、でも食事は減らしたくない」と言っていると、ダイエット業界から以下のようにカモにされますよね。
「そうですよね、健康のためには、食べながら痩せてください!食べて健康的に痩せたあなたは美しいです!」
「運動のために外出するのは大変でしょ?家の中で運動できるダイエットマシーンがありますよ!このマシーンは科学的に効果が証明されていて、有名モデルも使ってますよ、食べながらでもダイエットできます!」
同じように「成長したい、でも苦言は聞きたくない」などと言っていると、
「あなたは悪くないんです、背後霊が悪いんです」
「自己啓発が大切です」
「パワーストーンがあります」
「心の解放にはヒーリングが必要です」
などと、関連業界からカモにされます 。
勉強、運動、そして人間として・・・どんなことでも、成長には苦痛が伴います。
意志が強いほど、勉強や運動の苦痛が「前向きな苦痛」になるのと同じように、人間としての成長の努力も、意志が強いほどその苦痛は「前向きな苦痛」になります。
「人生がうまくいかない」と悩んでいる人には、必ずその原因が自分にあります。
「自分の責任で成長する」という意志が強いほど、苦痛は「前向きな苦痛」になり、苦言は単なる苦言ではなくなります。
一方、甘い言葉、「甘言」をコレクションしていれば、その場では気分良く過ごせるかもしれませんが、心から成長を望み、その意志が強いほど、人は甘言には興味がなくなり、甘言コレクターを卒業できます。
以下、「自分の無意識さ」と「苦言の大切さ」を知る具体例を書きますが、その前に2つ余談です。
「絶対そうだ!」なんて書くつもりないですよ、概ねそんな感じです。
余談1:
若くて可愛い女性は、男性からは主に甘言を、そして女性からは主に感情的な苦言をもらうことがあります。
もうちょっと極端に表現すると、若くて可愛い女性ほど男性から褒められ、女性からは嫌われる(嫉妬される)んです。
それは、若くて可愛い女性は、男性にとっては「身体」という利益があり、女性にとっては「一緒にいると比較される」という不利益しかないからです。
そして、若くて可愛い女性に嫉妬する女性は、「自分は若くなくてかわいくない」と公言していることになり、男性から雑に扱われます。
また、若くて可愛い女性に対して感情的な苦言を言う「男性」は、「どうせオレなんか相手にされない」というヤケ、または「普通のアプローチじゃムリ」と判断し、イチかバチかの発言であることがほとんどです。
もちろんそんな男性は「三悪」をやっているはずです。
余談2:
知恵のある女性は、若くて可愛い女性を、ありのままに「かわいいね」と評価します。
もし若くてかわいい女性を感情的にいじめるような年配女性を見たときは、「このおばさんもきっと愛を探して苦しんでるんだろうな」と同情しつつも笑顔でスルーしてください。
そのおばさんの悩みを聞く必要はありませんが、感情を逆撫でするようなことをしないのが愛です。
いじめられても笑顔でいられる若い女性は、知恵のある男性を引き寄せます。
もしあなたが自称「若くない女性」なら、若い女性をかわいがってあげてください。
若さに対する「媚び」ではなく、知恵をベースにした「ゆとり」でかわいがってあげてください。
若い女性をかわいがるゆとりのある女性は、知恵のある男性を引き寄せます。
◎具体例
「自分がなにをしているかわからず、知らず知らずのうちに他人に迷惑をかけ、自分の価値を落としている」ということについて、「ペーパードライバー教習」を例に書いてみます。
以下は「ペーパードライバー教習」でマスターが助手席に乗ったとき、よく口にすることです。
「太文字」がマスターがドライバーに対して注意したこと、その後の「細文字」が解説です。
本人が自覚していないことなので、もし本人が無事故であっても、周囲が危険な思いをしているとわかると思います。
迷惑な運転手は交通社会の負担になりますから、自分の価値を落としてしまうことになります。
車の運転をしない人も、将来の自分のため、また、助手席に乗ったときに運転手を見る練習として、読んでみてください。
ポイントは、「太文字部分のほとんどは本人が気づいていない」ということなんです。
以下を読み、車の運転も上達しながら、今後は「甘言」コレクターではなく、「苦言」コレクターになりましょう。
※約20項目あるので、車に興味がない人はずっと下の「以上、だいたいこんな感じです。」まで飛ばしてください。
ドアの閉め方が強いですよ
万一人の指があったら骨折ですよ
特に夜はうるさくて、周囲が迷惑しますよ
ドアパッキンが傷みやすいですよ
同乗者が驚きますよ
同乗者がドライバーに対して雑なイメージを持ちますよ
窓を締め切っていたら同乗者の耳が空気で圧迫されて痛いですよ
赤ちゃんが乗っていたらビックリして泣きますよ
万一シートベルトの金具がドアとボディーの間に挟まっていたら、車に傷がつきますよ
普段から訓練しないとイザというときに静かに閉められないですよ
後続車がいる場合の駐車はもっと奥の方が迷惑がかかりませんよ
駐車に時間がかかる人が入り口付近でモタモタしていると後続車が迷惑ですよ
同乗者も心配しますよ
後続車の気持ちになってみるとわかりやすいですね
ウインカーが出ていない状態で発車しましたね
周囲の車に急ブレーキや急ハンドルを強いることになりますよ
同乗者が不安になりますよ
「安全のための道具があっても使わない人」だと思われますよ
左折時にハンドルを回すスピードが遅くて対向車線にはみ出しましたね
対向車が驚きますよ
同乗者が不安になりますよ
もし対向車が来たら、急ハンドルや急ブレーキになってお互いにビックリしますよ
自分が対向車だったらどう思いますか?
後続車に追いつかれてからちょっと左に寄って走ってますよ
後続車に「抜きたくなる気持ち」を起こさせないために真ん中を堂々と走ってくださいね
バックミラーばかり見ていてアクセルがおろそかになり、車速が落ちてますよ
車速が落ちると後ろの車がさらにイライラしますよ
道を譲りたい気持ちが現れてますけど、このカーブした道で譲るのは危険ですよ
合流後の加速が鈍く後続車に追いつかれましたね
ゆっくり走ることが安全だと単純に思っていませんか?
優先車線を走ってきた後ろの車がブレーキを踏むことになりますよ
周囲との調和が大切ですよ
後ろの車のスピードを考えて自分の車を加速させてください
自分のことしか考えていませんね?
前ばかり見て合流後にもう一度バックミラーを見ていなかったんですね
カーブのハンドリングに夢中になりアクセルを踏み忘れて減速しましたね
後ろの車をイライラさせますよ
後ろの車をイライラさせるとその車が事故を起こしやすくなりますよ
同乗者が不安になりますよ
なかなか道を譲れないですね
後ろの車がイライラしますよ
後ろの車の気持ちになって、見通しのいい直線で機敏に譲ってくださいね
譲りたいと願うだけじゃなく、行動を起こしてくださいね
バックミラーを意識するあまりアクセルがおろそかになって減速し、さらに後ろの車をイライラさせてますよ
左カーブに入る前に中央線に寄ってからカーブしましたね
対向車が来たら驚きますよ
同乗者が驚きますよ
乗用車は一度車体を右にふらなくても充分に曲がれますよ
次の合流に楽な車の位置(角度)がわかっていませんね
この角度で発進すると対向車線にはみ出しますよ
この角度で発進すると合流後にハンドルの戻しが追いつかないか車が蛇行しますよ
進入角度が急だとアクセルが踏めず、後ろから来た車がブレーキを踏みますよ
急ハンドルや急ブレーキがありますよ
走行中に遠方を見ていませんね
同乗者が酔いやすくなりますよ
近くを見てその場その場で急な対処をしてますよ
状況の変化への対応が遅れますよ
後ろの車が不安になりますよ
対向車が来ているのに右折しましたね
右直事故の典型例のひとつですよ
対向車が来ていないのを確認してから右折するまでの時間が長いですよ
そのときに対向車がいなくても2秒後には状況は変わりますよ
対向車が急いでいる車なら、危険でしたよ
バックミラー見てますか
このままだと後ろに何台も連なってしまいますよ
道を譲らないとそろそろ後続車がイライラしているかもしれませんよ
目の前に人がいますよっ!
マスターがサイドブレーキを引きますよー!
商店街は人がいっぱいですから集中してください
同乗者が驚きますよ
歩行者も驚きますよ
そのままのスピードじゃ、ガードレールにぶつかりますね
マスターがハンドルをとりますよーーー!
同乗者、後ろの車、そして自分も驚きますよ
急ハンドルと急ブレーキになりますよ
左カーブで曲がりきれずはみ出しましたね
ハンドルの持ち方と進入スピードが速いことが原因ですよ
対向車が驚きますよ
同乗者が驚きますよ
対向車がバイクなら急ブレーキをして転倒してしまうかもしれませんよ
事故をやるならこのパターンが危険ですから、今後練習のテーマにしてくださいね
上り坂でスピードが落ちてますよ
上りなのにアクセルを踏んでいませんね
後ろの車をイライラさせますよ
同乗者が不安になりますよ
下り坂でスピードが出すぎですよ
アクセルを戻すタイミングが遅いですよ
そのまま曲がってしまったら急ハンドルかはみ出しになりますよ
上りと下りのスピード差がありすぎて同乗者が不安になりますよ
車間距離が空き過ぎてますよ
周囲の状況を考えた車速で、その場に合った距離をとってくださいね
自分の車を中心に、前の車と後ろの車の距離を計ってみてくださいね
前の車との車間距離が空くと後ろの車がイライラしますよ
車間距離が空き過ぎると割り込みや対向車の強引な右折を誘発しますよ
同乗者が不安になりますよ
・・・
以上、だいたいこんな感じです。
上記はほぼ無意識にやっていることなので、言われないと本人はほとんど気づきません。
極論すれば、運転中にトラブルが起こっても、「なぜ事故になったのか、なぜ周囲が怒っているのか理由を言われてもわからない」、ということもありえるわけです。
しかし、練習すればみんな上手になりますよね。
これは人生も同じなんです。
特に「人生がうまくいかない」と言う若い女性は、普段の生活の中で、上記ペーパードライバーと同じようなことをしている可能性が高いわけです。
車の運転では、ドキッとしたり接触事故を起こしたりして、その場で自分の未熟さが「形」になって現れやすいですよね。
しかし人生はもっと複雑ですから、なにが原因でそうなったのかわからないこともたくさんあります。
ですから、いま、自分の方法で人生がうまくいかないなら、それこそ貪欲に「苦言」を聞く必要があるわけです。
「うぜーよ」とか言って苦言を聞かないなら、その思考がまさに「人生の初心者」ならではの思考なんです。
そんな人が、自分の思うままに人生を走り続ければ、事故を起こすのは目に見えています。
その事故が致命的なものになるかどうかはわかりませんが、事故は必ず起こります。
ただ、どんなにがんばっても人生はなにもかも順調には進みません。
むしろ「事故を起こし、反省しながらスキルを上げていく」という面もありますから、生きるからには、悲観することなく「生きる練習」をしていけばいいわけです。
そしてその練習に「苦言」を取り入れると、飛躍的な成長が望めるわけです。
今回は少し長めでしたね、最後までありがとうございました。
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