裏切られる理由
(読了目安7分)
今回は、「裏切られる理由」と「裏切られない方法」について書いてみます。
裏切られる理由を最短で表現すると「裏切ったことがあるから」です。
たとえば赤ちゃんは裏切ることを知りませんから、なにをされても裏切られたとは思いませんよね。
自分が裏切ると、同時に「裏切られた」という概念が生まれるわけです。
・・・
以前、人気の女性タレントが、所属事務所と契約上のトラブルになったときのつぶやきが話題になりました。
簡単に書くと、以下のような内容です。
「裏切られた」
「10年の信頼を返して」
「人が信用できない」
信用していた人から裏切られたことがショックだったようですが、みなさんは、人はなぜ裏切られるのか、わかりますか?
それは・・・
相手になにかを期待しているからです。
「依存しているから」
「見返りを求めているから」
「自分がまだ未熟だから」
などと言ってもいいかもしれません。
相手が自分の思うように行動してくれることを当然のように期待し、思い通りに行動してくれないと「裏切られた!」となるわけです。
人はそれぞれ価値観が違いますから、相手が期待通りの行動をしてくれないこともあるとわかっていたら、「裏切られた」という思考になることもなく、単に、「私と考え方が違う」「きっと相手になにかあったんだろう」などと解釈することができます。
通常、人間は、
「目先の快楽を追う」
「目先の苦痛から逃げる」
この2つに終始する動物です。
きっとそのタレントも、目先のことに右往左往する人に巻き込まれたのかもしれません。
しかし、程度の差こそあれ、「裏切り」は、タレント自身もやってきたはずなんです。
自分がやってきたことをされただけなので、嘆く必要はないはずです。
たとえばマスターは、「約束を守る」ということは大切だと思っています。
今は約束を守っていますが、昔は自分の都合で破ってきたこともありました。
ですから、だれかがマスターとの約束を破っても、それは想定内であって、裏切られたとは思いません。
「人間らしいなあ・自分もやったなあ」と思うのと同時に、約束を破った相手の将来の心配や、自分の実力のなさを反省したりします。
最近、若い女性がマスターとの約束を破るという出来事があったんですが、若さとはそういうものですし、マスターが彼女にとってもっと重要な存在なら、彼女は約束を守ったかもしれないわけですから、何か問題があっても、マスターが反省すればいいだけです。
そう、相手を責めなければストレスになりませんよね。
逆に、マスターがその女性になにかを期待し、依存していたら、「裏切られた!」と感じてしまったかもしれません。
人が「裏切られた」と感じるのは、なんと言っても「期待」しているからです。
そして、経済面であれ精神面であれ、相手になにかを「依存」しているからです。
話は戻りますが、タレントのつぶやきには、「10年の信頼を返してください」と、裏切った人へのメッセージのようなものがあります。
これは、彼女が子どもの思考だということを明確に表現しています。
信頼というのは、貸し借りするものではないですから、「返してください」という発想になることはありません。
まさに商業の世界にいる人の考え方だと言えます。
「10年の信頼を返してください」というのは、「信頼を返してくれないと私は幸せになれない」と言っていることになります。
つまりそれは、
「私の幸せはあなたの態度次第」
と言っていることになり、幸せを他人に依存していることを意味しています。
表現を変えると、
「私は自分の力で幸せになる気はない」
「幸せは自己責任ではない」
「他人は私を幸せにしてくれる」
「人の幸せは他人がどうにかできる」
と言っていることになり、そんな考え方だから「裏切られた」と解釈してストレスを抱えるわけです。
「裏切られた」とか「信頼を返して」などの言葉は、自分が子供の思考であることを宣伝するものですから、結局、彼女の周りには、知恵のある人は集まらず、自分を悪循環の中に閉じ込めてしまう行為と言えます。
知恵のない人を集めてしまうわけですから、今後も様々なトラブルが待っていることは容易に想像できます。
◎そのタレントはファンを裏切っていないか
そのタレントが「裏切られた」とつぶやくのはいいとして、タレント本人もファンを裏切っていないでしょうか。
10年前にデビューしたとき、そのタレントは、「〇〇を目指してがんばります」と誓ったかもしれません。
それを信じてファンになった人たちが、今の彼女を見て、まさに「裏切られた」と感じているかもしれません。
また、このつぶやきはタレント自身の価値を落としてしまうものですから、「こんな人だと思わなかった、裏切られた」と感じたファンもいるかもしれません。
彼女が一流のモデル・芸能人なら、ファンたちに夢を与えるのが仕事ですし、本人もそんなことをつぶやいています。
しかし今回の、大人の裏事情をさらすようなつぶやきは、ファンの夢を壊してしまうかもしれません。
ディズニーの着ぐるみの中の人が、頭の部分だけ外してタバコを吸っている姿を子供たちに見せてしまうようなものです。
◎裏切られない方法
裏切られない方法はとてもシンプルです。
相手に期待しているから裏切られるわけですから、期待しなければいいんです。
相手に期待しないということは、自立するということですから、裏切られない方法は、結局のところ・・・
「自分がオリジナルブランドになる」
ということです。
オリジナルブランドとして自立してしまえば、だれもあなたを傷つけることはできません。
たとえ周囲の人が「それって裏切られたんじゃない?」と言っても、あなたが裏切られたと感じていないわけですから、実質、あなたが裏切られることはなくなります。
以下、意味は似ているんですが、裏切られない方法をいくつか書いてみます。
プライドのある人間になる
人間の不完全性を信じる
自分が正しいと信じない
知恵のある人間になる
愛をそそげる人になる
見返りを求めない
相手に期待しない
自分の幸せに責任を持つ
自己責任で幸せになる
これらができれば、裏切られない人になります。
「期待しないこと」・・・これで裏切られることはなくなります。
しかし現実は、たとえば病気のときは医療に期待しなければならない場面もあります。
そんなとき、もし裏切られてしまったと感じたら、「過去、自分も裏切ったことがある」と考え、ストレスを溜めないことです。
また、あなたに「いつも一緒にいたい・好かれたい」と他人に思わせる魅力があれば、あなたを裏切る人はいなくなります。
「愛をそそげる人になれば、裏切られなくなる」ということですが、これはやはりオリジナルブランドとして自立することにもつながります。
裏切られない方法は、結局のところ「オリジナルブランドになる」に集約されます。
◎まとめ
「裏切られる理由」は、相手に期待しているからです。
「裏切られない方法」は、自分がオリジナルブランドになることです。
みなさんは、ブランド品に囲まれて喜ぶ人ではなく、自分がブランドになってしまいましょう。
あなたに着られた服が喜ぶような存在になってください。
そうなれば、「裏切られた」などと思うことはなくなります。
また、もし「裏切られた」と感じたら、「過去、自分も裏切ってきたんだろう」と考えてみてください。
そう考えることができれば、ストレスはなくなります。
人間は、自分がされた「嫌なこと」は忘れませんが、自分がした「嫌なこと」は忘れてしまう動物です。
思い出せなくても、きっとなにかをしているはずです。
あなたが人として自立した「オリジナルブランド」になってしまえば、周囲が何をしようとあなたの幸せは揺るぎません。
結果として、あなたは誰からも裏切られない人になります。
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