トラウマの癒し:身体に封印されていたもの (1)
先日ワタシが通り抜けたトラウマの癒しの過程です。ヘビーな内容も含まれますが、どなたかのお役に立てば幸いです。
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●きっかけはワークショップ●
ワタシが現在住んでいるフィレンツェで参加した、Unlocking stories from the body(身体から物語を解き放つ)という英語でのワークショップ。
これに参加したことでワタシは、随分と長い間封印されていた扉を開けることになった。全く思いもよらなかったこと。でもきっと気づいていなかっただけで、ワタシの意識が届かないところでそうしたかったのだと思う。
少し前から自分の気持ちに正直でありたいと思い始めたり、真の自分で生きることを意識し始めたり、身体を使って感情を表現してみたいと思うようになっていたりと、今思えば流れは解放の方向に向かっていたような気がするからだ。
インストラクターさんは、オーストラリア人のパフォーマンス・アーティストでありライターでもある若い女性。ワタシの他にはトルコ、台湾、アメリカの女性3名が参加していた。
自己紹介の後に行ったのは、地球につながる感覚を持ちながら周囲で起きている様々なことに意識を向けて、身体の感覚を感じていくこと。
気温、風、匂い、音、色などを五感をフル活用して感じていく。身体の感覚に集中できたところで自分の身体に手を当てて、そこから出てくる記憶を感じるというワークに入った。
触れる身体の場所はどこでもOK
触れたいところに触れる
ワタシは痛みが出やすい仙骨の辺りに手を当てた。その時も少し痛みがあったかも知れない。余談だけれど、仙骨はかつて英語でholy bone(聖なる骨)と呼ばれていて、日本では護神骨と訳されていたそう。面白い。
仙骨に触れるとすぐに、トラウマの原因となった出来事のことが頭に浮かんだ。
身体から出て来たのではなく、頭で考えたんじゃないだろうか・・
そんなことに気を取られた。
インストラクターさんは、その記憶の中にある気温、風、匂い、音、色などを感じてみてと言った。けれど具体的なことは何も出て来なかった。
色がない
匂いもない
空気の流れも、何もかもが止まっているよう
何も思い出せない
(しばらく感じ続ける・・)
あの時にいた公園
「これは前に思い出していたものだからな」と頭の中の声が言う
砂の色のようなベージュ
これ以外は何も出てこないまま終わった。今思えばブロックがあったのだろう。
次の作業は、身体から出てきたことを文章にするというもの。
「ほとんど何も出てこなかったからなぁ。書けないなぁ」
なんて思いながらノートと向き合った。
「感じたままを書こう」そう思って書いた最初の言葉は
nothing
何も思い出せなかったから。
すると思いがけずに言葉がその後にスルスルと続いた。
つづく・・・