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ソーシャルワークとAIが交差する場所:5つの心理学的キーワードを紐解く

私は現在、都内近郊でソーシャルワーカーとして働いています。児童養護施設などで10年以上、子どもや保護者の方を支援してきました。日々の活動で大切にしているのは「セルフラブ」の視点。まず自分をいたわるからこそ、相手に安心感や温かさを届けられるのだと実感しています。

しかし現場は常に忙しく、支援者が疲弊しがちなのも事実。そんな私が最近注目しているのが、AIやITツールの活用です。チャットボットで相談窓口を24時間化したり、Larkのようなコミュニケーションツールでチーム内の情報共有をスムーズにしたり。業務効率化はもちろん、時間的・精神的な余裕を持つことでセルフケアもしやすくなるのでは、と期待しています。

↑日々の業務効率改善にLarkは手放せないツールとなっています。

では、具体的にどうAIを使っていけばいいのか。ここでは「AI時代に再注目される5つの心理現象」を参考に、現場視点で感じたポイントをまとめてみました。

1. ハロー効果:第一印象に惑わされないために

誰かの良いところを見つけると、その人全体を高く評価してしまう傾向を指します。AI導入に期待するとき、「最先端の技術なら完璧」と思い込み、肝心の導入目的や運用体制を見落とすことも。まずは現場ニーズを丁寧に洗い出す姿勢が大切だと感じます。

2. ピグマリオン効果:期待が行動を変える

「あなたならできる」と適切な期待を伝えられると、本当に成果が伸びていく――子どもたちとの関わりで痛感している現象です。AIを支援ツールとして使う際も、「この仕組みがあるからこそ、私たちがより心に寄り添える」という前向きな期待がチーム全体の意欲を高める一因になるでしょう。

3. アンカリング効果:最初の情報が基準になる

例えば「予算は〇〇円が妥当です」と言われると、それが自然と判断基準になりがち。AIシステム導入の見積もりでも同様です。だからこそ、複数の候補や導入シナリオを比較し、本当に必要な機能やコストを見極めるプロセスが欠かせないと思います。

4. 経路依存性:慣れ親しんだやり方から抜け出せない

長年の経験や施設の運営方針が固定化すると、新しいツールを導入するハードルは高くなります。だからこそ段階的な移行や、小さな成功体験を重ねることが重要。職員同士で試験運用してみたり、導入効果をこまめに共有することで、変化への抵抗を和らげたいですね。

5. フレーミング効果:情報の伝え方で印象は変わる

同じ導入でも、「人間の仕事を奪う」と捉えるか「人の負担を減らす」と捉えるかで、反応はまるで違います。実際、現場の職員から「AIのせいで相談業務が無機質にならない?」という声もありましたが、私は「自分の負担を減らして、より丁寧に向き合う時間を作る仕組み」と伝えています。そうした伝え方で相手の不安が薄れ、新たな一歩を踏み出しやすくなるのを感じます。


振り返ると、セルフラブを実践し続けるためには、無理なく仕事が続けられる仕組みが必要です。子ども支援の現場でこそ、最先端のAIと人間の温かさを両立させる意味があるのではないでしょうか。私自身、まだAIやツールを使いこなしているとは言えませんが、失敗を恐れず少しずつ取り入れながら、新しい可能性を探求していきたいと思います。

これは.Ai カレッジで学んだ内容をベースにした、私なりのアウトプットです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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