小噺 「地獄見物」 〜リメイク版〜
徳島県のむかし話で、なるほどなぁ〜と思った話のご紹介です。
ほとんどのむかし話は忘れていますが、この話は印象的で
今でも覚えているものです。
リメイク版『地獄見物』をどうぞ
( ´ ▽ ` )⬇️
『地獄見物』
T市に、仲が良い〝義兄弟三人組〟がいました。
一人は占い師(キョン)
一人はボードビリアン(銀之介)
一人はエステティシャン(春)
です。
三人は〝宵越しの銭は持たない〟という精神で、
日雇いの生活をしていました。
ある日、気晴らしにT山を登山していました。
何回も登っている山でしたが、
なぜか道を間違え、迷い込んでしまいます。
しかし、三人とも焦る気配はありません。
キョン:まぁ、何とかなるでしょう!
春:そうね
銀:だね〜
道も無い山奥へ、どんどん入り込んでいきます。
すると、
「👈左 極楽 _φ(・_・ 右👉 地獄」
と彫られた石の看板がありました。
キョン:地獄ってどんな所かな?ちょっと行ってみたい!
春:そうねー。キョンちゃんがそう言うなら行っても良くってよ✨
銀:うん、行ってみよう!
三人の意見は一致し
(ふつう行くか?)
「右👉 地獄」と示してある方向に進んでいきました。
進んで行くと、大きな鉄の門がありました。
開けようと思い、門に手をかけましたが全く動きません。
銀:たのもー!
門が少し開きました。なんと、そこに出てきたのは一人の鬼でした。
よく見ると、後ろにもたくさんの鬼たちがいます。
鬼1:何しに来ただ!?
銀:地獄を見物しに来たんだ。中に入れてもらっても良いかな?
鬼1:何っ!?生きてる者はここには入れねぇ!
……が、上に聞いてくるだ。待ってろ!
鬼1は、上司の閻魔大王にお伺いを立てにいきます。
閻魔大王:今時そんなこと言うヤツらがいるんだな。
まぁ、いい。中に入れて案内してやれ。
適当なところで鍋にして食っちまおう!
生きてる者を食べられるということで、鬼たちは大喜び。
早速門を開け、義兄弟三人組を中に入れました。
鬼たちは適当に地獄を案内し、三人に見せた後、いよいよ我慢できなくなり、
大きな釜の前に連れてきました。
鬼2:もう見せるものは見せただっ。
山道を歩いてきて、ひとっ風呂浴びたい気分でねぇか?
三人組:!?これに入るの!?∑(゚Д゚)釜、煮えたぎってるよ!?
春:こんなんじゃ入れなくてよー
そこでキョンちゃん。
キョン:大丈夫!私は占い師でもあるけど、呪術師でもあるんだ!
ちょっと呪文を唱えれば…ごにょごにょ…
鬼2:何ブツクサ言ってるだに!💢早くへぇーるだっ💢
待ちきれなくなった鬼2は、三人を釜の中に放り込んでしまいました。
ところが、キョンちゃんの呪文のおかげでお湯の温度は良い感じ♪
良い湯だな〜♪
驚いた鬼2は上司の閻魔大王に詳細を伝えます。
閻魔大王:じゃあ、湯から出して酒と激辛飯を食わせろっ💢
鬼たちは酒と激辛飯を用意して、義兄弟三人組に食べさせました。
しかし、三人組はみんな、酒と激辛の食べ物は好物。
あっという間に食べてしまいました。
三人組:美味しかった〜!( ´ ▽ ` )どうもご馳走様でした!
これを見た鬼3は、最後の手段と三人を剣の山に連れて行きました。
鬼3:さぁ、ここを登るんだっ!
キョン&春:え〜無理難題〜!
銀:ちょっと待って!
僕はボードビリアン。つまり芸人。だから身軽だよ!
さぁ、二人とも僕の背中に乗って!
二人を背負った銀之介は、ダンスの稽古で習得したステップで、
軽快に剣の山を登って行きました。
山頂までたどり着いた三人は、思いの外キレイな景色に感動!
三人組:お風呂に入ってキレイさっぱりしたし、
お酒と食事もご馳走になって、
こんな素敵な景色まで見られて高級旅館みたい!最高だねー!✨
と、ゴロっと横になってくつろぎ始めました。
鬼たちから三人組のことを聞いた閻魔大王は怒り心頭!
閻魔大王:そいつらをここに連れて来いっ💢😡
閻魔大王の前に義兄弟三人組は連れて来られました。
閻魔大王:何をしてもお前らには通じねぇようだなっ!
でももう終わりだっ!俺が食ってやる!💢
春:まーヤダー!
と言った春さん。彼女はエステティシャン。
経穴(ツボ)の位置を心得ています。
急所のツボ目掛けて中指を閻魔大王の顔にビュッ!
さて、バタンと後ろに倒れてしまった閻魔大王。
もうこの三人組に懲りたのでしょう。
鬼たちに命令しました。
閻魔大王:こいつらを外に追い出せ〜!
こうして地獄見物から戻って来た義兄弟三人組。
三人は揃って、
「地獄なんて大したことないね。
生きてる方がよっっぽど地獄だ」
と言って、また日雇いの生活に戻りましたとさ。
どんどはれ。
こんな話です。
リメイク版なので、
義兄弟三人組は我が家の猫😼スタッフです。
三人組のキャラクターが個性的で、なるほどなぁーという落ちですね。
皆様は何を感じられたでしょうか?